セキュリティや管理機能の弱さに不安
iOS/Android版「Outlook」に意外な高評価、ただIT管理者が困り顔なのはなぜ?(2/2 ページ)
IT管理者を警戒させる限定的な管理機能
iOS/Android版のOutlookアプリがリリースされた当初の最大の問題は、モバイルデバイス管理(MDM)ツールとの統合機能が搭載されていなかったことだ。その後、Microsoftは幾つかのMDM機能を追加したが、それでもなお、IT管理者はOutlookアプリをよりきめ細かく管理したいと考えている。十分な管理機能が備わっていなければ、ユーザーのアプリ利用を管理することはできない。それにより、Outlookアプリの利用を全面的に禁止している企業や団体もある。
Outlookアプリはファイル共有サービスと接続し、個人用アカウントをアプリ内で設定すれば、こうした外部サービスを用いて添付ファイルを他のユーザーと簡単に共有することができる。それにより、IT管理者は企業の機密情報がどのようにやりとりされているかコントロールすることができなくなる。
Outlookアプリはまた、ユーザーがアプリを利用する全ての端末で、同じExchange ActiveSyncクライアントIDを使用する仕組みとなっている。1つのIDを覚えておくだけなので、エンドユーザーにとっては便利な機能だが、IT管理者にとってはどの端末からアプリを使っているのかを判断することができないという問題がある。
さらに深刻なのは、ログイン認証と機密データがMicrosoftのクラウドに保存されている可能性があるということだ。Microsoftのクラウドにデータが取り込まれてしまえば、IT管理者はもはや完全にコントロールすることはできない。
Outlookアプリの管理機能を強化
Outlookアプリのリリース当初に集まった数々の批判を受けて、Microsoftはセキュリティと管理機能に変更を加えることとなった。
例えば、Androidデバイスでは、スクリーンロックのルール設定や、ロック解除の試行回数の制限が可能になった。iOSデバイスの場合は、Exchange ActiveSyncを利用してパスコードを強制適用できるようになった。パスコードを設定しなければ、ユーザーはメールにアクセスできない。iOS 8以降を搭載する端末では、端末に組み込まれている暗号化機能を利用可能である。IT管理者は、MDMに登録されているデバイスに基づいて、アプリをより高度に制御・管理できるようになる。
Microsoftはまた、Outlookアプリに対するリモートワイプを数秒で実行できるようにした。リモートワイプ機能はOutlookのデータを削除するが、他のアプリや情報に影響を与えることはない。さらに、メールを同期する際に端末へのパスワード入力を要求するようにIT管理者が設定した場合、Outlookアプリではデバイスレベルでパスワードを強制適用できる。パスワードの文字数や複雑性も定めることが可能だ。
Microsoftは近い将来、IT管理者が特定のアクションをブラックリスト化して、ブロックすることを可能にすると発表した。同社は今後も、iOS/Android版のOutlookアプリ向けにより多くのモバイルアプリケーション管理(MAM)機能を追加する見通しだ。しかし、それにはサードパーティー製品ではなく、「Microsoft Intune」経由での管理が必要になるだろう。MicrosoftのMAMソリューションを使えば、IT管理者は、Outlookアプリ内での切り取りやコピー、ペースト、保存といった操作や、個人用アプリへの転送をできないようにすることができる。
こうした新たなアプリレベルの制御と今後見込まれるMAM機能の強化によって、IT管理者は私物端末でのOutlookアプリの利用を見直すことになるかもしれない。
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