OpenDaylight準拠のSDNコントローラーと連係
“隠れFacebookユーザー”もあぶり出すSDNアプリ、その実力とは?
DoS攻撃の防御や禁止アプリケーションの利用防止に、SDNコントローラーとの連係機能を備えたアプリを提供する動きがある。その一例を紹介する。
米大手ネットワークベンダーのBrocade Communications Systems(Brocade)は、オープンソースのSDN(Software Defined Networking)ソフトウェア「OpenDaylight」を利用し、トラフィックに関連する多様な問題に対処可能なアプリケーションを提供している。その一例が、同社が2015年6月9日(米国時間)に発表したトラフィック管理ツール「Brocade Flow Optimizer」である。
Flow Optimizerで対処できる問題の1つは、サービス拒否(DoS)攻撃によるトラフィックの急増だ。
Facebookへのトラフィック制限も可能
DoS攻撃を受けると、長時間にわたってトラフィックが異常に多くなる。Flow Optimizerは、このような特徴が見られるトラフィックを1つの物理ポートへリダイレクトして、ネットワークの速度低下を防ぐ。
「業務に関係ない米Facebookなどのオンラインサービスへのトラフィックを制限することもできる」と、Brocadeの製品マーケティングマネジャーを務めるスルタン・ダウッド氏は話す。
Flow Optimizerはポートのミラーリングにも役立つ。ポートのミラーリングはトラフィック監視方法の1つで、管理者はスイッチのパフォーマンスを詳しく追跡できる。
サービスプロバイダーはFlow Optimizerを使用して、さまざまな企業顧客からのトラフィックを定義できる。どのユーザー企業のトラフィックかを特定したら、米Amazon Web Services(Amazon)の「Amazon Web Services」や米Microsoftの「Microsoft Azure」などの転送先に効率よくトラフィックを転送できる。
米IDCでアナリストを務めるブラッド・ケースモア氏は、次のように述べる。「攻撃軽減、アプリケーショントラフィックの制御、フロー(アプリケーションデータの流れ)ベースのポートミラーリングなどの用途は魅力的だ。Brocadeが顧客に対して、ビジネス価値を明確に伝えることができれば、Flow Optimizerは多くのサービスプロバイダーや企業に受け入れられるだろう」
Flow Optimizerの仕組み
Flow Optimizerは標準的なx86サーバで動作し、OpenDaylight準拠の「SDNコントローラー」(ネットワーク構成や機器設定を集中制御するソフトウェア)と連係する。このSDNコントローラーはネットワーク制御プロトコル「OpenFlow」を使用して、Flow Optimizerのフロー制御命令をスイッチへ渡す。インフラとなるイーサネットファブリックは、OpenFlowなどの標準技術をサポートしている必要がある。
OpenDaylight準拠のSDNコントローラーは、市場の2大SDNエコシステムである米Cisco Systemsと米VMwareに代わるオープンソースの代替物だ。こうしたSDNコントローラーを提供しているベンダーはBrocadeに加え、米Extreme Networksや米Meru Networksなどがある。
「Brocadeのアプリのすばらしい点は、同社のSDNコントローラー『Brocade Vyatta Controller』(現: Brocade SDN Controller)だけでなく、OpenDaylight準拠の全てのSDNコントローラーと連係することだ」と、米IT調査会社Enterprise Strategy Groupのアナリスト、ダン・コンデ氏は話す。
OpenDaylightの動向では、アプリの移植性が重要な要素となっている。OpenDaylight標準をサポートするベンダーが増えれば、複数のSDNコントローラーで利用可能なアプリを簡単に開発できるようになる。
Brocadeにはアプリ開発のライバルがいる。最大のライバルの1社が米Hewlett-Packard(HP)だ。HPは2014年9月に自社とパートナー製のSDNアプリ用ストアをオープンした。パートナーには、米F5 Networks、米KEMP Technologiesなどが名を連ねている。HP自身も、OpenDaylightのサポートに力を入れている。
Flow Optimizerは永続ライセンスで販売されている。価格(米国価格)はネットワークの容量によって異なり、トラフィック管理が20Gバイトまでの場合は4995ドル(約61万5000円)、200Gバイトまでの場合は1万2995ドル(約160万円)だ。
Brocadeは、同社のイーサネットルーター「Brocade MLX シリーズ」用OSである「Brocade NetIron OS」の新しいバージョンである「5.9」についても発表済みだ。NetIron OS 5.9には、ファブリック内で使用できる機能が追加されている。このOSは2015年第3四半期中にリリースが予定されており、サービス契約中のMLXユーザーには追加費用なしで提供される。
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