全てのネットワーク担当者に贈る
5つの「なぜ?」で理解するSDNの基本
ユーザーから寄せられたネットワーク仮想化やSDN、OpenFlowに関する疑問に対し、エキスパートが回答する。全ての担当者が知っておくべきSDNの基礎知識だ。
SDN(Software Defined Network)の認定資格制度や教育プログラムの整備が始まっている中、ITエンジニアはSDNに関する基本的な疑問の答えを探している。米TechTargetでは、ITに関する質問にエキスパートが回答する「Ask the Expert」コーナーを設けており、SDNのエキスパートも質問対応に当たっている。
本稿では、Ask the Expertに寄せられた質問の中から5つを取り上げ、その回答を要約して紹介する。これらの回答は、全てのネットワーク担当者が知っておくべきSDNの幾つかの基本の解説となっている。
1.なぜSDN技術の採用を検討すべきなのか
SDNのエキスパートである米Doyle Researchの主席アナリスト、リー・ドイル氏によると、SDN技術で対処できる最も一般的な問題は、大規模データセンターがサーバ仮想化の要件を満たさないというものだという。具体的には、SDNは、新しい仮想マシンをサポートするための仮想ネットワークおよびネットワークサービスの簡単かつ迅速な自動プロビジョニングを可能にする。だが、SDNのメリットは、仮想化のためのネットワーキングだけにとどまらない。SDNは、ネットワークのあらゆる要素のプログラミングを可能にする。また、ネットワークの可視性を高める他、オペレーションコストを削減する。
2.SDNのために特殊なスイッチが必要か
「必ずしも必要ではない」とドイル氏は説明した。一部のベンダーは、OpenFlow対応のスイッチとやりとりする必要があるOpenFlowコントローラーに依存したSDN戦略を構築している。だが、他のベンダーは、仮想スイッチおよびネットワークオーバーレイを使って、SDNコントローラーに全く依存しないSDNおよびネットワーク仮想化アーキテクチャを実装しようとしている。
3.SDNとネットワーク仮想化は同じなのか
「同じではない」とドイル氏は述べた。ネットワーク仮想化によって、ITマネジャーは複数の物理ネットワークを集約したり、1つのネットワークを複数のセグメントに分割したり、仮想マシン間でソフトウェアオンリーのネットワークを構築したりできる。仮想化の目的は、自動化とネットワーク管理の強化だと、同氏は付け加えた。これに対し、SDNは、制御プレーンとデータプレーンの分離による全体的なプログラマビリティの実現を目指している。SDNは一般的に、このプログラマビリティの管理を中央コントローラーに依存している。ドイル氏は、SDNとネットワーク仮想化は、明らかに考え方が似ており、一方が他方のサブセットとなることもあり得ると結論付けた。
4.SDNのために特殊なコントローラーが必要か
「SDNを実装するのに特殊なコントローラーは必要ない」とドイル氏は説明する。SDNアーキテクチャへのアプローチはさまざまで、中央コントローラーに依存するものもあれば、分散ソフトウェアを使うものもある。しかし、OpenFlowコミュニティーでは特殊なコントローラーが必要であり、米Big Switch、米IBM、日本のNECといったプロバイダーに採用されている。他方、米Cisco SystemsのSDNアーキテクチャはOpenFlowをサポートしているが、SDNコントローラーを必要としない。Ciscoの戦略は、イーサネットスイッチとネットワーク管理ソフトウェアにインテリジェンスを組み込むというものだ。
5.SDNではOpenFlowを使う必要があるか
SDNではOpenFlowプロトコルは必要ない。SDNアーキテクチャは、多様なアプローチで実現されることになるだろうし、ベンダー各社はそれぞれ異なる方法でSDNソリューションを開発するだろう。しかし、Open Networking Foundation(ONF)の取り組みによってOpenFlowの標準化が大きく前進しており、既に多くのベンダーがこのプロトコルへの対応を進めている。ONFは、SDNの実装の基盤技術としてOpenFlowを使うことを勧めている。
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