主要パブリッククラウドのネットワークを徹底比較【第1回】
AWSとIBM SoftLayerのネットワークを比較 仕組み、特徴の際立つ違いとは(2/2 ページ)
3.専用線の考え方
専用線は、AWS、SoftLayerともに都内のデータセンター内にあるPOP(接続ポイント)を経由した接続になる(※)。それぞれ特性を見て行こう。
※ AWSは2015年7月27日、大阪で接続ポイントの運用を開始した。
AWSは「AWS Direct Connect」という専用線サービスを提供している。ユーザーが構成した「仮想プライベートクラウド」(VPC:Virtual Private Cloud)との相互接続が可能だ。ちなみに、「Amazon S3」などが配置されているパブリックネットワークとの相互接続も可能。東京リージョンのみに接続できる。
Japan POP(日本の接続ポイント)の収容スイッチは冗長構成が可能で、ポートスピード(帯域)は1Gbps/10Gbpsが選択できる(1Gbps以下のポートスピードはAPNパートナーにて提供)。アウトバウンドのデータ転送量は課金対象である(インターネット側アウトバウンド転送量の4分の1程度)。Direct Connectのサービス提供事業者によっては、トラフィックシェーピングしたVLANを共有してサービスを安価に提供している。
SoftLayerの方では「Direct Link」という専用線サービスを提供している。SoftLayerが払い出したユーザー接続ネットワーク用IPアドレスを利用して、プライベートネットワークへ相互接続が可能だ。SoftLayer側からは、払い出したユーザー接続ネットワーク用IPアドレスに対するルーティングのみが行われるため、相互接続するためのNAT装置やGRE Tunnel装置を必要とするケースがある。
Japan POP経由で世界中のデータセンターに接続可能で、Japan POPの収容スイッチは現段階ではシングル構成となる。ポートスピードは1Gbps/10Gbpsで選択が可能。データ転送量は無料だ。Direct Linkの帯域を共有したサービスモデルは、現段階では提供できない。
4.クラウド選定ポイント
AWSはネットワークを柔軟にデザインすることができ、専用線を利用したオンプレミスとのハイブリッド接続でも親和性が高い。一方、SoftLayerはシンプルなネットワークデザインであり、各国のデータセンター間が無料でプライベート接続できることが最大の特徴だ。コスト的な優位性もある。
クラウドを選定する際は、スペックや価格に目が行きがちだが、各クラウド事業者のIaaSにおけるネットワークの提供方法にはいろいろな考え方があり、選定の重要なポイントになる。自分たちの求めるネットワーク要件に合った検討と選定をぜひお勧めする。
次回は、主要パブリッククラウドネットワークのファイアウォールやロードバランサーなど、ネットワーク機能(サービス)やネットワークコストの違いについて特徴を整理する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
5
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
6
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
7
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
8
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
9
AI完全自律化はわずか9% 日本は「進化に追い付けない経営陣」が足かせに
-
10
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー