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“重要なHDDを発送する日”は突然訪れる、データを守る梱包方法とは
オンラインストレージとネットワークが発達しても、データをHDDに保存して物理的に輸送する必要性は依然として残っている。しかし、物流経路において“天敵”は多い。HDDを守る“自分でできる”梱包方法はあるのか。
HDDベンダーのある幹部が、セントルイスの空港でグランドクルーがベルトコンベアの向こう側へ預け手荷物を放り投げている瞬間を乗っている飛行機の窓から目撃した。なんということか、放り投げている箱が発砲ポリスチレンケースに詰めたHDDだということに気がついた。常識では考えられない重大な品質上の問題が発生する瞬間を、彼は幸運、いや、不運にも自分で確認してしまったのだ。
HDDの配送は、衝撃が致命的な不具合を起こしてしまうがゆえに扱いが難しい。HDDが壊れやすい理由は次の2点にある。第1に、HDDの中の多くの部品の配置においてわずかなずれも許されないことだ。記憶媒体である円盤形状をしたプラッタまたは回転軸となるスピンドルの位置が1000分の1インチずれただけで、HDDは動かなくなって“ただの重し”になってしまう。第2に、記録用のヘッドが壊れやすいことだ。衝撃と振動はプラッタと記録用ヘッドの接触を起こし、その結果、記録用ヘッドの損傷やプラッタ上磁性体剥離の原因となる。ひどい場合には、コンポーネントのフェライト材がひび割れを起こす可能性もある。
OEMのHDDでは、再生紙の箱を使い緩衝材として“ピーナツ”を詰めた状態で届いたことがある。このOEMが行った梱包は、HDDを発送するための配慮はしておらず、重いHDDは緩衝材のピーナツを全て押しのけていた。これはHDDを衝撃や振動から守ることはできない。
HDDを発送する場合、外部からの作用によって最悪の事態が発生することを想定しておく必要がある。まず、高い湿度や水分で壊れないように、HDDを水を通さない袋に入れて密封する。次に、梱包材でHDDを包み、間に隙間を設けながら段ボール紙で複数の層を作る。発泡材の仕切り(あらかじめ成形したもののほかに粒状の発泡材を注入したものまで利用可能)を使用して、梱包材で包んだHDDを所定の位置に固定する。ここで、柔らかい発泡材は使うべきではない。複数のHDDを発送しようとするなら、箱詰めまたは袋詰めしたHDDがフィットするように、溝の入った発泡材を作り、一連のドライブを1つの外箱に入れてデータの保管場所まで発送する。
外側の箱も重要だ。衝撃を分散するため、外箱はHDDの梱包よりかなり大きくし、二重壁で頑丈な構造の箱を使用する。外箱に貼るラベルにも注意が必要だ。「取扱注意」または「精密機器」ステッカーを外箱に貼ると、誰かがそれを盗むリスクが格段に高くなる。ほとんどの通信販売では、「スープ」など低価格製品のラベルを貼る。
もし、データの重要性が発送コストに値するなら、HDDの衝撃や振動といった問題をほとんど回避できる半導体ドライブ(SSD)を使用するといい。包装はより軽くなり、箱のサイズも小さくできる。DHLがビジネス書類などのために用意した専用パッケージ「エクスプレスエンベロープ」に2.5インチのSSDを梱包して発送するとさらに安全だ。
とはいえ、上記の解決策はどれも完全ではない。預かった手荷物を高々と放り投げるグランドクルーは世界中の空港で常に存在するからだ。
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