純正ツールだけではハイブリッドクラウドに移行できない?
社運を掛けたクラウド移行、失敗を防ぐお助けツールとは(1/2 ページ)
ハイブリッドクラウドインフラを構成する最初のステップはクラウドへの移行である。だが、ここで問題が発生することが少なくない。
ネイティブのツールやサードパーティー製ツールにおける最近の技術的な進歩にも関わらず、ハイブリッドクラウド移行の問題によってプロジェクトが開始前に中止になる場合がある。
オンプレミスの機器からパブリッククラウドにデータやアプリケーションを移行し、時にはその後またオンプレミスに戻すツールは2013年以降多くの注目を集めている。これらのツールは、米Amazonと米VMwareが大部分の開発リソースを集中させたハイブリッドクラウド管理という領域を構成している。
そのため、VMwareの「vSphere」仮想マシンをAWSにインポートするネイティブツールが提供されている。その1つはAmazonの「AWS Management Portal for vCenter」だ。このツールを使用すると、vSphereの管理インタフェースからAWS環境の一部を管理できる。AWSへの仮想マシンの移行はサポートしているが、AWSのガイドラインには制限事項が明記されている。例えば、このツールでは複数のディスクを持つ仮想マシンはインポートできない。
さらに、AWSのガイドラインでは、Management PortalはAWSリソースを構築および管理するための包括的なツールではないと規定している。その代わり、VMwareの「vCenter」ユーザーは基本タスクを素早く実行できる。具体的には、VPCとサブネットの構築や「EC2」インスタンスの起動などだ。高度なタスクを実行するには、「AWSマネジメントコンソール」「AWSコマンドラインインターフェイス(CLI)」「AWS SDK」のいずれかを使用しなければならない。
大量のインポートデータのサポートについて、Amazonは2015年中ごろから躍進を遂げている。具体的には、2015年4月に実施された「VM Import API」のアップデートによるサポートする同時移行数の増加や2015年10月に発表された「AWS Import/Export Snowball」だ。また、ハイブリッドクラウドへの移行を支援する「Database Migration Service」と「Database Schema Conversion Tool」も発表されている。
ただし、これらのツールは、VMwareからAWS環境への複雑なマルチティアアプリケーションのオーケストレーションによる移行には使用できないことが指摘されている。VMwareや仮想データレプリケーションソフトウェアメーカーの米Zertoで勤務経験のある、独立系ITコンサルタントのイアン・ペレス・ポンセ氏は次のように述べている。「ユーザーにはそれぞれ独自の要件がある。そのため、マルチティアアプリケーションの移行プロセスは何度も繰り返し使えるものではない。だが、オンプレミスのプライベートクラウドからハイブリッドクラウドへの移行プロセスを簡略化する上で、このプロセスは次世代の技術を象徴している」
「数百台であっても、数千台であっても仮想マシンを並行して一括アップロードできるようにするという課題は依然として存在する。特にコーディネーションやオーケストレーションが必要な場合は、なおさらだ」(ポンセ氏)
一方、VMwareは「vRealize Suite」を使用したクラウド間の監視機能を発表している。また、コスト計算とクラウド自動化のソフトウェアのリリースを2015年第4四半期に予定している。ただし、仮想マシンをvSphereからAWSに移行するときには、オフサイトのパブリッククラウドに仮想マシンやアプリケーションを移行する専用ツールが必要だ。「VMwareの『VRealize Automation』は、リソースの別の場所に移動またはコピーするプロセスの一環として、移行の専用ツールを呼び出して、オーケストレーションを実現できる」とVMwareの広報担当者は話す。だが、裏を返せば、VMwareのツールだけではクラウドへの移行に対処できないということだ。
VMwareの「vCloud Connector」はマルチティアアプリケーションの移行をサポートし、異なるティアのアプリケーションをプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方に配置することもできる。だが、現時点ではAWSへの移行はサポートしていない。
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