Surface Pro 4とも比較、ノートPCの代わりになるか
徹底レビュー:「iPad Pro」の圧倒的な大きさと性能を堪能する、仕事と遊びで実力を検証(2/3 ページ)
ボタン、ポート、スピーカー
Appleの最高デザイン責任者を務めるジョナサン・アイブ氏は、シンプルさを信条としており、iPad Proには最小限のボタンしか付いていない。操作において大きな役割を担うのが前面のホームボタンで、これはセキュリティシステム「Touch ID」の指紋認証センサーとしても機能する。試したところ、この指紋センサーは非常に信頼性が高く、登録された指紋を常に認識し、誤認識はなかった。ただし、指紋認証は少し遅い。
縦向き時で右側面の上部に音量ボタンが2つ配置されており、上面の右端に電源ボタンがある。ヘッドフォンジャックも上面の左端にある。
iPad Proは充電およびデータ転送用にApple独自の「Lightning」コネクタを搭載している。業界標準のUSB Type-Cポートを搭載した方が良い選択だっただろう。Appleは最新の「MacBook」にはこのUSB Type-Cポートを装備している。だが、iPad Proでは従来通り、Apple独自仕様のLightningコネクタを搭載することを決めた。このため、iPad ProではUSBキーボードなどの周辺機器は使えない。
iPad Proはメモリカードスロットを搭載していないが、サードパーティー製microSDカードリーダーがある。米Leef USAの「Leef iAccess iOS microSD Reader」がその1つだ。米SanDiskの「iXpand Flash Drive」をはじめとする他のiOS向け外部メモリと同様、Leef iAccessもLightningコネクタに接続して使う。出張時に大量のデータを持っていく必要がある場合も、そのための選択肢はあるということだ。オンラインストレージサービスも考慮に入れればなおさらである。
iPad Proには、新たなコネクタ「Smart Connector」が初めて搭載されている。このコネクタが追加されたのは、iPad ProがApple純正の「Smart Keyboard」やサードパーティー製キーボードのような周辺機器とデータをやりとりしたり、これらに給電したりできるようにするためだ。iPad Proは、こうしたキーボードを接続してノートPCのように使える。Smart Connectorは、iPad Proの左側面中央部にある。
従来のiPadは動画を視聴する際に問題があった。その1つはスピーカーの音量があまり大きくないことだ。この問題を改善するためにAppleがiPad Proですべきだったのは、ユーザーに向かって音が出るようにスピーカーを前面に配置することである。だがAppleはそうではなく、スピーカーの数を倍の4個に増やし、ボディの4隅に配置した。これにより、音量がかなり大きくなり、登場人物のせりふを聞き取ろうと耳を澄まさなくても映画を視聴できるようになった。
パフォーマンス
Appleは、2つのハイエンドアプリケーションを並行して実行しながら、iOS 9の「ピクチャ・イン・ピクチャ」機能(動画再生中にホームボタンを押すと、ディスプレイの隅で小画面で再生を続ける機能)で動画をストリーミング再生できるようにiPad Proを設計した。このため、iPad ProはApple史上、間違いなく最も強力なモバイル端末となった。われわれが行ったどのテストでも、iPad Proのプロセッサが処理にてこずる状況は発生しなかった。
iPad Proのパフォーマンスの高さを示す好例が、電源を切った状態からの起動の速さだ。電源を入れて15秒で使える状態になる。
このパワーの原動力は、動作クロック2.26GHzのAppleの64ビットデュアルコアプロセッサ「A9X」だ。カナダPrimate Labsのベンチマークツール「GeekBench 3」でパフォーマンスを測定したところ、iPad Proはマルチコアテストで5411というスコアを記録した。これに対し、米Intelの第6世代「Core m3」プロセッサを搭載するSurface Pro 4のスコアは4314、SamsungのフラッグシップAndroidタブレットであるGalaxy Tab S2 9.7型モデルは4400、iPad Air 2は4529だった。
iPad ProのRAMは4Gバイトで、従来のiPadから倍増している。そのため、実行中の複数のアプリケーションが使用できるメモリ空間が大きく拡大し、バックグラウンドで開いているWebページのリロードの必要頻度も格段に減っている。これらによって生産性の大幅な向上が見込める。
iPad Proは、ストレージ容量32GバイトのWi-Fiモデル、128GバイトのWi-Fiモデル、128GバイトのWi-Fi + Cellular(LTE対応)モデルが用意されている。Appleがこれまで提供してきた16GバイトモデルをiPad Proのラインアップから外したことには賛成だ。費用を節約したい人には32Gバイトモデルという選択肢がある。このモデルで画像や動画を保存するためにストレージ容量を増やしたい場合は、クラウドサービスやLightningコネクタに接続できる外部メモリ、microSDカードリーダーを利用する手がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー