Surface Pro 4とも比較、ノートPCの代わりになるか
徹底レビュー:「iPad Pro」の圧倒的な大きさと性能を堪能する、仕事と遊びで実力を検証(3/3 ページ)
ソフトウェア
iPad Proは、iOSの最新バージョンである「iOS 9.1」を搭載して登場した。Appleが今後数年にわたって、iPad Pro向けにOSアップグレードのリリースを続けるのは間違いないだろう。同社は2011年にリリースした「iPad 2」のアップグレードを現在も提供している。
iOSはもともと、iPad Proよりもずっと小さい「iPhone」のディスプレイ向けに開発されたOSであり、12.9インチのディスプレイには必ずしも適しているとはいえない。例えば、ホーム画面を見ると、やたらと広い空間の中に小さなアイコンが漂っているような違和感がある。将来のiOSのバージョンでは、このスペース全体をもっと有効に利用する必要がありそうだ。
だがiPad Proがこの広いスペースを見事に活用している場面もある。特に、iOS 9の新機能であるSplit Viewでは、2つのアプリケーションを異なるウィンドウに表示させることができる。大型ディスプレイはピクチャ・イン・ピクチャモードでも威力を発揮する。
iPad Proには、Appleの「iWork」「iLife」を含む広範なオフィスアプリや創作系アプリが付属する。もちろん、Webブラウザの「Safari」や「メール」「メモ」といったソフトウェアもインストール済みだ。加えて、100万本以上のサードパーティー製ソフトウェアが「App Store」で提供されている。
iPad Pro用ソフトウェアの中でも多くのビジネスユーザーにとって最も重要なのが「Microsoft Office」だ。このオフィススイートとiPad Proの相性は抜群である。特にMicrosoftがSplit Viewのサポートを同製品に組み込んだので、例えば「Microsoft Word」のドキュメントと「Microsoft Excel」のスプレッドシートを並べて表示することも可能だ。
ワイヤレス機能
LTE通信が可能なiPad Proは1モデルのみで、これは128Gバイトのストレージを搭載する。LTE通信機能は、米国の大手無線通信事業者のサービスだけでなく、全世界のLTEネットワークで利用できる。
iPad Proの全モデルが無線LAN規格の「IEEE 802.11a/b/g/n/ac」に準拠しており、デュアルチャネルとMIMO(Multiple Input Multiple Output)が利用できる。言い換えれば、iPad Proは現在利用可能な無線LAN規格で最も高速かつセキュアなバージョンをサポートするということだ。ただし、実際のデータ転送速度は端末が接続したワイヤレスネットワークに大きく左右される。
さらにiPad Proは、Smart Connectorに対応していない外部キーボードなどの周辺機器を接続するための「Bluetooth 4.2」を搭載する。
GPS機能はLTEモデルにのみ組み込まれている。それ以外のモデルは、アクセス中の無線LANネットワークに基づいて端末の大まかな位置を示すことしかできない。
カメラ
メインカメラは、解像度が800万ピクセルでオートフォーカス機能を備え、開口部の絞り値(F値)はF2.4。フラッシュを備えていないので利用範囲が限定されるが、これはさほど問題にはならない。というのも、約306×221ミリのサイズ、700グラム台前半の重さのタブレットで写真を撮りたいとは誰も思わないからだ。
iPad Proではパノラマ写真に加え、1080p(1920×1080ピクセル)のHD動画(30fps)、スローモーションビデオ(120fps)、手ブレ補正機能付きの「タイムラプスビデオ」を撮影可能だ。一方、「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」でデビューした「Live Photos」機能は備えていない。いずれにせよ、そのスペックがどうであれ、iPad Proが日常的なカメラとして使われることはないだろう。
一方、120万画素の前面カメラについては事情が異なる。このカメラの開口部はF2.2で、720p(1280×720ピクセル)の動画を撮影できる。「FaceTime」「Skype」といったビデオチャットアプリの利用に適している。
バッテリー
Appleのタブレットはバッテリー駆動時間がとても長いことで有名であり、iPad Proもこの伝統をしっかり受け継いでいる。Appleは、無線LAN経由でのWebアクセスや動画の視聴、音楽の再生で最大10時間の駆動が可能だと説明している。米TechTarget編集部のテストでは、これは控え目な数字であることが分かった。
Geekbench 3を使ったiPad Proのバッテリーテストは、完全にバッテリー切れになるまで端末を動作させたままにするというもので、iPad Proのバッテリーはちょうど16時間持続した。これは明らかに、本体が大型化したことで、大容量のバッテリーを収納するスペースを確保できたことによるものだ。
結論
Appleは、iPad ProをポストPC時代の“新たな旗手”であると宣伝している。同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は、出張では同氏のMacBookは自宅に残してiPad Proを持って行くという。われわれはこのタブレットを徹底的に使い込んだ結果、「全てとはいえないが、多くのビジネスパーソンおよび学生はその気になれば、iPad ProをノートPCの代わりとして使うことができる」という評判にたがわないことが分かった。
大型の高解像度ディスプレイにより、アプリを横に並べたマルチタスクが非常に実用的になった。また素晴らしいスピーカーを備えていることも考え合わせると、iPad Proは動画の視聴に非常に適している。バッテリーは朝から晩まで仕事をしても十分な容量がある。ただし仕事で使うとすると、Smart Keyboardなどの周辺機器が必要になるかもしれない。
サイズ的にはややかさばるため、時々Webをブラウズしたり電子書籍を読んだりするためのコンピュータを探している人には、iPad Proはあまり向いていない。大画面を必要としないのであれば、持ち運びが楽な10インチクラスのディスプレイを備えたモデルを探す方がいいだろう。
価格
iPad Proの32GバイトWi-Fiモデルの価格は799ドル(国内税別価格は9万4800円)で、128GバイトWi-Fiモデルは949ドル(11万2800円)。4G LTEを搭載の128GバイトWi-Fi+Cellularの価格は1079ドル(12万8800円)。先に述べたように、LTE通信が可能な32Gバイトのモデルは用意されていない。Appleが高価格で大容量のモデルにユーザーを誘導しようとしているのは明らかだ。
一方、iPad Proよりも低速なプロセッサと小さなディスプレイながらも128Gバイトのストレージを備えたMicrosoftのエントリーレベルのSurface Pro 4の価格は899ドル。さらに低速なプロセッサと32Gバイトのストレージを備えた韓国SamsungのGalaxy Note Pro 12.2の価格は749ドルだ。
800ドル近くからというiPad Proの価格には手が届かないという人も多いだろうが、競争力がないとはいえない。
長所
- タブレット市場で最大クラスのディスプレイ
- 抜群のパフォーマンス
- 4つのスピーカー
- オプションのキーボードを接続してノートPCのようにも使える
- バッテリー持続時間が非常に長い
短所
- 比較的かさばる
- リムーバブルメモリカードスロットがない
- USB Type-CではなくLightningコネクタを搭載
- 価格が高い
まとめ
12.9型ディスプレイのおかげで、iPad ProはAppleがこれまで開発した中で最も生産性が高いAppleタブレットとなっている。動画の視聴にも最適だ。ただし同社の9.7インチモデルと比べると、持ち運びに不便であることは確かだ。
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