SSDオンリーの世界は訪れるのか
HDDはこのまま消滅? SSDをめぐり真っ二つに分かれた専門家の意見
2015年11月に開催された「Storage Decisions 2015」カンファレンスで、ディスクとテープの未来について語るパネルディスカッションが行われた。ストレージ業界における最近の出来事による影響に対処するヒントが提示された。
米ニューヨークで2015年11月上旬に「Storage Decisions 2015」カンファレンスが開催された。
その締めくくりとして専門家がパネルディスカッションを行い、ストレージのテクノロジー、戦略、ベンダー、今日のデータストレージ業界の変化が与える影響について、参加者の質問に答えた。
パネリストは、米Enterprise Strategy Groupのジェイソン・バフィントン氏、米Storage Switzerlandのジョージ・クランプ氏、米Dragon Slayer Consultingのマーク・ステイマー氏、米Toigo Partners Internationalのジョン・トイゴ氏、米Neuralytixのベン・ウー氏だ。質問は、クラウドストレージ、フラッシュ、回転式ディスク、さらにはテープにまで及んだ。今回から2回にわたり、質疑応答セッションのハイライトを紹介する。
――クラウドストレージのメリットとデメリットは何だと思いますか。
ウー氏:メリットは、柔軟性と便利さです。また、価格がクラウドの導入を後押ししている場合もあります。クラウドによって災害復旧を円滑に行うことが可能になり、ビジネスの継続性が確保されます。
ステイマー氏:クラウドストレージの真のメリットはコストではありません。クラウドストレージによって金銭的な負担は増えることが予想されます。本当のメリットは、その柔軟性にあります。クラウドにデータがあれば、自社でインフラを用意せずに済みます。そして、このような大量のアーカイブデータのためのインフラを管理する人員が不要になります。一方、クラウドストレージのデメリットはコストです。一度導入すると、乗り換えは困難です。クラウドからデータを取り出すのには時間がかかります。そのため、クラウドにデータを移行すると、クラウドから別の場所にデータを移行しようとは決して思わないでしょう。
トイゴ氏:クラウドは、ユーザーをサービスに接続するネットワークや帯域幅に依存しています。データが必要なときにデータを効率よく取得できるようにネットワーク環境は整備されているのが望ましいでしょう。また、クラウド間のデータ移行は、テープ間の移行よりも高額になります。
さらにトイゴ氏は、米Amazon、米Microsoft、米Googleの価格競争がけん引しているパブリッククラウドの低価格化は長くは続かないと予測している。
トイゴ氏:クラウドストレージは、価格競争によって現在のような低料金になっていますが、この状態は続かないでしょう。価格は調整され、全ての料金は値上がりすることが予想されます。
――データストレージ業界で起きているあらゆる変化と、多種多様なテクノロジーおよびベンダーを踏まえて、何を購入すべきか判断する必要があります。今買うべきものは何でしょうか。
ステイマー氏:テクノロジーは絶えず変化しています。現在、1年後、2年後、3年後に必要なものは何か、そのためにどのような計画を立てればよいかを自分自身に問いかける必要があります。持ち合わせている知識で計画を立てるしかないので、現在どのような計画を立てていても、それは時と共に変わる可能性があることを認識しておかなくてはなりません。今購入すべきものは、ご自分が何を必要としているかによって異なります。
クランプ氏:ご質問された方の会社を今すぐ監査することはできませんが、一般論をお伝えすることは可能だと思います。プライマリストレージには、いくらかフラッシュが搭載されている必要がありますが、オールフラッシュのものを選ぶこともできます。データをアーカイブする場合、重要なのは環境で、何らかの階層化戦略が必要になります。個人的にはテープが良いと思いますが、クラウドも使用できます。
――回転式ディスクは消滅するのでしょうか。
ウー氏:いいえ、長く存続すると思います。
回転式ディスク(HDD)のインストールベースは膨大で、強力な製造能力があります。米SeagateはHDD存続のために膨大な投資を行っています。現在、圧倒的多数のデスクトップユーザーと小規模事業所やホームオフィスが主なストレージとしてHDDを使用しています。今後も回転式ディスクの市場は盛況な状態が続くでしょう。ですが、最速のキャッシュを実現する主要なストレージメディアとなることはあるかというと、それは恐らくないでしょう。どのストレージメディアも、エコシステムの中に居場所を持っています。HDDが、同じ価格を保ったまま毎年容量が倍増する状況が続くかというと、近い将来に破綻するでしょう。とはいうものの、HDD市場は今も堅調です。それを否定する人は、あなたをだましてフラッシュを売りつけようとしているのではないでしょうか。
ステイマー氏:それでは、私がその役を買って出ましょう(ステイマー氏はディスクの消滅を予測できると語っている)。主要なストレージメディアとしてHDDには限界が見えています。今日、必要な容量を確保できるだけのフラッシュがないというのは誤った議論の1つです。というのも、その議論は需要に基づいているからです。
容量と密度の観点から見れば、今から10年後の2025年には、フラッシュドライブとHDDで得られるものが今とは計り知れないほど異なっているはずです。2020年には、3.5インチフォームファクターHDDの最大容量はせいぜい20Tバイト程度であることが予想されます。一方、2.5インチフォームファクターのフラッシュドライブの最大容量は最低でも148Tバイトになっているでしょう。
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