教育機関の読者が選んだ、2015年記事ランキング(教育IT編)
「学校ならiPad一択」はもう古い? 2015年、教育機関が注目した教育IT記事は(1/3 ページ)
教育機関が高い関心を寄せる「iPad」などの端末導入事例。ただし、導入する端末やその選び方は多様化しつつあるようです。教育機関が2015年に注目した、教育IT関連の記事ランキングを紹介します。
- 広尾学園・医進コースが「iPad」から「Chromebook」へ切り替えた理由
- 「iPadは簡単すぎる」 佐野日大学園がWindowsタブレットを選んだ予想外な理由
- 東大・京大合格者100人以上、西大和学園はなぜ「iPad」を選んだのか
- 「iPad」「Surface」だけではない、今どきの学生が支持するタブレット7選
- 先生の仕事を年160時間分削減、大阪市「校務クラウド」の実力とは?
- 私物iPadで「反転授業」を体験、女子高校生が感じた利点と課題は?
- 「iPad用校務アプリ」を自前で作る桜丘中学・高校 開発者はたった1人の職員
- “考えなしのIT導入”は教育を駄目にする? スウェーデンの自治体が検証
- 「先生・生徒間のLINE利用規制」は有効か? 教育IT化の課題を議論
- 目指せ“生涯アドレス化” 慶應義塾が考える「Google Apps for Education」の使い道
ランキング集計方法
期間中(2015年1月~11月)に掲載した教育IT関連記事について、同期間中のページビュー上位10記事をピックアップしました。ページビューの計測対象は、TechTargetジャパン会員のうち、教育・学習支援業の読者です。
「iPad以外」に脚光
TechTargetジャパンの専門メディア「教育IT」で2015年に公開した記事のうち、教育機関(教育・学習支援業)の読者が関心を寄せた記事はどれか。閲覧数ランキングを見ると、1位から4位を含む上位10本中6本が、タブレットをはじめとする端末関連の記事が占めました。4位の「『iPad』『Surface』だけではない、今どきの学生が支持するタブレット7選」といった端末そのものに焦点を当てた記事も読まれましたが、読者の関心がより高かったのは導入事例。米Apple「iPad」の導入事例記事が3本ランクインし、教育機関からの根強い支持を示す一方、1位、2位に輝いたのはiPad以外の端末の導入事例でした。
閲覧数1位となったのは、「広尾学園・医進コースが『iPad』から『Chromebook』へ切り替えた理由」でした。2011年度の開設時から、米Appleのタブレット「iPad」を生徒用の標準端末として活用してきた広尾学園高等学校(東京都港区)の医進・サイエンスコース。そんな先駆的なiPad活用で知られる同コースが2014年度、生徒用の標準端末をノートPCの「Chromebook」へ移行したことに、多くの教育関係者が強い関心を示しました。本記事は、同コースがiPadからChromebookへと標準端末を切り替えた理由について詳しく説明しています。
2位の「『iPadは簡単すぎる』 佐野日大学園がWindowsタブレットを選んだ予想外な理由」は、Windowsタブレットを導入した佐野日本大学学園(栃木県佐野市)の取り組みを紹介した記事です。同学園は、運営する佐野日本大学高等学校と中高一貫教育の佐野日本大学中等教育学校の生徒を対象に、Windowsタブレットの1人1台環境を構築しました。当初からWindowsタブレット1択ではなく、Android端末を試験運用するなど他の端末も選定対象に入れていた同学園。iPadもその操作性の高さを評価していたものの、意外な理由から採用を見送りました。上位2記事からは、操作性やラインアップでiPad以外の端末の選択肢が充実したこと、用途に応じて適切な端末を選定する動きが進み始めていることが伺えます。
根強いiPad事例への関心
教育機関の間でChromebookやWindowsタブレットに注目する動きが広がる中、タブレット市場を切り開いた立役者ともいえるiPadも、負けじと存在感を維持しています。3位の「東大・京大合格者100人以上、西大和学園はなぜ『iPad』を選んだのか」は、東京大学や京都大学といった最難関とされる大学への進学実績を伸ばす私立中高一貫校、西大和学園(奈良県河合町)のiPad導入事例を紹介。生徒同士が教え合い学び合う「協働学習」、授業と家庭学習の役割を一部逆転させた「反転授業」など、学びの多様化にiPadを生かしています。
6位の「私物iPadで『反転授業』を体験、女子高校生が感じた利点と課題は?」は、2012年度からiPadを活用してきた山梨英和中学校・高等学校(山梨県甲府市)の生徒が、iPad活用の実態を披露します。iPad導入のいきさつは、「『物理キーボードなんていらない』――私物iPadを使いこなす女子中学生」で解説しています。続く7位の「『iPad用校務アプリ』を自前で作る桜丘中学・高校 開発者はたった1人の職員」は、iPad用の校務アプリケーションを職員が自前で開発する、桜丘中学・高等学校(東京都北区)の取り組みを紹介します。
システム導入事例も注目、教育ITの“負の側面”への関心も
教育機関が注目するのは端末だけではありません。桜丘中学・高等学校の事例でも扱った校務効率化やコミュニケーションに役立つシステムに関する記事も注目を集めました。5位「先生の仕事を年160時間分削減、大阪市『校務クラウド』の実力とは?」は、大阪市教育委員会が2014年度に本格稼働させたプライベートクラウドの校務システムの概要と、2013年度の試験導入で検証した導入効果を紹介します。10位の「目指せ“生涯アドレス化” 慶應義塾が考える『Google Apps for Education』の使い道」は、慶應義塾(東京都港区)が進めた学内メールシステム刷新の背景を紹介しています。
学びの可能性を広げたり、校務の効率化を進めたりと、教育機関がITに期待するメリットはさまざまです。一方で、十分な活用ノウハウがない状況では、ITは教育機関にとって新たな課題の種ともなります。8位の「“考えなしのIT導入”は教育を駄目にする? スウェーデンの自治体が検証」は、2010年に端末の1人1台環境を推進するなど先駆的なIT活用で知られる、スウェーデン・ソレントゥナ市が実施したIT活用の効果検証結果を紹介。教育にどう生かすのかを明確にしないままIT導入を進めると逆効果になりかねないと警笛を鳴らします。また9位の「『先生・生徒間のLINE利用規制』は有効か? 教育IT化の課題を議論」は、ソーシャルメディアの普及で浮上した、教員・学習者間の私的やりとり禁止の是非について教員と学習者が議論します。
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