失敗しない「学校IT製品」の選び方:マネージド無線LANサービス編【後編】
“無線LANの悪夢”から学校を解放する「導入・運用丸ごとお任せサービス」とは?(3/3 ページ)
マネージド無線LANサービスの選定ポイント
マネージド無線LANサービスの選定時に比較しなければならない箇所は、導入のためのコストやサポート範囲、セキュリティ対策、管理画面の使いやすさなど多岐にわたる。
以下の表に、マネージド無線LANサービスの選定ポイントを簡単にまとめた。これらのポイントを基に比較してみると、各サービスの特徴や長所・短所が見えてくる。サービスの利用を検討している教育機関/自治体は、以下のような項目で比較表を作成し、検討していただきたい。
| 選定ポイント | 確認事項 |
|---|---|
| 事前作業の範囲 | ・サイトサーベイなどの現地調査は実施可能かどうか ・自ら管理画面で設定するのではなく、ベンダーの技術者が導入設計作業を担当してくれるかどうか |
| 利用料金 | ・初期導入費用や月額利用料金、トータルコストはどの程度か(ネットワーク機器の場合、トータルコストは一般的な更新時期といわれる5年で試算) |
| 保守サポート | ・保守対応の受付日時は(一般的には「平日9時から17時」「24時間365日」「その他」のいずれか1種類か、複数種類から選択) |
| セキュリティ機能 | ・どのような認証手段が選択できるか(SSID、MACアドレス、Active Directory/RADIUSなど) ・SSIDが分からないように隠す「ステルス化」が可能かどうか ・その他の独自のセキュリティ機能を有しているかどうか |
| 設定機能 | ・管理画面: APの設定変更がしやすいかどうか ・ダッシュボード:利用者ステータスが管理できるかどうか ・干渉波対策:干渉波フィルタリング(電波干渉が起きないように電波の一部をカットする機能)などの最適化機能の有無 |
| その他 | ・チャンネル変更など、無線LAN運用で頻繁に発生する設定変更作業をどれだけ支援してくれるか |
私が教育機関の無線LAN導入担当だったとしたら、この中で何を最も重視するか。それは「事前作業の範囲」だ。無線LAN導入の事前作業を教育機関側でするとなると、何らかのトラブル時にベンダーは現状が把握できず、対処に手間が掛かり、復旧が遅くなるからだ。「サイトサーベイなどの事前作業はできない」というサービスは、できるだけ避けた方がよい。
コストはもちろん重要な要素ではあるものの、無線LANのトラブルが原因で授業や講義がストップしてしまっては元も子もない。ネットワークエンジニアが常駐していることはほとんどないと考えられる教育機関にとって、万が一のトラブルの場合を考えると、事前作業のカバー度合いを優先すべきである。
もう1つの選択肢「セルラーモデル」は最強なのか?
教育機関のタブレット活用といえば無線LANが必須――。半ば常識化したその認識を塗り替えるかもしれない動きがある。無線LANではなく、携帯電話回線を活用することで、手軽に無線ネットワークの構築/運用を実現してしまったのが茨城県古河市だ。
古河市の市立小中学校は、携帯電話回線による通信が可能なセルラーモデルのタブレットを導入した。通信に必要な設備は携帯電話事業者が整備/運用するので、運用を丸ごとアウトソースできる点ではマネージド無線LANサービスと変わらない。通信機器の故障にも一切煩わされないという点からすると、その手軽さは圧倒的だ。
セルラーモデルは、タブレットの導入台数が少なければ初期導入コストも抑えることができ、利用開始までの期間も極めて短くて済む。ただし、セルラーモデル特有の問題として、“7GB縛り”ともいわれる月々のデータ通信容量による速度制限、導入規模の拡大に伴う月額利用料金の増加などがある。無線LANとセルラーモデルのどちらが最適かは、用途によって異なるのが現状である。
学習者にとって小学校から高等学校までの期間は、一生の中でも心身の基礎を作る一番大切な期間だといっても過言ではない。それを見守る教員は、その大事な期間を預かる者として、学習者の指導に専念する必要がある。無線LANのネットワークや電波環境の問題が、教員の指導に影響を及ぼすことはあってはならない。無線LANが教育活動に必要なのであれば、厄介な作業をベンダーに外部委託できるマネージド無線LANサービスの利用は、有力な選択肢になるはずだ。
執筆者紹介
武田一城(たけだ かずしろ) 日立ソリューションズ
情報セキュリティ、システムプラットフォーム、オープンソースなどさまざまな分野のマーケティング業務に従事。現在は特に学校IT分野における市場調査や企画に重点的に携わる。2011年より日本PostgreSQLユーザ会の理事を兼務し、代表的なオープンソースデータベース「PostgreSQL」の普及啓発活動も行っている。
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失敗しない「学校IT製品」の選び方
教育機関がIT製品を導入する際、どのような点に気を付けて製品選定を進めればよいのか。製品分野の基礎知識をおさらいしつつ、製品選びのポイントを伝授する。
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