失敗しない「学校IT製品」の選び方:マネージド無線LANサービス編【後編】
“無線LANの悪夢”から学校を解放する「導入・運用丸ごとお任せサービス」とは?(1/3 ページ)
無線LANの導入や運用管理は、教育機関にとって大きな負担となる。そうした作業を丸ごとアウトソースできる手段が「マネージド無線LANサービス」だ。その選定ポイントを示す。
無線LANは教育機関にとって、クライアントPC/タブレットといった校内端末から、校内LANやインターネットへ手軽にアクセスできるようにする大変便利なIT製品だ。家庭用として販売されている小規模環境向けの無線LANアクセスポイント(AP)は、家電量販店でも購入でき、設定は10分もあれば完了する。一部の普通教室だけ、特定教科の特別教室だけの利用など、小規模な利用であれば特段問題はない。
ただし、全学習者を対象にタブレットを導入し、普通教室を含めた全教室でタブレットを活用するといった大規模で本格的なIT導入の際には、話が変わる。教育機関には一般的に数百から数千人の学習者がいる。その全てがタブレットを使用するとなると、必要となるAPの数は必然的に多くなり、電波干渉やAPの運用管理負荷が大きな問題となる。
前回「便利なはずの『無線LAN』が学校を苦しめるこれだけの理由」で述べた通り、安定した無線LAN環境を構築・運用するには、「事前調査」「構築」「運用」を高レベルで実行しなければならない。それには相応の負荷が掛かることは言うまでもない。
教育機関が、大規模な無線LANの導入・運用を苦労せずに成功させるにはどうすべきか。その具体策として注目すべきなのが「マネージド無線LANサービス」だ。
併せて読みたいお薦め記事
学校を悩ませる「無線LAN」
学校のセキュリティ対策を考える
普及し始めた「マネージド無線LANサービス」
マネージド無線LANサービスは、無線LANの運用管理を丸ごと外部委託できてしまうサービスのことだ。APをレンタルで提供し、非常に煩わしいAPの運用管理を請け負う。AP導入作業の支援サービスはもちろん、障害時の問い合わせ先も用意する。教育機関は、無線LAN導入のネックになるセキュリティや電波干渉の不安に煩わされることがなくなるのだ。複数APを統合管理する無線LANコントローラーを利用し、ベンダーがユーザー組織にあるAPをリモート管理することから、「クラウド無線LANサービス」などと呼ぶこともある。
さらには、「いつ」「どこで」「誰が」「どのような用途で」無線LANを利用するのかという、無線LAN導入時に検討すべき4つの視点も、マネージド無線LANサービスの事前運用設計で解決できる可能性が高い。現時点で無線LANに関するスキルやノウハウがないのであれば、マネージド無線LANサービスが救世主となる可能性がある。
これだけ聞くと“マユツバもの”に聞こえるかもしれない。だが実際、通信事業者や独立系ネットワークベンダーはここ数年で、十分な費用対効果が見込めるマネージド無線LANサービスを充実させてきた。最近では、自前で無線LAN環境を構築・運用する場合と比べてトータルコストで見ると遜色なかったり、場合によっては安くなるサービスも出始めている。
採用の波は企業から学校へ
無線LANに限らず、ネットワークインフラに求められる規模やサービスレベルは、利用規模にある程度比例する。教育機関は上述の通り、学習者だけでも数百人から数千人に及ぶ。大規模な教育機関は、企業でいえば中堅企業と同じくらいの規模になる。全校規模で無線LANを活用するとすれば、それ相応のインフラが必要になるのだ。
中堅・中小規模の企業の間では、負荷を抑えつつ安心して無線LANを導入・運用する手段として、マネージド無線LANサービスに注目する動きが広がりつつある。理由はやはり、管理しにくい無線LANの特性が原因だと考えられる。組織規模が同じレベルの教育機関にも、その動きが波及する可能性は高い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
失敗しない「学校IT製品」の選び方
教育機関がIT製品を導入する際、どのような点に気を付けて製品選定を進めればよいのか。製品分野の基礎知識をおさらいしつつ、製品選びのポイントを伝授する。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー