企業データと個人データをどう切り分ける?
導入企業が考えるべき“従業員の反感を買わないスマートフォン管理”(2/2 ページ)
事業資産を保護することにフォーカスする
IT部門の多くは、個人のプライバシーを考慮せずに、EMMアプリケーションを使用しがちだ。だが、業務上、従業員のモバイルデバイスからのデータ収集を必要としないのなら、EMMアプリケーションでデータ収集をしない方がいい。
例えば、多くのEMMアプリケーションはモバイルデバイスの位置情報データを収集することが可能だ。地図アプリケーションなど位置情報を使うアプリケーションは、位置情報データ無しでは全く機能しないため、従業員が利便性のために位置情報データの使用を有効にしている可能性がある。そのため、IT部門は容易にEMMアプリケーションを使って、位置情報データを収集することができる。しかし、事業に必要な場合を除いて、位置情報データを収集しない設定にすることをGartnerは推奨する。だがこのアドバイスに従うと、モバイルデバイスを紛失したり盗難に遭ったりした場合、モバイルデバイスに入っている企業のデータを保護できないという問題がある。
それらの問題を解決する手段として、セキュアコンテナとその他のモバイルアプリケーションケーション管理(MAM)技術がある。セキュアコンテナとMAM技術は、企業データを安全に保ち、個人データから分離するものだ。IT部門は、MAMアプリケーションを使用して、業務で使うアプリケーションやデータに認証と暗号化を提供し、セキュリティを保護ができる。それ以外の個人のアプリケーションやデータは暗号化せずに、通常通りに使うことが可能だ。
業務データがセキュアコンテナにのみ保存されていれば、モバイルデバイスが紛失や盗難に遭ってもリモートからセキュアコンテナごと企業データだけを消去することができる。その場合でも、個人データは消去されないので、IT部門はモバイルデバイスの紛失時に迅速に作業できる。
また、IT部門は、米AppleのiOSの特定のアプリケーション間でのみデータの受け渡しをできるようにする「Managed Open In」のような機能を使用することで、セキュアコンテナの中の業務データと個人データを分断することができる。セキュアコンテナは業務データを安全に保つだけでなく、雇用主による個人データへのアクセスや保存を防止することにも役立つ。
「ジオフェンシング」も検討に値する。ジオフェンシングは、特定の決められたエリア内のみでセキュリティポリシーをモバイルデバイスに適用する機能だ。例えば、ジオフェンシングにより、IT部門は職場内でのみ厳格なポリシーをモバイルデバイスに適応することが可能だ。患者のプライバシーを保護するため、医療施設内ではモバイルデバイスのカメラを無効にすることなどもできる。だが、ジオフェンシングは位置データを使うため、プライバシー保護について従業員に事前に説明が必要だろう。
プライバシーとセキュリティのバランスは透明性が鍵
プライバシーとセキュリティのバランスを取るには、企業の透明性が鍵となる。従業員は、不慣れな技術を恐れる一方で、便利だと気付いた技術は恐れない。従って、教育はプライバシーの懸念を和らげる重要な役割を担う。
透明性を維持するため、セキュリティポリシーや利用許諾書は、複雑な法律用語だらけにすべきではない。IT部門は、これから取り組もうとしている管理手法のリスクについて、従業員に説明する必要がある。またIT部門は、モバイルデバイスのどのようなデータが監視または収集され、どのようなデータが対象外かを説明する必要がある。特に個人データが関係する場合は説明が必要だ。
企業がモバイルデバイスの監視するデータを明確にし、保護をすることで、従業員のセキュリティ管理への理解は広がるだろう。
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