クリック詐欺がランサムウェア感染を招く?
脅威の「身代金ウイルス」 専門家もスルーした“低リスク攻撃”が感染源に
低リスクだとみられている脅威には、企業にとっての大きなリスクが潜んでいるかもしれない。とはいえ、全ての低リスクの脅威を調査するのは骨が折れる。策はないのか。
Web広告の不正なクリックによって利益を上げる「クリック詐欺」が、端末に使用制限を掛けて“身代金”を要求する「ランサムウェア」の感染につながる――。米セキュリティベンダーDamballaは、最近の報告の中でこう伝えた。ランサムウェアは、端末内のファイルを不正に暗号化したり、端末にロックを掛けたりして使用不可能にし、その復元と引き換えに金銭を要求するマルウェアだ。
クリック詐欺のような比較的低リスクだとみられる攻撃が、ときとして深刻な損害につながることはあり得る。だがユーザー企業は、全ての低リスク攻撃について調査するだけの人員もリソースも持ち合わせていない。
専門家にスルーされる低リスクマルウェア
マルウェア作者は、あらゆる手段を使って悪質なコードから利益を上げようとする。これにはクリック詐欺も含まれる。ただし、クリック詐欺のような低リスク攻撃の場合、仮にセキュリティツールで悪質なcookieが見つかったとしても、多くのセキュリティ専門家はそれ以上詳しく調べることなく、そのcookieを無視あるいは削除してしまう可能性がある。こうした姿勢は、スパイウェアやアドウェアといった怪しいプログラム(PUP: Potentially Unwanted Program)にも及ぶ。
クリック詐欺マルウェアで利益を挙げたマルウェア作者は、そのマルウェアを使い続ける。ただし、マルウェア作者にとってのリスクをほとんど高めることなく利益を増やすことが可能であれば、既存のマルウェアをアップデートして別の手段を採用することは理にかなう。
マルウェア作者にとって、マルウェアに感染させたエンドポイントを収益化の手段にして利益を上げる方法は複数ある。Damballaが伝える通り、マルウェアに手を加えてウイルス対策ツールで検出されないようにすることも、ランサムウェアのような悪質度が高い新機能を組み込むことも可能だ。
ほとんどの組織にとって、低レベル攻撃の調査にまつわる不安は大きい。クリック詐欺マルウェアがランサムウェアのような破壊的なマルウェアの機能を搭載するようになったのかどうか、判断するのが難しいという問題もある。
組織が低リスクのマルウェアを調査するかどうかを判断する方法として、情報セキュリティのニーズに基づくリスク評価をして、調査の優先度を決めることが挙げられる。例えば、もしクリック詐欺マルウェアが決済カード環境に見つかったのであれば、直ちに調査する必要がある。だが同じマルウェアがゲスト用の無線LANに見つかったとしても、恐らく調査する必要はないだろう。
ユーザー企業の環境で変化を検出すると即座にアップデートするマルウェア対策ツールを使えば、低リスクの脅威を詳しく調査すべきかどうかを見極める一助になる。また、多数の異なるネットワークから脅威情報を収集するスレットインテリジェンスサービスを利用して、既存のマルウェア対策ツールを補完すれば、マルウェアが単なるクリック詐欺からランサムウェアへと手口を切り替えた時点で、それを突き止める助けになるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社kickflow] 2社の事例に学ぶワークフロー改革:属人化解消や年数万件の申請書類削減のコツ -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
2
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
5
管理職542人に聞いた AIやデジタル化でなくしたい主な事務作業第1位は?
-
6
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
7
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
8
GitHub Copilotを使いこなす第一歩 初めてのプロンプト6つのコツ
-
9
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
10
AI活用か新たな脅威か OpenAI自律エージェントがRubyGemsを急襲
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー