「サンドボックス」にまつわる疑問を解く【最終回】
「サンドボックス万能説」を揺るがす3つの課題、その解決策とは?(2/3 ページ)
「巧妙化したマルウェアに向けた課題」の対策
3つ目の「巧妙化したマルウェアに向けた課題」の対策は、「カスタム化可能なサンドボックス」「より早いタイミングでの新OS対応」「アップデート技術」「クラウドとの連係」「複合技術」の5点が挙げられます。
カスタム化可能なサンドボックス
攻撃者が標的企業の環境に合わせてマルウェアを作成してくる以上、サンドボックスの仮想環境もユーザー企業の実環境により近づけることが求められます。そのためには、仮想環境を十分にカスタマイズできることが重要です。
全世界に普及しているOSやアプリケーションだけでなく、ワープロソフト「一太郎」をはじめ、特定の国や企業に普及が限定されるアプリケーションのインストールも可能とすることで、各企業の実環境に近い仮想環境が再現できます。
より早いタイミングでの新OS対応
企業が、登場して間もない最新OSを全面的に導入することは、それほど多くありません。現在利用中のアプリケーションが正常に動作するかどうかといった動作検証の必要性があるからです。とはいえ、新しいOSへ移行したときに、サンドボックスの仮想環境を実環境とすぐに合わせられるように、サンドボックスのOSにバージョンアップの仕組みを提供することが求められます。
アップデート技術
流行している脅威にいち早く対処するには、サンドボックスの中核エンジンやモジュールが、新しい脅威の侵入元や技術を絶えず把握できる必要があります。そのため、サンドボックスの設計ではアップデートが可能であることが求められます。
クラウドとの連係
新しいマルウェアや不正URL、スパムメール送信元、不正なモバイルアプリなどは日々増加しています。そうした最新の脅威情報をクラウドに集約して保管する仕組みがあれば、サンドボックスは常に最新の脅威情報に基づいたマルウェア検出が可能になります。
複合技術
サンドボックスはマルウェア検出に有効ではあるものの、全てのマルウェアをサンドボックスで検出するのは効率的ではありません。パターンマッチング型マルウェア対策をはじめとする、従来型の静的解析技術を併用して、検出効率を向上できます。
これまで挙げてきたサンドボックスにおける課題の対策は、決して絵に描いた餅ではなく、実際の製品として実装が進んでいます。実際、トレンドマイクロの標的型攻撃対策製品群「Deep Discovery」が搭載するサンドボックス「Virtual Analyzer」は、上述した対策の要素を盛り込んでいます。
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「サンドボックス」にまつわる疑問を解く
既知の脅威を前提としたセキュリティ対策が限界に直面する中、未知の脅威への対処をうたう「サンドボックス」への注目度が高まりつつある。その可能性を探る。
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