「サンドボックス」にまつわる疑問を解く【第2回】
未知のマルウェアを見つけ出す「サンドボックス」の失敗しない選び方(1/3 ページ)
急速に充実しつつある「サンドボックス製品」。未知のマルウェアへの対策として有望視されるサンドボックス製品をどう選ぶべきか。その基本をおさらいしつつ、選定のポイントを示す。
第1回「『標的型攻撃』がセキュリティの常識を変えた――“アンチウイルス死亡論”の真実」では、変遷するセキュリティの脅威とその特徴から、企業に必要とされる対策が変わってきていることを述べました。
近年、標的型サイバー攻撃(以下、標的型攻撃)の対策として脚光を浴び始めているセキュリティ技術に「サンドボックス」があります。さまざまなセキュリティベンダーがサンドボックス技術を実装したセキュリティ製品(以下、サンドボックス製品)をリリースし、未知の不正プログラム(マルウェア)の検出に有効であるとうたっています(参考:セキュリティ対策“最後の砦”、「サンドボックス」とは何か)。
サンドボックス製品はどのように設計され、未知のマルウェアの検出をどのように実現しているのか。具体的にどのような効果をもたらすのか。連載第2回となる今回は、こうした疑問を明らかにするとともに、選定時のポイントについても説明していきます。
併せて読みたいお薦め記事
「サンドボックス」にまつわる疑問を解く
標的型攻撃に挑む「サンドボックス」の進化
“ウイルス対策死亡論”で変わるセキュリティ
サンドボックスによる最大の効果
サンドボックス製品最大の効果は、検体解析サイクルの高速化だと筆者は考えています。マルウェア解析の自動化は、日々出現する膨大な数のマルウェアへの対処を容易にします。標的型攻撃をはじめとするカスタマイズされた脅威や、通常のパターンマッチングで発見できない未知の脅威解析に、サンドボックス製品は非常に有効な手段だと考えられます。
サンドボックス製品の登場により、未知のマルウェアの解析プロセスが大きく変わりました。従来は、ユーザー企業が怪しいファイルを見つけたら、セキュリティベンダーへファイルの検体を送付して解析依頼をするのが定番の解析手法でした。これがサンドボックス製品の登場で、ネットワークを流れていたりエンドポイントで利用されていたりする不審なファイルを、ユーザー企業の社内で自動的に解析するといった手法が取れるようになったのです。
そもそも「サンドボックス」とは何か
サンドボックス製品は、システムに影響を与えない隔離領域であるサンドボックスを利用し、そこで実際にプログラムを動作させて、マルウェアかどうかを判断します。それでは、そもそもサンドボックスとは何なのでしょうか。オンライン百科事典『ウィキペディア日本語版』の「サンドボックス (セキュリティ)」(2014年7月19日 2:43 UTCの版)を見ると、サンドボックスは「外部から受け取ったプログラムを保護された領域で動作させることによってシステムが不正に操作されるのを防ぐセキュリティモデルのこと」だと記載されています。
「外部から受け取ったプログラム」を「保護された領域で動作させる」とは、具体的にどのようなことで、どのような技術が利用されているのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
5
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
6
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
7
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
8
祝10周年! 創業者も予想できなかったRaspberry Pi活用例
-
9
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
10
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー