戦いの場はクラウドに移行
「Cisco vs. Microsoft」、あなたの企業に向いているユニファイドコミュニケーションの選び方(2/2 ページ)
顧客ターゲット
Sparkは、社内や社外とのリアルタイムのコラボレーションを必要とする分散型のチームを持つ企業にとって極めて魅力的となる。一方、コラボレーションのニーズがそれほど高くない企業にはSkype for Business Onlineの方が魅力的かもしれない。「常設のリアルタイムチャットを必要とせず、それよりもOffice 365で使えるカレンダー機能からワンクリックで電話会議やビデオ会議に参加できる方がありがたいような場合だ」とレーザー氏は語る。
Ciscoが市場シェアを獲得するためには、大きな難題がある。前出のNemertes Researchによれば、今や企業の45%はメールとカレンダーをOffice 365に移行しつつあるという。そうしたMicrosoft顧客は、「月額数ドルを追加で支払い、Skype for Business Onlineを使用する」選択肢を選ぶ可能性が高い。「だが既にCiscoと強力な関係を築いている企業や非Microsoftアプリを使う必要がある企業の場合は、Ciscoが有利だ」とレーザー氏は語る。
コンサルタント会社Summit Technology Groupの社長兼上級コンサルタント、ビル・レオ氏は、Cisco製品とMicrosoft製品のどちらが自社に適しているかの判断について企業をサポートしている。
同氏の顧客の1社に、複数のロケーションで事業を展開する小規模な税理事務所がある。この事務所は既にCiscoの電話システムを導入済みであることから、Sparkの採用を検討中だという。SparkはCiscoのUC管理製品「Unified Communications Manager」と統合できるので、既存のIP電話を使い続け、既存の投資を保護することができる。Ciscoとの関係が良好であることも、この税理事務所が今後もCiscoを使いたいと考える理由の1つだという。
「特定の分野の専門家を配備し、既に投資を済ませている企業は、ベンダーを変えたくはないだろう」とレオ氏は語る。
留意点
一方、レオ氏のまた別の顧客で、3カ所で事業を展開する小規模な広告代理店は、Skype for Business Onlineも含め、Microsoftのアプリを全て導入したい考えだという。従業員がMicrosoftアプリを使い慣れているからだ。
ただしレオ氏は、“製品一覧”と“相互連結”は同義ではないと警告する。実際、Skype for Business Onlineはその他のMicrosoftアプリとシームレスに統合できるわけではない。レーザー氏も同じ意見だ。同氏によれば、Microsoftは20種類ほどのアプリを提供しているが「統一されたビジョン」は提示しておらず、それよりも必要な製品だけを選んで使うことを顧客に奨励しているという。
レオ氏によれば、こうした製品間の連係の不備は、Skype for Business Onlineの通話中にファイル共有などの分野で問題を引き起こす場合があるという。ドキュメントの重複バージョンが作成されることになりかねず、そうなれば、バージョン管理、コンプライアンス要件、ストレージ需要などに影響が及ぶ。さらに、ビデオ/音声会議の保存とバックアップが必要な場合には、追加のストレージ容量が必要となる可能性もある。
「ストレージの最適化のために重複排除機能が必要となる可能性すらある」とレオ氏は語る。
CiscoとMicrosoftを検討する企業のために戦略的プランを策定する際、レオ氏はインフラ要件も詳しく検討すべきとしている。「ネットワークがビデオや音声機能、コラボレーションなどによる追加の負荷を処理できるかを確認したい」と同氏は語る。例えば、高解像度ビデオ会議やより大容量のトラフィックの需要に確実に対応できるようにするためには、ネットワークの帯域を確認する必要がある。
West Unified Communicationsのシュミット氏は、サポートの問題も幾つか認識している。例えば、CiscoはSparkでユーザーがQRコードを使ってシステムに電話端末を登録する機能を提供しているが、この機能をサポートする電話端末は一部のモデルだけだ。「既に多額の投資をしている顧客の中には、エンドポイントの大規模な切り替えはできない、あるいはしたくないというところもある」と同氏は語る。そのような場合、新機能をフルに活用することはできない。
それでも同氏は、開発者がAPIを作成できるようCiscoがプラットフォームのオープン性を維持している点を高く評価し、Microsoftも後に続くことを期待している。「開発者が統合を推進できるよう、MicrosoftもSkype for Business Onlineプラットフォームをできる限りオープンにすべきだ」と同氏は語る。
またシュミット氏は、CiscoとMicrosoftを比較しクラウドベースサービスを採用しようという中小規模企業に対し、どちらのプラットフォームも今後ハイエンド市場に移ることになるのは間違いないと注意を促す。「両社とも、明らかにクラウドへの投資を強めている。業界が進むべき先はクラウドだと確信しているのだろう」と同氏は語る。
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