今度こそ会計業務のペーパーレス化【第2回】
ペーパーレス経理業務フローを整備しよう――3カ月の準備期間で用意する4ステップ(2/2 ページ)
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会計ソフトでの運用
書類の電子化で目指したいことは、スキャンから会計記録に反映するところまで「一気通貫」のプロセスを実現して、紙を作成することによるオーバーヘッドの軽減にある。例えば、クラウド会計ソフトと連係した場合の運用フローは以下のようになる。
申請者(従業員)が処理することは以下の通りである。
- 紙書類をスキャンし、所定のフォルダに格納する(原紙は一時保管)
- 会計ソフトにアップロードする
- 会計ソフトから経費申請を行う(承認者へのメッセージや取引内容を入力)
- 会計ソフトが付番した証憑番号を原紙に転記する
所属部門の承認者が行う処理は以下の通りである。
- 会計ソフトから行われた経費申請に添付された証憑データを査閲する
- 申請書類を電磁的に承認する(必要に応じて原紙を参照するが将来的には廃止)
経理担当者において行う処理は以下の通りである。
- 承認者により承認された経費取引を査閲する
- 登録された領収証等の画像データから仕訳を登録する
- 証憑データを確定し、一元管理する(原紙は保存するが将来的には破棄)
クラウドサービスとスキャンデータの連係
スキャン保存されたデータは会計ソフトと連係する他、さまざまな場面で閲覧されることを前提に一元的に管理する。ここでもファイルを効率的に集中管理するためのクラウドサービスを利用できる。ファイル管理に特化したクラウドサービスの一例には以下のものがある。
- 「Dropbox」
- 「Box」
- 「OneDrive」(「Office365」のモジュールとして提供)
- 「Google Drive」(「Google Apps」のモジュールとして提供)
これらのサービスは「個人」用途と「ビジネス」用途で料金体系や機能が異なることが多いが、セキュリティ面のリスクを想定してビジネス用途を前提として検討したい。また、どのサービスを使うのかも重要ではあるが、「どのファイルを一元的に管理するのか(するべきなのか)」という仕組み作りが肝要である。各端末でデータを同期する機能を持つサービスの場合、どのファイルをもって最新のデータとするかのルールを明確にしなければ、いたずらにファイルが散在する事態を招きかねないので注意したい。
また、昨今ではスキャン段階からさまざまなサービスと連係して会計データへの登録の手間を省く機能が提供されている。例えばPFUのクラウドサービス「ScanSnap Cloud」においては、スキャナーから取り込んだ画像データを他のさまざまなクラウドサービスと連係し、データの取り回しに人間が介在しないでデータを管理することが可能になっている。
スキャナー保存の導入効果
書類のスキャナー保存を導入することで、以下のメリットやデメリットが想定できる。
- メリット
- 会計記録の精度が向上する。スキャナー保存という仕組み作りを通じて経理業務フローを再設計する機会を得ることができる
- 保管コストや書類検索コストを削減できる
- 税務調査の対応コストが削減できる。従来の紙保存という形式に比べ、当局への対応コストが90%以上削減できたという事例もある
- 会計監査の対応コストが削減できる。公開企業の場合はこのメリットが特に大きい。内部統制評価における運用テストの削減にもスキャナー保存業務は大きく貢献できる
- デメリット
- スキャナー保存の事務作業の月末が集中する
- スキャン作業の増加により業務負荷が増える
導入後のリスクとして考えられるのは、制度が想定する「スキャンした元資料を廃棄する」という判断を本格的に実施できるかどうかである。スキャナー保存業務が社内に定着して問題ないと判断できるまでは、当面は紙とスキャンデータを共存させる運用が安全である。
さらに、スキャナー保存の導入効果は企業規模による違いも大きく出る。大企業の場合は監査や税務調査対応といったニーズが常にあるため、スキャナー保存のメリットを実感しやすく、取り扱うデータ量も多いため効果も大きくなる。一方、中小企業の場合は上記のニーズが大企業に比べると少ないことから、スキャナー保存業務の構築負荷に比べてメリットを最初は実感しにくい。とはいえ、導入によって課税文書の一元管理が促進されるほど、経理業務の整流化や見える化を実現することができるのは間違いない。企業の規模を問わず、積極的な導入を検討したいところだ。
次回は、スキャナー保存業務の構築において留意すべきポイントについて解説する。
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今度こそ会計業務のペーパーレス化
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