IT部門もきっと納得
「在宅勤務」導入のハードルをやすやすと乗り越える 合言葉は「VDI」
リモートワーカーの支援をアピールしている企業は、ぜひVDIの導入を検討しよう。在宅勤務の導入をかたくなに拒む“反対勢力”の1つは、確実に説得できるはずだ。
VDI(仮想デスクトップインフラ)に適した利用場面は数多くあるが、在宅勤務を導入した企業におけるリモートワーカーの管理ほど適したものはないだろう。
この数年、企業が社員の在宅勤務を(勤務時間の一部だけでも)認めるケースが増えている。在宅勤務は数十年前から技術的には実現可能だったが、多くの課題があった。
しかし、その課題はVDIの導入で効果的に解決可能になる。IT部門が仮想デスクトップを利用して、在宅勤務をする社員の環境をコントロールできるからだ。
リモートワーカー用ソフトウェアのライセンス管理
在宅勤務の導入を考える企業が悩む問題の1つは、ソフトウェアライセンスだ。在宅勤務ユーザーが、業務のために特定のアプリケーションを自宅のクライアントPCに導入することもあり得る。IT部門はそのアプリケーションをどこに導入するかに関係なく、ライセンスを取得する必要がある。これは企業のIT管理コストを増やしてしまうだろう。なぜなら、在宅勤務ユーザーは、自宅のクライアントPCと職場のクライアントPCでアプリケーションを必要とするからだ。
ユーザーの自宅にあるクライアントPCで使うアプリケーションのライセンスが必要になると、ライセンスの追跡とコンプライアンスが複雑になる。IT部門は、ユーザーの自宅にあるクライアントPCに導入したアプリケーションのライセンスに対しても、適切に取得していることを証明しなければならないからだ。また、ソフトウェア監査において、IT部門は会社所有のアプリケーションと個人の私物アプリケーションを区別できる必要もある。
VDIはこうしたライセンスの問題をシンプルに解決できる。VDIでは、ライセンス管理の対象となるアプリケーションを、企業のデータセンター内で実行するからだ。VDIを利用すれば、リモートで導入するアプリケーションのライセンスを取得し、追跡する必要がなくなる。
在宅勤務におけるセキュリティの向上
セキュリティは、在宅勤務を導入している企業が直面する最も大きな課題の1つだ。この課題もVDIで対処できる。在宅勤務ユーザーが自宅で使うクライアントPCが会社のセキュリティポリシーに従っている保証はない。さらに、ユーザーのPCが古いOSを搭載していたり、マルウェアに感染していたりする可能性があることもIT部門は認識しなければならない。
一部の企業は、VDIではなくリモートPCのヘルスチェックで、こうしたユーザーのBYOD(私物端末の業務利用)問題の対策に取り組んでいる。例えば、MicrosoftのOS「Windows」は、以前からリモートシステムの健全性を評価し、その結果に基づいてアクセスを許可する、または、拒否する機能を提供している。場合によってはWindowsが自動修正を行うこともある。具体的には、リモートマシンのファイアウォールが無効になっていれば有効にすることが可能だ。
だが、こうしたリモートPCのヘルスチェックには幾つかの問題がある。まず、チェック環境を構成するのが難しい他、完全に包括的なチェックができない場合もある。さらに、ユーザーのクライアントPCがヘルスチェックで不合格になり、ユーザーが締め出された場合、サポートが必要になり、業務の生産性にも影響してしまう。
VDIでは、あらかじめ自社のセキュリティ要件を全て満たすようにIT部門が構成した企業デスクトップに対して、在宅勤務ユーザーはリモートで接続することになる。クライアントPCレベルのセキュリティはあまり重要ではなくなる。ユーザーが自宅で使うクライアントPCは、システム構成上はシンクライアント端末に相当するからだ。在宅勤務ユーザーの操作は全て、企業のデータセンター内の仮想マシンの中で実行することになる。何らかの原因で仮想デスクトップのOSがマルウェアに感染しても、大きな問題にはならない。仮想デスクトップでは、各セッションの終了時に初期状態にリセットするようになっているためだ。
VDIで技術サポート時間も減少する
在宅勤務の導入を考えている企業が取り組まなければならないもう1つの課題は、技術サポートだ。
VDIを利用しない場合、ヘルプデスクは在宅勤務ユーザーの自宅クライアントPCを直接把握していない。ヘルプデスクスタッフはクライアントPCでどのOSが動いているか、クライアントPCがどのような構成か、どんなアプリケーションをインストールしているか分からない。そのため、ログインの再設定やアプリケーションのトラブルのようなサポート案件で解決に手間取ることが多い。問題を診断して修正する前に、クライアントPCに関する多くの情報を集めなければならないからだ。さらに重要なことに、ヘルプデスクスタッフが問題修正の過程で在宅勤務ユーザーのOS、個人用アプリケーションやデータを損傷してしまったら、法的責任を問われる可能性もある。
VDIを利用すれば、サポート上の厄介な問題が減少し、ヘルプデスクの問題解決がスピードアップする。IT部門には、リモートユーザーの仮想デスクトップシステムに関する情報が既に手元にあるからだ。確かに、リモートデスクトップユーザーの環境でも、技術サポートが必要な問題が発生するが、そうした問題はほとんどの場合、接続やパフォーマンスに関連しており、一般的に、予測可能で解決しやすい。
VDIによって、在宅勤務をする社員のサポートが容易になる。こうした社員の業務環境が標準化できるからだ。リモートデスクトップユーザーのクライアントPCは、依然として業務プロセスで一定の役割を果たすが、その重要度は、VDIを利用しない場合よりも大幅に小さい。そのため、在宅勤務を導入した企業にとっては、こうしたユーザーの業務環境のセキュリティ確保や、ライセンス管理、サポートが格段に行いやすくなるだろう。
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