“割安”か“オーバースペック”か?
とにかく壊れないWindows“タフ”タブレット「TOUGHPAD FZ-G1」、軍事レベルの性能は“買い”か?(2/3 ページ)
スピーカー
TOUGHPAD FZ-G1のスピーカーは背面に1つある。十分な音量が出るため、カスタムアプリのボタンをクリックしたときの確認音も聞こえる。音楽鑑賞の観点からは、ヘッドフォンとBluetoothに対応していてよかった、とだけ言っておこう。スピーカーは、防塵、防水で頑丈なことを第一に設計されており、その性能は推して知るべしだ。
端子と入力
TOUGHPAD FZ-G1に搭載の「従来の」端子としては、USB 3.0端子、HDMI出力端子、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用3/5ミリジャックがそれぞれ1つある。この3つの端子はいずれも、右側面下部のへこんだ部分にまとめて配置されている。非常に頑丈な端子カバーで覆われており、端子を利用するにはカバーをスライドして開く必要がある。端子カバーの下にあるのは独立気泡フォームだ。端子は1枚の黒いすべすべしたプラスチックで囲まれている。カバーを閉じるとこの2つの素材が密着して、防塵、防水となる。
DC電源端子は左下のコーナーガードに組み込まれている。電源端子にも、ヒンジ式のカバーと、DC電源端子の穴に挿入して密閉する縁が二重になったゴム製のハトメがある。DC電源カバーとHDMI/USB/オーディオ端子カバーは、ユーザーが入手しやすいネジで取り付けられている。そのため、カバーが破損、摩耗しても、取り換えは簡単だ。
HDMI端子やヘッドフォンジャックへの接続、USB端子と標準的なUSBケーブルの接続に問題はなかった。ただし、USB端子でメモリスティックを使用したところ、非常に窮屈だった。大きくて頑丈なUSBスティックを使おうとしたら、厚みがありすぎて端子に差し込めない可能性が高い。
上部の背面カメラの隣には、モジュール式の拡張端子がある。ここには、幾つかのオプションから1つを取り付けることができる。テストに使用したデバイスは、ここにスペーサーが組み込まれていた。なお、利用可能なオプションには、旧式の9ピンシリアル端子、専用GPS、USB端子、microSDスロット、イーサネットジャック、バーコードリーダーがある。下部にはクレードルのコネクタと、ブロードバンドワイヤレス接続を利用できない車両などの環境で使用するための高利得デュアルアンテナの接続が用意されている。
徹底したカスタム構成に対応するために、背面パネルにはモジュール拡張区画が用意されており、業界特有のモジュールを装着できるようになっている。これには、ブリッジバッテリー、磁気ストライプリーダー(クレジットカードを通して読み取る)、スマートカードリーダー(クレジットカードスマートチップ)、非接触スマートカードリーダー(Appleの「Apple Pay」などのRFID支払いシステム)、UHF RFIDリーダー(在庫管理目的で使用されることが一般的)などが含まれる。
カメラ
セキュリティと機密保持が必須の職業からは、TOUGHPAD FZ-G1の正面カメラと背面カメラを完全非搭載にする注文が可能だ。うわさでは、ある政府IT機関は過去にカメラにドリルで穴を開けていたらしいが、そんな必要はこれでなくなる。
ラングレー空軍基地(※)に配属されているのでなければ、背面パネルに搭載のLEDフラッシュ付き800万画素カメラはなかなか使えると評価できるだろう。例えば、保険業界勤務で、現場で損害賠償の記録を取るには適したタブレットだといえる。撮れる写真は、いかにもタブレットのカメラといった感じだ。だが、露出不足に写る傾向がある。正面カメラは旧式の720p解像度のものなので、Microsoftの「Skype」やCitrixの「GoToMeeting」で通話するときにきれいな画像で相手に印象付けようとは考えないことだ。
※注:ラングレー空軍基地には、かつて写真技術の学校があった。
パフォーマンス
TOUGHPAD FZ-G1は各種ベンチマークテストで優れたスコアを達成した。Futuremarkのベンチマークツールの「PCMark8 Home」テストのスコアは2905、「PCMark8 Work」のスコアは3854だ。これは非常に優れた結果であり、Intelの新しい第6世代「Core i5」モバイルプロセッサと同等のGPUを実行するモバイルデバイスに迫るスコアである。グラフィックに関しては、標準的なIntelのオンボードGPUが使われており、アップグレードするオプションはないため、ここでも法人専用デバイスらしさが見られる。このような難点があるにもかかわらず、Futuremarkの「3DMark」テストでは1072という立派なスコアを達成した。これらのスコアに、内蔵の東芝の256GB SSD(SCSI)が一役買っているのは間違いない。メカニカルなHDDがボトルネックとなり、デバイスのベンチマークスコアを引き下げてしまっていることがよくあるからだ。
TOUGHPAD FZ-G1を一般的な条件で実行した場合のパフォーマンスを評価することは難しい。というのも、このタブレットに想定されている使用環境と用途が普通とは程遠いものだからだ。TOUGHPAD FZ-G1を導入したら、特別にあつらえられたアプリを1つ起動して、1日中実行し続ける、という場合がほとんどだろう。TechTargetチームには、貨物運送会社のUPSでアルバイトしていたり、国家警備隊(米国の軍事組織の1つ)に所属しているメンバーはいなかったので、ひたすらゲームをしてテストするしかなかった。テストに利用したゲームは、既にブームは過ぎていたが、「Candy Crush」だ。このゲームは、ユーザーが1日中操作する特注アプリの一般的な要素とスワイプ動作をエミュレートする。
また、GPUをテストするために、TechTargetお気に入りの無料の高解像度レーシングゲームであるGameloftの「アスファルト8:Airborne」をダウンロードし、ネバダと中国のレーシングコースを何度か周回した。画面の自動回転機能を無効にすると、遅延が生じることなくコースを回り終えることができた。グラフィックはオーディオやユーザー操作とずれることはなく、特に問題は見られなかった。
ベンチマーク
ベンチマークツール「wPrime」によるプロセッサの比較。スコアが低いほどパフォーマンスが高い(単位:秒)。
「PCMark8 Home」(Accelerated)によるWindows 8の一般的な作業(Webサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレイなど)に関する全体的なシステムの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。
「PCMark8 Work」(Accelerated)によるWindows 8で業務関連処理を実行したときの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。
「3DMark 11」によるゲームにおけるグラフィックスカードの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。
「CrystalDiskMark」によるストレージドライブのパフォーマンススコア
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー