“割安”か“オーバースペック”か?
とにかく壊れないWindows“タフ”タブレット「TOUGHPAD FZ-G1」、軍事レベルの性能は“買い”か?(3/3 ページ)
バッテリー駆動時間
TOUGHPAD FZ-G1には利用可能なバッテリーが2種類ある。1つは標準のバッテリーで、容量は4400mAhだ。最長駆動時間は13時間だという。駆動時間拡張バッテリーは容量が9300mAhで、公称駆動時間は倍の26時間だ。ディスプレイの明るさを最大にし、さまざまなアプリをインストールして起動、実行して実際に試したところ、公称最長駆動時間の半分である6.5時間の時点で、バッテリーの残量が5%となった。
6.5時間というのは公称の13時間とは大きく異なるが、現場で使用するには十分な時間だ。13時間が現実的な目標時間の場合は、拡張バッテリーパックを装備するのが確実だろう。また、オプションでブリッジバッテリーを付けることも可能だ。これを利用すると、タブレットをシャットダウンや休止しなくてもホットスワップできるよう、約1分間電源が供給される。
発熱とノイズ
TOUGHPAD FZ-G1は、極度の低温/高温の条件下における、軍用規格テストに合格している。TOUGHPADシリーズの実績からして、内部で発生したエネルギーによりデバイスが過熱する可能性はまずないだろう。
冷却ファンはノイズの発生源となっており、ほぼ絶え間なく稼働している。デバイスの裏面、特にその右側はCPUとマザーボードがあるために熱が発生する。
Windowsについて
既に述べたように、TOUGHPAD FZ-G1はほとんどの時間を専用のアプリの実行に費やす可能性が高い。そのアプリは大抵、非常にレガシーで、信頼性に疑問があることも多い。そのため、アプリを用意するITスタッフはOSが原因のトラブルには対応したくないと考えていることだろう。このような要望があることから、テストに使ったデバイスには、「Windows 7」のメインストリームサポートは1年以上前に終了しているにもかかわらず、オプションでWindows 7へのダウングレード権と「Windows 8.1 COA」が付属していた。
TOUGHPAD FZ-G1をWindows 7で使用したところ、Windows 7がタッチベースの入力に全くの不向きであることをあらためて思い知り、すぐにイライラする結果となった。Appleの「iOS」、Googleの「Android」、Microsoftの「Windows 8」「Windows 10」ベースのデバイスの使いやすさに比べると、Windows 7のタッチ対応機能は不十分で、使いにくく、厄介としか言いようがない。
このような使いにくさを感じて、普通のユーザーよりは意欲的に、Windows 10への自動アップグレードを促すポップアップをクリックした。そして、アップグレードする価値を感じることとなった。TOUGHPAD FZ-G1とWindows 10の組み合わせは、Windows 10をタブレットモードにすると特にシンプルで使いやすかった。そのため、耐久性が必要でTOUGHPADを購入するが、通常のPCと同じように使用するのが目的の場合、すぐにWindows 10にアップグレードすることを強くお勧めする。
接続性
TOUGHPAD FZ-G1の新モデルは、内蔵チップが更新された。これまでとは異なるIntelの「Dual Band AC7265」チップセットを搭載し、新しい802.11ac規格もサポートするようになっている。残念ながら、SIMチップについてはテストに使用したデバイスに搭載されていなかったので、4G/LTE機能も利用可能だと言うにとどめる。Bluetoothは、v4.0+EDRから変わりない。BluetoothでKinesisのキーボード、Boseのヘッドフォン、Dellのマウスを同時に接続してみたところ、特に問題は発生しなかった。
クレードル
TOUGHPAD FZ-G1にはデスクトップクレードル(モデル番号:FZ-VEBG11)が用意されている。その品質と構造は、タブレット本体に負けずとも劣らない。タブレットの着脱に、ボタンやレバー操作、スライド操作は必要ない。クレードルに載せて、2つの丈夫な停止点に触れるまで押し込むと、加圧ホイールが付いたクレードル上部アームがタブレット上部をしっかりと固定する。タブレット背面とクレードルの間には空間がたっぷり確保されており、大きな拡張モジュールを装着していても恐らくは利用できるものと思われる。
クレードルの背面には専用のイーサネット端子、2つのUSB 3.0端子、HDMI端子、VGA端子、標準的な9ピンシリアル端子、DC電源ジャックがある。テスト中、何十回もタブレットの着脱を繰り返したが、Windows 10へのアップグレード中であっても、OSに不具合が生じることはなかった。HDMI/USB/オーディオジャックのカバーは、クレードル装着中も開くことができる。デジタイザペンもクレードルに邪魔されることなく使用可能だ。唯一不満な点は、クレードルに専用のオーディオジャックがないことだろう。ドライバリストにはDisplayPort Audioドライバが表示されていたので、オーディオ信号を伝送するようにHDMI端子を設定できる可能性が高い。
価格
TOUGHPAD FZ-G1は2295ドル(日本では20万900円、税別)から用意されている。構成によっては、3000ドル(約32万円)を超える場合もある。カスタマイズ性と耐久性は安くは手に入らない。だから、事実上“破壊できないタブレット”の価値は、このような設計の有用性に価値を見いだす人がどれだけいるかによって異なる。
頑丈なタブレットの有用性は、パナソニックのWebサイトに掲載されたホワイトペーパーに網羅的に詳しく書かれているが、要約するとしたら次の2点になる。複数の普通のタブレットの使用/入れ替えにかかる実際のコストと、ダウンタイムに関連する隠れたコストだ。平均的な警察官、捜索/救難チーム、戦闘配置についた軍人の目線からこの要素について考えて欲しい。すると、これらの職業でTOUGHPADやTOUGHBOOKが重宝されている理由がはっきりするだろう。
結論
TOUGHPAD FZ-G1は、優れた耐久性を持ちながら、パフォーマンスにも妥協していないすばらしいタブレットだ。構成部品がパワーアップした新モデルでは特に、その長所に磨きがかかっている。パフォーマンスの点ではMicrosoftやDellの最新タブレットに追随しており、耐久性の点では匹敵するデバイスは存在しない。値段は多少張るが、最終的には初期費用を埋め合わせて余りあるほど長く使うことができる。
長所
- 非常に頑丈な構造
- 豊富な構成オプション
- 1日使用できるバッテリー
- 高いパフォーマンス性能
- 手袋対応のタッチスクリーン(一部の手袋への反応がすばらしい)
短所
- 初期コストが高い
- 一部のUSBスティックが適合しない
- オーディオ性能
- 手袋対応のタッチスクリーン(一部の手袋にうまく反応しない)
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