圧力も感知するタッチパッドの実力
徹底レビュー:2016年モデル「MacBook」、最高に魅力的だがやはり目立つ“惜しい欠点”(2/4 ページ)
端子と入力
2016年モデルのMacBookには入力端子が2つしかない。1つは本体の左後部に配置されたUSB Type-C端子。もう1つは、右後部にある3.5ミリのヘッドフォンジャックだ。残念ながら、このUSB Type-C端子は高速インタフェース「Thunderbolt」をサポートしていない。また、ヘッドフォンジャックもマイクや録音デバイスからのオーディオ入力には未対応だ。メディアカードスロットも搭載していない。
現在は、従来のUSB規格やその代替規格のmicro-USBからUSB Type-Cに移行する過渡期にある。USB Type-Cは、高速かつ小型で両面が使用可能だ。このような過渡期にある中、従来型のUSBアクセサリーを接続するためのアダプターとUSB Type-Cハブは気軽に購入できるほど安価ではない。外部ディスプレイとイーサーネットの接続についても同じことがいえる。USB Type-C入力端子、フルサイズUSB端子、VGA端子を搭載したAppleの「USB-C VGA Multiportアダプタ」は9500円(税別)で販売されている。それに比べて、Belkinの「Belkin USB-C to Gigabit Ethernet Adapter」は4000円(税別)だ。
これは法外な価格といえるだろう。Amazonでは非純正のアダプターが安く販売されているが、2016年モデルのMacBookで意図された通りに動作する保証はどこにもない。例えば、イーサーネット、フルサイズUSB、VGS、HDMIを搭載したDellの「Dell Adapter - USB 3.0 - HDMI/VGA/Ethernet/USB 2.0」が8240円(税別)で販売されている。このアダプターを2016年モデルのMacBookにつないでテストしたが、VGA端子経由でディスプレイを拡張することはできなかった。ただし、それ以外の端子は全て機能した。
また、2016年モデルのMacBookにエンドツーエンドのUSB Type-CケーブルとUSB Type-C対応の電源アダプターが付属していることが、この問題を悪化させている。従来のフルサイズUSB電源アダプターと、一端がUSB Type-Cでもう一端が従来型USBになっているケーブルが同梱されていれば、この問題を解消することができた。1000円未満のメス/メス型USBアダプターと安価なUSBハブを使用することで多くの端末とつなぐことができるからだ。だが残念ながら、高価なアダプターを購入する以外に方法はない。
確かにMacBookは、サブデバイスや持ち運び用のデバイスとしての立ち位置を狙った製品だ。ほとんどのユーザーは、2016年モデルのMacBookとクラウドがあれば何とかやっていけるだろう。モバイルテクノロジーの妥協点について熟知しているユーザーなら特にそうだろう。実際、インターネット接続があるだけでも驚くほど多くのことが実現できる。ただし、Wi-Fiの電波が弱かったり利用できないなどの理由から、イーサネットネット以外の選択肢がない場合もある。また、デジタルカメラで撮影した写真をSDカードからMacBookに取り込む際にアダプターを使わずに済ませるにはどうすればよいのだろうか。
ディスプレイ、スピーカー、カメラ
2016年モデルのMacBookは12インチのIPSディスプレイ搭載しており、解像度は2304×1440ピクセルだ。アスペクト比は映画向きの16:10で、ピクセル密度は226ppiである。ハイエンドに属する製品のディスプレイは並外れて優れたものばかりだが、MacBookもSurface Pro、Samsung Electronicsの「Galaxy TabPro S」、VAIOの「VAIO」モデルに引けを取らない。
色は暖色寄りになる傾向がある。ディスプレイの視野角は広く、コントラストも素晴らしい上に高精彩だ。また、グレアも見事に抑えている。これは輝度の高さによるものではなく、アンチグレアパネルのおかげだ。
他の全てのMacBookと同様、2016年モデルのMacBookにもタッチスクリーンは搭載されていない。Appleの「Mac OS X El Capitan」がMicrosoftの「Windows 10」ほどには、タッチ操作向きではないとはいえ、タッチスクリーンが搭載されていない点は相変わらずのマイナス材料だ。タッチ機能は、今日のデバイス操作において欠かせないものになっている。AppleがMacBookにタッチ操作の導入を渋っているのは不可解だ。
また、MacBookの前面に搭載されている「FaceTime」カメラの解像度が720×480であることも理解に苦しむ。これは高価格のデバイスとしては考えられない解像度の低さだ。本稿執筆時点で約160ドル(約1万7500円)で販売されているiRULUのタブレット「WalknBook」でさえ、もっと解像度の高いカメラを搭載している。
確かに、デジタル画像に関して問題になる要素は画素数しかない。また、MacBookの前面カメラの用途が、ほぼビデオチャットに限られることも確かである。ただし、Appleをもってしてもビデオ通話相手の画面にMacBookユーザーが低画質のブロックノイズが発生した状態で映し出されることを免れることはできない。また、最低価格が税別で15万円近くになるデバイスに搭載しているカメラであることを考えると容認しにくい。
クライアントPCやタブレットのスピーカーは「悪い」から「ひどい」辺りの評価で片付けてしまうことが多い。だが、2016年モデルのMacBookに搭載されているスピーカーは驚くほどに迫力がある。個人的な用途に最適で、音量を最大まで上げれば広い部屋の隅々まで音を行き渡らせることができる。ハイエンドデバイスとしては高音が鋭く、Microsoftの「Surface Pro 4」で出力される音の方がどっしりとしている。だが、その迫力には感心させられるばかりだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー