WindowsとMacの混在環境を効率的に運用するには
あっという間に普通になった「職場でもMac」、どのように管理したらいい?
コンシューマー市場において、Macは絶大な支持を得ている。それに伴い、Macを職場で利用したいというニーズも高まっている。IT部門は今、WindowsとMacの混在環境を効率良く管理する方法を知っておかなければならない。
準備ができていようがいまいが、「Mac」の職場利用は着実に増えている。IT部門は今、米AppleのクライアントPCを「Windows」と「Active Directory」の既存環境とどうやって統合するか、そのためにはどういった追加のツールやシステムが必要になるかを理解しなければならない。
「iPad Air 2 Wi-Fi 16GB」、読者プレゼント実施中!
TechTargetジャパンは、代表的なオフィススイートであるMicrosoftの「Microsoft Office」関連の記事を集約したテーマサイト「iPhone、iPad、Android版登場で何が変わる? あなたがきっと知らない『Microsoft Office』の世界」を開設しました。本テーマサイトの開設を記念して、米Appleのタブレット「iPad Air 2 Wi-Fi 16GB」(色はゴールド)を抽選でプレゼントします。
Windowsのインフラ環境にMacを組み込むことは決して容易ではない。そこで重要になるのは、管理対象となるMacの台数を把握し、どのシステムにアクセスするのか、既に導入しているツールやシステムはないかを明らかにすることだ。
昨今、Windows PCよりもMacの利用を好む従業員が多くなっている。iOSデバイスの職場利用が増え、AppleがMacとiOS間の連係を約束していることも、そうした変化を加速させる要因となっている。とはいえ、圧倒的多数を占めるWindows環境において、Macはほんの少数派にすぎず、Windowsとは大きく異なった存在である。
Macの職場利用を受け入れつつも、企業のIT資産を守り、IT資源を管理するために、IT部門は大きく3つの手段を講じることができる。
- Macを既存のツールを用いてActive Directory(AD)ドメインに組み込み、Windows PCと同じように扱う
- MacをADドメインに組み込むが、別途ツールを用意して端末を管理する
- MacをADドメインから切り離して管理し、モバイルデバイスと同じように扱う
1:MacをADドメインに組み込む
IT管理者の多くは、Windows PCと同様にMacを既存のAD環境に加えたいと考えるだろう。実際にある程度までは、OS Xでも対応可能である。Macには、ADや標準ベースのディレクトリサービスに参加するために必要なクライアントコンポーネントが含まれている。
ユーザーがコンピュータへのアクセス権限とドメインの資格情報を有していれば、容易にMacをドメインに参加させることができる。コンピュータがドメインに参加すると、Windows PCの場合と同様に、Windows Serverは自動でコンピュータオブジェクトをAD内に作成する(未作成の場合に限る)。
OS Xの最近のバージョンでは、米Microsoftの構成管理ツール「Microsoft System Center Configuration Manager」(SCCM)、「Exchange ActiveSync」との連係が可能になっているため、Apple製品の統合がさらに容易になっている。SCCMは、最新版「OSX Yosemite」をサポートしている。
だが、MacはWindowsではないし、管理製品の大半はWindows向けに作られている。それはつまり、互換性問題が発生することを意味する。そうした問題を緩和する方法の1つは、Macにより適合するために、ADスキーマを拡張することである。だが、それには開発リソースと技術的専門知識が必要となるだろう。また、ごく少数のMacをサポートするためだけに、積極的に取り組む組織はほとんどないだろう。
IT管理者は、OS Xのコマンドライン機能を用いることで、既存ツールの機能を補うことができる。それにより、スクリーンセーバーのアイドル時間を指定したり、言語環境やテキスト形式を構成したり、オートコレクト機能を無効にしたりすることが可能である。
2:ADとサードパーティー製ツールを使う
ADとOS Xのコマンドライン機能を組み合わせれば、Macの統合管理はよりシンプルになる。だが、多くのIT管理者は、外部ツールを使って管理する方が、運用はより楽になると考えている。例えば、MacをADドメインに加えた上で、デスクトップ管理ソフトウェア「Apple Remote Desktop」でMacクライアントの管理作業を簡素化することができる。
もう1つの選択肢は、サーバOS「OS X Server」を導入し、Profile Manager機能を利用してADグループをベースとしたMac用ポリシーを設定することだ。ADサービスと並行して、Open Directory(OD)ドメインを構築することになるが、長期的な運用を考えれば、結果的に管理を容易にすることができる。ADではWindowsを管理し、OD/OS X ServerではMacを管理するというわけだ。さらに、MacはADに参加しているため、ファイル共有やプリンタなどのサービスをはじめとして、相互の環境が密接に連係する仕組みとなっている。
それでも運用のハードルが高いと感じる場合は、米Centrifyの「Centrify User Suite(Mac Edition)」を検討してほしい。Macの管理と、ADのID基盤を使った認証、ポリシー適用、シングルサインオン(SSO)を一元管理することができる。その他にも、米JAMF Softwareの「Casper Suite」というADとODを統合する包括的なエンドポイント管理製品がある。
しかしながら、MacをADで統合管理することを前提として、必ずしもMicrosoft製品のみのアプローチを取る必要はない。多くの場合、Macを管理する最も効率の良い方法は、MacをUNIXシステムのように扱うことである。既存のインフラと統合することは可能であるが、その他の点では全く異なる種類のデバイスとして取り扱うのだ。
3:Macをモバイルデバイスのように管理する
「OS X Lion」がリリースされて以来、同OSは従来型のディレクトリサービスモデルではなく、モバイルデバイス管理(MDM)モデルへと移行してきた。それにより、IT管理者は、Mac、iOS、Androidデバイスで同じ管理ツールを使えるようになった。
例えば、OS X Yosemiteでは、IT管理者がMacのiTunesアカウントを照会できるようになっており、コンピュータと関連付けられたApple IDが変わっていないかどうかを調べることができる。これはiOS 8を搭載するデバイスにも行える。「App Store Volume Purchase Program」でライセンスを一括購入したアプリや電子書籍を、適切なユーザーに配布するときに役に立つ。
また、Appleの新たなMDMフレームワークでは、IT管理者が管理デバイス上のAirPlayセッションを開始したり、業務アプリと資料をMacにプッシュ配信したりすることができる。Appleは、OS X Serverの機能を強化しており、MDMとの親和性を向上させている。ベンダーは公開されているAPIをベースとして、セキュリティ製品や管理製品に機能を搭載している。
特に米AirWatchなどのMDMベンダーは、Macの新たな機能にいち早く対応し、Macとスマートフォン、タブレットを管理する製品を提供している。AirWatchのMac管理機能では、パスコードプロファイルの更新やメールアカウント向けの管理ドメインの作成、AirPlayの対応、ソフトウェアの配布、IT資産の追跡が可能である。
ADとの統合機能を備えた管理製品は多いが、米MobileIronなどの外部ツールやAppleのサーバ製品を導入すれば、ADに縛られない環境を構築することができる。また、ドメインへの参加が不要なマシンであれば、VPN接続でユーザーにアクセスを提供する方法もある。このアプローチは、社内に持ち込まれた私物のMacへの対応方法として役立つはずだ。
目前に迫る“ストレージ危機一髪”、データ管理は「どうすりゃ委員会」開催!
TechTargetジャパンは4月21日、データ管理や活用に積極的に取り組む読者を対象にしたLIVEオンラインセミナーを開催します。タレントの伊藤えみさんを司会に業界の識者が集合。ストレージ関するあなたの課題を解決します。
視聴者プレゼント
LIVE オンラインセミナーをご覧いただいた方の中から抽選で1名の方に、Windowsタブレット「Dell Venue 8 Pro」をプレゼント致します。ぜひお申し込みください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー