普及を阻むのはベンダーの独善的拙速
「シンプルなファブリック」でSDNは「2016年こそ本当に」離陸できるのか(3/3 ページ)
ステップ3:サーバネットワークとの連係
企業内サーバの仮想化は進んでいるが、不確定な将来に対して大規模なサーバやストレージの投入を敬遠するのは妥当な考えだ。その解決策としてポッド(ラック群)単位ではなく小さなサーバやストレージを順次増設するために、サーバの内蔵ストレージを束ねて共有して扱う垂直統合システム「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」が台頭してきている。だが小規模なサーバを多数接続すると、ネットワークインフラの設計や導入作業が複雑になってしまう。
ファブリックベースのSDNアーキテクチャには、エッジスイッチに対する設定変更を自動化する「Auto Attach」(IEEE802.1Qci)という技術がある。この技術をオープンソースソフトウェア(OSS)の仮想スイッチ「Open v-Switch」がバージョン2.4から採用しており、サーバネットワークにファブリックを採用したコアネットワークへ自動的に接続できる。このおかげでサーバネットワークとコアネットワークとの連係が可能になる。
併せて読みたいお勧め記事
連載「最新ネットワーク・キーワード」
上記ステップ1~3を実現した上で、アプリケーション環境、サーバとストレージの環境、そしてネットワーク環境を統合した構成を、オーケストレーターによって自動化することがSDN実現の最終段階となる。一足飛びにオーケストレーターによる自動化を目指すのではなく、ステップ1~3のプロセスを着実に踏んでSDNの実現を図ることが重要だ。
近年、世界のあらゆる場所で、デジタルトランスフォーメーションが起きている。デジタルトランスフォーメーションとは、これまで単独で存在していた「技術」「サービス」「ビジネスモデル」に関連性を持たせることで新しい付加価値を生み出そうとする動きだ。ただ、その結果として数多くのものが関連するようになった。そのためアプリケーションの自動化や連係機能を1社だけで開発するのは既に不可能にある。この状況ではオープンプラットフォームの活用が重要になる。「OpenStack」や「OpenDaylight」といったOSSの活用が鍵となる。
SDNが“今度こそ”本格離陸するために
数十年にわたる従来技術によるネットワークアーキテクチャは終わりを迎えようとしている。ビジネス環境の変化に応じて、柔軟かつ迅速にネットワーク構成を変更でき、コスト効果に優れたソリューションが必須だ。そのためにはファブリックの技術をベースとしたシンプルなSDNのアーキテクチャを導入しなければならない。ユーザー視点でSDNの普及を考えた場合でも、ファブリック技術は有効かつ実行可能な選択肢となるはずだ。
著者紹介
佐熊勇介
日本アバイアのAvaya Networking & SDN SolutionsのチームのNetwork Sales Directorとして、主にSDN関連製品の市場開発に従事。以下のSNSでも発信している。
https://www.facebook.com/AvayaNetworking
https://twitter.com/sakumayusuke
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー