何を最優先とするべきか
効果が分かりにくいデジタルマーケティング、投資判断の考え方を語ろう(2/3 ページ)
最初に着手すべきはビジネスの目標と戦略
併せて読みたいお勧め記事
IT部門のためのデジタルマーケティング入門
- 小さな会社の「デジタルマーケティング入門」、独りよがりにならないためには?
- 頑固な“マーケティング神話”を一掃、ラスベガスのホテルが実践した分析技術の威力
- IT部門のための「デジタルマーケティング」事始め
マーケティングオートメーションの導入に向けて
市場がツールであふれているのなら、投資するマーケティングテクノロジーはどうやって決めればよいのだろうか。意外なことに、出発点となるのはROIではない。ビジネス目標だ。
テクノロジーやROIについて考え始める前に、まず自社のビジネス目標と戦略について検討されたい。全てにおいてテクノロジーへの投資が必要になるわけではない。ビジネス目標には、さまざまなものが含まれる。主なものとして、収益の増加や収益力の改善、顧客獲得コストの削減、顧客生涯価値の向上、高いコンバージョン率の達成、リード(見込み客)の質の向上、コンバージョン時間の短縮、アカウントベースの販売モデルのサポートなどがある。では、考えをまとめる方法を紹介しよう。
カスタマージャーニーの改善
カスタマージャーニーやセールスファネルを考える必要があると、TandemSevenで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるスティーブ・オフセイ氏は次のように話す。「自社のカスタマージャーニーを確認し、定性的な分析によって現状の顧客の体験で不十分なところを見つけ出す。また、販売につながる心変わりを難しくしている部分も特定する。その上で、必要なのは製品かテクノロジーかを判断する」
CabinetMでCEOを務めるアニタ・ブレアートン氏もこの意見に同調し、「こうしたアプローチを取る企業は増えている。小規模な企業ほど、カスタマージャーニーを改善することは正しい取り組みになる」と述べている。
投資マネジャーのような考え方が鍵となる
「マーケティング担当者にとって重要なのは、自社の資金投入の方法はいつでも自由に選べるという事実に気付くことだ。私は新たな契約を1件の獲得するためにマーケティングにどれだけ投資しているかを問うところから始めている。それから、効率の向上、規模の拡大、レポートの改善、他の何らかの高い目標などを実現する方法を検討して、ROIの算出を試みている。テクノロジーに対する投資の選択肢に優先順位を設定するためにはROIモデルを用いるのが良いだろう」とダン氏は語る。
ROIモデル
ROIモデルでは漸増する改善と、その改善の達成に必要なコストを比較する。だが、数え切れないほどのマーケティング製品が存在し、それぞれに異なる機能とメリットがあることを考えると、ROIを算定するのは難しい場合がある。
「マーケティング担当者が曖昧なものに夢中になっていることは実に多い。ベンダーは進んで自社製品の基準を明確にしなければならない。企業の個々の数値は異なるだろうが、定量的な利益をどれくらい期待できるかについて感覚をつかむ上で、こうした基準は重要な出発点になると考えている」(ブレアートン氏)
ROIモデルは、マーケティングツールとマーケティングプロジェクト次第で変わってくる。コストを減らすプロジェクトもあれば、成長率を伸ばすものもある。また、間接的な影響力が強いプロジェクトもあるだろう。幾つかの例を検討してみよう。最適を求める指標では収支が重視される。つまり、利益を上げられるところにできるだけ近づこうとする。だが、この指標は全てのプロジェクトに適用できるわけではない。一般的なROI改善指標を幾つか次に挙げる。
顧客獲得コスト
スキー旅行客を対象としたWebサイトのSnowPak.comで代表取締役を務めるオーウェン・ラーキン氏は、顧客獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)を下げる機会に注目している。例えば、新しいテクノロジーによって各営業担当者が、より多くのリードに対応できるようになるときだ。また、販売プロセスの自動化推進によってCACを下げることもできる。
顧客生涯価値
顧客の全生涯に渡る価値(LTV:Life Time Value)について検討する。つまり、最初の販売からそれ以降の全ての販売を考えるのだ。
コストパーリード
Media Captainで代表取締役を務めるジェイソン・パークス氏は、コストパーリード(CPL:Cost Per Lead)を下げることに重点を置いている。リードの質が一定であるとしたら、CPLを下げることでCACも下げられる。
生産性
これにはマーケティングと販売の両方の生産性が含まれる。具体的には、1人のリードを生み出すために必要なマーケティング活動を減らしたり、1つの契約を結ぶために必要な営業時間を短縮したりすることなどだ。例えば、生産性が改善されるとROIの向上につながる場合が多い。同じ労力でより多くのリードを獲得できるためだ。
コンバージョン率
セールスファネルやカスタマージャーニーを最大限に活用しているなら、コンバージョン率に重点を置く良い機会だ。コンバージョン率に重点を置くと、CACが下がり、LTVが向上するだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー