クラウドネイティブな開発を可能に
理想的な「クラウドで開発/テスト、オンプレミスで本番運用」をどう実現する?(1/2 ページ)
開発/テスト環境をパブリッククラウドで構築し、本番アプリケーションをオンプレミスで運用する――こうしたクラウドネイティブな開発を可能にする、ツールやサービスを紹介する。
あなたの会社が近い将来、オンプレミスのアプリケーションをクラウドに移行しなくても、クラウドベースの開発環境のメリットは享受できる。多くの企業がハイブリッドクラウドのアプローチを取り、開発およびテスト環境をパブリッククラウドで運用し、本番アプリケーションをオンプレミスで運用している。
今では多くのクラウドプロバイダーからさまざまなツールが提供されており、オンデマンドでインフラを立ち上げ、コードをデプロイし、アプリケーションに対して一連のテストをし、本番稼働に対応できることを確認するのは、従来と比べて容易になっている。
2016年上半期「クラウド」記事ランキング(2016年1月1日~2016年6月20日)
1位 Appleの「iCloud」がGoogleクラウドを選んだ理由
2位 メールからチャットへ――「Slack」「LINE」が変える情報共有と開発手法
3位 やはり強いクラウド“ビッグスリー”、次のサービス停止はどこ?
クラウドベースの開発/テストのメリット
1台のサーバで動作するシンプルなアプリケーションでも、複雑なテスト環境が必要となる高度な多層アプリケーションでも、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)のようなクラウドコンピューティングプラットフォームは、開発プロセスを大幅にスピードアップさせる。
パブリッククラウドプロバイダーは、仮想マシン(VM)のスピンアップ(起動)を容易にしている。1回のAPI呼び出しでVMがプロビジョニングされ、開発者やテストエンジニアはそれをデプロイし、アプリケーションを一連のテストで検証する。ただし、そのように簡単に事が運ぶのは、シンプルなアプリケーションの場合に限られる。当然のことながら、アプリケーションはシンプルなものばかりではない。
一部の業務アプリケーションは、実際の稼働を想定した適切なテストをするために、オンプレミスの本番環境を模した、さまざまなサポートインフラを必要とする。アプリケーションチーム(開発者とIT運用担当者)がレイテンシなどの挙動をより正確に予測できるように、本番環境に最も近い仕様の環境で、アプリケーションの実際のパフォーマンスを把握する必要があるからだ。
AWSやAzureのような成熟したプラットフォームは、JSONベースの宣言型のテンプレートを使って、カスタムネットワーク、ストレージ、VMなどを持つ複雑なインフラ環境の自動化を支援する。そのおかげで、運用チームはクラウドにおいてほんの数分で、オンプレミス本番環境の完全に構成されたレプリカを作成できる。この手法は「Infrastructure as Code」として知られており、その支援サービスとしてAWSでは「CloudFormation」、Azureでは「Azure Resource Manager」テンプレートが提供されている。
また、データセンターマネジャーは開発およびテストチームにリソースを割り当てる際、常にハードウェアの制約に直面する。テスト環境のハードウェア仕様は、本番環境にデプロイするハードウェアの仕様と同様でなければならないからだ。さらに、そうした物理システムは稼働を継続させなければならない。ハードウェアと周辺コンポーネントが故障すると、運用チームがそのコンポーネントを交換するか、修理するまで、コードをテストするプロセスが遅れてしまう。だが、クラウドベースの開発環境では、物理ハードウェアは抽象化されており、メンテナンス作業は発生しない。開発者は選択したクラウドプラットフォームで、仮想サーバを必要な台数だけ立ち上げることができる。
これに対し、開発およびテストワークロードを実行できるように物理マシンを維持すれば、アイドル状態のときもコストが掛かり、IT部門がそれを負担することになる。物理的なマシンは、データセンターのフロアスペースを占有し、恐らく使われていないときも電力を消費する。だがクラウドでは、ユーザーは使った分だけ費用を支払う。オンデマンドで環境を構築、破棄できるので、企業は必要なときに必要なだけリソースを利用でき、料金は利用した分しか掛からない。
多くの継続的インテグレーションツールやアプリケーションライフサイクル管理ツールは、クラウドプラットフォームや自社所有サーバと統合されている。Amazon Web Services(Amazon)やMicrosoftのようなプロバイダーは、オンプレミスサーバおよびクラウドベースサーバと連係し、開発から本番への移行を容易にするDevOpsツールスイートを提供している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー