「Java」開発力があるならSaaSベンダーへ転身?
600以上のアプリと共通基盤でクラウドへの移行を支援する日本オラクルが目指すもの(1/2 ページ)
「Oracle Database」や「Oracle Exadata」をはじめとする“製品”の印象が強いOracle。実は約600ものクラウドアプリケーションを擁する屈指のSaaSベンダーだ。同社がクラウドビジネスへの取り組みを強化する狙いとは。
ここ1年ほどの間で、クラウドビジネスへの取り組み強化の方針を次々に繰り出してきたOracle。これまでOracleのパートナービジネスはソフトウェアライセンスやアプライアンス製品が中心だったが、今後のOracleがクラウドベンダーへの道を本格的に歩むことになると、ビジネスモデルはどう変わっていくのだろうか。日本オラクルのアライアンス事業統括副統括で、執行役員の長谷川 純一氏に話を聞いた。
注
「ディストリビューター」「リセラー」という言葉の厳密な定義付けはないが、本稿では次のように位置付けている。
- ディストリビューター:幅広いベンダーから仕入れたIT商材を自社在庫として保有し、小売業者やユーザー企業に販売する卸業者。大規模な拡販、流通の役割に軸足を置く事業者。
- リセラー: IT商材をベンダー、ディストリビューターなどから仕入れ、ユーザー企業に販売する、大規模な流通経路は持たない事業者。仕入れた商材をそのまま販売するのではなく、他のシステムと組み合わせたり機能を追加したりして付加価値を高めて販売するリセラーはVAR(付加価値再販業者)という。
2016年上半期「クラウド」記事ランキング(2016年1月1日~2016年6月20日)
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クラウドビジネスへのコミットを深めつつあるOracle
企業向けIT市場におけるパートナービジネスは、Oracleの存在抜きには語れない。1990年代、データベースソフトウェア「Oracle Database」の再販モデルによって巨大なパートナーエコシステムを確立した同社は、その後M&Aによって次々と手に入れた製品の既存ユーザーやパートナーをエコシステムに組み込みながら、さらにその勢力圏を拡大していった。そして同社は新たにクラウドビジネス強化のためのパートナー戦略を打ち出している。
Oracleといえば、オンプレミスのミドルウェア製品や、膨大な製品ポートフォリオをそろえるアプリケーション製品群、また近年では「Oracle Exadata」をはじめとするアプライアンス製品が存在感を放っていた。だから「Oracleのクラウドビジネス」と聞いても、ピンと来ない人も少なくないだろう。
実は同社は、約600のクラウドアプリケーションを擁する、世界屈指のSaaS(Software as a Service)ベンダーである。またOracle Databaseや「Oracle WebLogic Server」などのミドルウェア製品、あるいはJava EE(Java Platform,Enterprise Edition)開発環境などをPaaS(Platform as a Service)として提供する「Oracle Cloud Platform」も、徐々にユーザーが増えている。
一方、同社はIaaS(Infrastructure as a Service)の「Oracle Cloud Infrastructure」も提供している。これまではAmazon Web Services(AWS)をはじめとする先行IaaSベンダーに後れを取っていた面も否めなかったが、2015年よりラリー・エリソンCTO(最高技術責任者)の号令の下、サービス拡充を進めつつある。
こうしたクラウドビジネスへの本格的な進出に伴い、同社は現在クラウドビジネスに最適化した新たなパートナープログラム構築を急ピッチで進めている。長谷川氏は、同社のこうしたパートナー戦略の狙いについて次のように説明する。
「企業向けIT市場におけるパブリッククラウドの存在感は、今後ますます高まっていく。それに伴い、これまで主にシステムインテグレーション(SI)やシステム運用で収益を上げてきた企業は、多かれ少なかれビジネスモデルの転換を余儀なくされるだろう。場合によっては、一時的に収益が落ち込むこともあり得るが、Oracleのクラウドは、パートナー企業がスムーズにクラウドビジネスへと移行できるような技術的支援、販促支援をさまざま用意している。だからこそ、提案力と競争力の強化にOracleのクラウドがどう役立つか、各社のビジネスにおける価値を見直してほしい」
長谷川氏がこう語るのは、開発と運用がウォーターフォール型からDevOps型へ変化し、開発に迅速性が求められている近年の傾向が背景にある。IT投資の予算を持つ部門も、IT部門だけではなく業務部門に推移しつつある。現場のビジネス課題への解決策を共に模索しながら、柔軟な提案をしてスピーディに開発、そして既存システムとの接続性も保つアジャイルのアプローチを実現するには、クラウドの開発環境なしでは困難だ。
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