「Java」開発力があるならSaaSベンダーへ転身?
600以上のアプリと共通基盤でクラウドへの移行を支援する日本オラクルが目指すもの(2/2 ページ)
「クラウドベンダーのOracle」が提供するパートナー支援策とは
他のクラウドベンダーにはない、Oracleのクラウドが持つ技術的な強みとして、長谷川氏は「アーキテクチャの互換性」を挙げる。
例えば、Oracle DatabaseやJavaを用いてオンプレミス環境やプライベートクラウドに構築したシステムをパブリッククラウドへ移行する場合、Oracle CloudはOracle DatabaseやJavaのアーキテクチャをサポートしているため、最小限のコストで移行できる。また、オンプレミス/プライベートクラウドとパブリッククラウドが混在するハイブリッド環境も、同じ技術を使って一元的に運用できる。
「これまでOracle DatabaseやJavaをベースにしたシステムの構築や運用をビジネスの中核に据えていたパートナー企業にとって、同じ技術を使っているOracle Cloudは、移行のハードルが低いクラウドサービスだ」(長谷川氏)
パブリッククラウドとオンプレミス/プライベートクラウドの間でアーキテクチャの互換性があることは、それ以外にもさまざまなシーンにおいてパートナー企業やSIerにメリットをもたらすという。例えば、パブリッククラウドの開発・テスト環境で構築したシステムを、そのままプライベートクラウドの本番環境に移行して運用することができる。その逆も可能で、プライベートクラウドからパブリッククラウドにワークロードを移動することもできる。
あるいはパートナー企業がOracle製品を使って開発したシステムをパブリッククラウドにそのまま載せて、SaaSとしてユーザーに提供するといったビジネスモデルが容易に構築できる。Oracleが提供する膨大な数のSaaSを組み合わせることで、同社の既存パートナー企業はより多くのビジネスチャンスをつかむことができるという。
「当社のSaaSをそのまま導入するだけでなく、ユーザーの個別ニーズに合わせたカスタマイズや、導入後の運用なども合わせると、Oracleのクラウドサービスを中心に広範なビジネスチャンスが広がっている。これまでハードウェア/ソフトウェア製品を素材にしてビジネスを展開してきたリセラーやSIerに対して、OracleのクラウドはSaaSからPaaS、IaaSに至るまで、あらゆるクラウドのレイヤーでビジネスの可能性を提供する」(長谷川氏)
Oracleは、既存のパートナー企業だけでなく、クラウドビジネスに強みを持つ新たなパートナー企業との関係構築にも積極的に乗り出している。そんな同社のユニークなパートナー施策の1つに「POCOコンテスト」がある。POCOとは“The Power of Cloud by Oracle”の略称で、Oracleのクラウド戦略全般を表すキーワードだ。POCOコンテストは、Oracleのクラウドサービスを活用したパートナー企業の優れたアプリケーションおよびビジネスの成果を表彰するというもの。2015年11月には第1回POCOコンテストの受賞企業が発表され、Oracleのクラウド戦略を象徴する13のソリューションが表彰を受けた。表彰企業はOracleとの共同マーケティングファンドを優先的に利用することができるなど、同社からのさまざまな販促支援を受けられる。
クラウドビジネスに最適化したパートナープログラム「OPN Cloud Program」
さらにOracleは2016年2月に、クラウドビジネスの一層の拡大を目的とした新たなパートナープログラム「Oracle PartnerNetwork(OPN) Cloud Program」を発表した。OracleのパートナープログラムであるOPNの一環として、Oracleのクラウドサービスを利用してビジネスを展開するパートナー企業向けの支援プログラムをあらためて体系化したものだ。参画するパートナー企業は営業体制や導入実績、認定エンジニアの数などにより、「Cloud Standard」「Cloud Select」「Cloud Premier」「Cloud Elite」の4段階のカテゴリに分類される。
| 分類 | 実績基準(売り上げ) | その他の基準 |
|---|---|---|
| ・Cloud Global Elite ・Cloud Elite |
クラウドのARRが43億9000万円(4000万ドル) クラウドのARRが21億9000万円(2000万ドル) |
・営業体制 ・導入実績と成功事例 ・導入体制と認定エンジニア ・Oracle Cloud Marketplaceへの登録 |
| Cloud Premier | クラウドのARRが6億6000万円(600万ドル) | |
| Cloud Select | クラウドのARRが2億2000万円(200万ドル)または10件のクラウド案件実績 | |
| Cloud Standard | 次のいずれか1つ ・クラウド案件 ・Cloud Specializationの取得 ・Oracle Cloud Marketplaceへの登録 |
|
ARR:Annual Recurring Revenue(年間換算収益額)。レートは1ドル=109.715円(Oracle、2017会計年度)
それぞれのカテゴリに応じて、日本オラクルはテスト/デモ/開発環境の特別値引き提供や各種クラウド関連イベントへの特別参加、マーケティングファンドの優先的適用といったさまざまな支援策を提供する。OPNには国内で2000社超のパートナー企業が登録しているが、今後はOPN Cloud Programに参画する「クラウド パートナー」の数を増やしていき、「500社を当面の目標としている」(長谷川氏)という。
また長谷川氏によれば、現時点でのOPN Cloud Programはまだ同社のクラウドパートナー戦略の一部にすぎず、今後その内容をさらに段階的に拡充していく予定だという。「クラウドビジネスモデルを構築していくための最適なロードマップは、パートナー企業ごとに違う。だから当社が提供する支援策も、全てのパートナー企業で一律というわけにはいかない。しかし今後、さまざまなパートナー企業とのクラウドビジネスの協業を通じて得た知見を生かして、多くの企業で共通する課題にマッチしたプログラムを策定・提供していきたい」
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