全社に潜む隠れた問題点をあぶり出す
はじめての「セキュリティ机上演習」、人と組織のリスクを無くすには?(1/2 ページ)
定期的に机上演習を行えば、自社に即したインシデントシナリオに沿ってセキュリティリスクを特定するのに役立つ。その手順や進め方を紹介する。
セキュリティは変化の速い業界であり、担当役員としてそれについていくのは永遠の課題だ。新たな攻撃の発生が次々と報じられる中、さまざまな管理やセキュリティ対策の優先順位を決めるのは難しい。未知のリスクを特定し、洗い出す方法を見いだすことも含めて、未知のリスクへの対応にも優先的に取り組まなければならないのだから、その難しさはなおさらだ。
侵入テストの限界を超えて
例えば、侵入テストはリスクを発見するための優れたツールだが、スコープが限られている。セキュリティリスクとなる技術的および組織的問題は、さまざまな領域で積み上がっていく恐れがある。だが、それらの多くは侵入テストの明確な対象ではない。侵入テストは基本的に、主要なWebアプリケーションや企業ネットワークインフラなどしか対象にしていない。
これに対し、机上演習はリスクを特定する低コストな方法であり、ほぼ全てのインシデントに適用できる。その中にはデータ流出の報道で被害を招いたとして頻繁に伝えられているインシデントも含まれる。
机上演習の目的は、さまざまな部門からの参加メンバーが協力し、具体的なインシデントを想定したシナリオを基にインデント対応のための思考プロセス、行動、ツールを確認、検討して議論にかけ、不備を洗い出すことにある。関連する以下のような幾つかの観点や事例も、シナリオのヒントになる。
- セキュリティチームのメンバーや企業の経営幹部が夜間や早朝でもインシデントの発生を早急に把握し、連絡を取り合うためにはどうすればよいか
- 自業種や構造的に似ている企業で発生しているデータ流出インシデントで利用された攻撃の事例
インシデントを選択したら、机上演習は以下の3つのステップで行う。
- インシデントシナリオを作成し、「検知」「封じ込め」「根絶」「復旧」というインシデント対応の4つのフェーズそれぞれで行われる一連の手順を文書化する。これらの手順全体を複数回の演習に分けて取り上げていく。
- 演習のスケジュールを組む(1回1~2時間以上)。演習には各部門から、インシデント対応に当たることになる1~2人が参加するようにする。配布資料としてインシデント対応ポリシーや、シナリオ自体、その他の関連する補助資料を用意するのもよい。
- 演習中の書き込みの記録を残すとともに、議論の要約に加えて、より重要な、洗い出された不備を全て記載したレポートを作成する。
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