歴代のVAIOシリーズの価値を持ち合わせているのか
徹底レビュー:「VAIO S」はビジネス最強PC? 過酷な環境に耐えるスペックを検証(2/4 ページ)
端子と入力
各種端子が必要の場合、クライアントPCを購入するのが良いだろう。現在の薄型軽量のタブレットは「USB Type-C」を搭載したら、それ以上の端子は配置できない。また、やたらと称賛されているMicrosoftの「Surface Pro」でさえ、Mini DisplayPort、USB 3.0、microSDカードリーダーを配置するので精いっぱいだ。
端子に関してはVAIO Sは、下記を採用しており他の製品を凌ぐ。
- 充電用の1個を含むフルサイズUSB 3.0が3個
- フルサイズHDMI
- VGAポート
- イーサネット
- フルサイズSDカードスロット
- 3.5ミリオーディオ入/出力ジャック
電源には10.5V ACアダプターが採用されている。この充電アダプターは追加のフルサイズUSB入力端子が配置されており、スマートフォンやタブレットの充電に使用できる。
クライアントPCの基準からすると、これだけの端子が用意されているのは素晴らしいことだ。USB Type-Cが搭載されていないことには苦言を呈したいところだが、その不満もある程度解消されている。とはいえ、今なら全てのハイエンドデバイスとミッドレンジデバイスにUSB Type-Cが装備されて然るべきであろう。アダプターに組み込まれているUSB給電端子は、ちょっとした追加機能だが、大いに役立つ。実際にVAIO Sを使用してみれば、他のメーカーが取り入れていないことを不思議に思うこと請け合いだ。
ディスプレイとスピーカー
VAIO Sには、13.3型のディスプレイが搭載されている。その解像度は1920×1080のフルHDで、アスペクト比は16:9。ピクセル密度は166ppiだ。タッチパネルではないが、だからこその見返りもある。
VAIO Sのディスプレイはやや柔軟性がある上につや消しが施されている。その結果、照明のグレアが見事に解消されているだけではなく、ある程度の保護にも一役買っている。それを実証するために、VAIOの担当者は、VAIO Sのキーボードの上にペンを置き、ディスプレイカバーを思い切り閉じるようにテストしている。この操作を実際に何度かしてみたが、VAIO Sのディスプレイには一切の変化が見られなかった。すり傷も打ち傷もへこみも確認できなかった。
タッチパネルであれば柔軟性が損なわれていただろう。またCorningの「Gorilla Glass」のようなパネルを採用することでもディスプレイは保護できる。だが、VAIOが採用したアプローチによってVAIO Sのディスプレイは安全ガラスのようなものになっている。
タッチパネル搭載の有無については、一長一短だ。VAIOは、つや消し仕上げが全体的な画面の表示に影響している。色は鮮やかで黒には深みがある。だが、白の色調ははっきりとした輝きによる悪影響を被ることになる。光沢のあるタッチパネルなら、このようなことは起こらない可能性が高い。タッチパネルはグレアが一番の懸念事項になるだろう。
このような理由からタッチパネルが搭載されていない点は見過ごせる。だが、1920×1080という解像度は受け入れ難い。13.3インチの画面にフルHDディスプレイでは、ピクセル密度が足りないの一言に尽きる。また、この品質の製品のディスプレイとしても物足りない。通常使用時でも個々のピクセルを肉眼で見分けることができる。それによってVAIO Sの全体的な使い心地が損なわれている。
これは残念な点でもある。VAIO Sは高性能で、基本モデルでも8GBのRAMと第6世代のCore i5を搭載している。いざというときには、まずまずの画像処理マシンとして役立つ可能性がある。だがこのような弱みがディスプレイにあっては、画像処理のプロは外付けモニターが必要になるだろう。VAIO Sのターゲットユーザーであるビジネスユーザーでさえ、解像度の低さにはストレスがたまることが予想される。大きくて扱いづらいスプレッドシートを利用する場合は特に解像度の低さが気になるだろう。
スピーカーは本体のヒンジ部分、つまりキーボードの上部にディスプレイのベゼル下部と向き合う形で一直線に配置されている。この構造により、スピーカーの音がディスプレイのベゼルに反射してユーザーに返される。個人用途としては優秀で音の大きさも申し分ない。音質はクリアだが物足りなさがある。また低音の存在感はなく、高音は若干甲高い印象を受ける。
キーボードとタッチパッド
バックライト付きのアイソレーションキーボードには、82個のキーが配置されている。各QWERTYキーのサイズは、約1.8センチ×1.8センチだ。キーの間隔にはゆとりがあり、打鍵感も良好だ。キーストロークは1.2ミリだが、もう少しあれば良かっただろう。Microsoftの「Surfaceタイプカバー」のキーストロークは1.3ミリだが、これはTechTargetが推奨する最低水準である。だがそれでも、VAIO Sでは非常に快適に文字を入力できる。これは前述した傾斜設計のおかげだろう。
これまでにTechTargetでレビューしてきた中でも、VAIO Sのキーボードが指折りの静音設計になっていることは注目に値する。音の問題を気にするビジネスユーザーにとっては有難いはずだ。VAIOの担当者によれば、VAIOのエンジニアはキーボードで鳴りがちな高い音が出なくなるようにキーボードを設計したという。TechTargetが使用した限りでは、キーボードの静音設計は問題なく機能していた。
VAIO Sのタッチパッドは、約8.25×4.44センチだ。スペースキーのすぐ下にFGHJキーと平行する形で配置されている。VAIO Sの中心ではなく、やや左寄りだが、この位置は適切だ。標準的なタイピングポジションから親指で簡単にタッチパッドを使用できるようになっている。またタッチパッド下部には物理ボタンが2つ配置されている。一体構造のタッチパッドよりも、このような形式を好むユーザーは多い。TechTarget編集部も例外ではない。指でタップするよりも、ボタンを押す方が良いのである。
全体的には応答性に優れ、2本指によるショートカットも適切に機能する。だがタッチ領域は非常に狭い。そのため、VAIO Sユーザーは手元にマウスを置いておきたくなるだろう。
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