その価値は最高級か、それとも不当か
徹底レビュー:息をのむハイスペック「VAIO Zフリップモデル」は2-in-1の決定版か?(1/5 ページ)
ハイエンドなスペックを持つ、VAIOの2-in-1デバイス「VAIO Zフリップモデル」。非常に高額だが、その価値はあるのだろうか。
VAIOの「VAIO Zフリップモデル」は高価格で優秀なデバイスだ。とびきり最高級のものを求め、それを手に入れるために高額な費用を支払うことを厭わないユーザーを対象としている。場合によっては、不当に高い代金を支払うことになり得る。
VAIOは、2014年にソニーが投資ファンドに売却したときから、あまり変化していない。今でもVAIOはハイエンドなスペックの高級なデバイスで、それに見合った品質の構造も備えている。ノートPC市場が商品の低価格化を推進している一方、VAIOは超然とした態度を崩す気配がない。同社最新製品のVAIO Zフリップモデルは、非凡なデザインと強力な機能を備えた2-in-1デバイスの決定版として十分な出来栄えだ。
廉価な代替品があふれる市場で、Microsoftの「Windows 10」を搭載した高額なVAIO Zフリップモデルには、その高値に見合う価値はあるのだろうか。本稿では、それを検証する。
構造とデザイン
まず名前について少し説明しておきたい。VAIOは3種類のVAIO Zを展開している。
まず、標準的な薄型軽量ノートPCの「VAIO Zクラムシェルモデル」。同梱されたBluetoothキーボードとペアリングするWindows 10搭載タブレットの「VAIO Z Canvas」。そして、3つ目は本稿でレビューするVAIO Zフリップモデルだ。フリップモデルは、「VAIO Z(フリップ)」「VAIO Z(2-in-1)」「VAIO Z 2-in-1モデル」と呼ばれることもある。それから、VAIO Zをより頑丈にした「VAIO S」というモデルもある。
ほとんどのWindows搭載の2-in-1デバイスは、Lenovoの「Yoga」シリーズで普及した360度回転のディスプレイヒンジが備わっているか、キーボードが取り外し可能になっている。一方、VAIO Zフリップモデルはディスプレイの中央部分に180度回転するヒンジが取り付けられており、画面を裏返してキーボードに重ねて閉じられるようになっている。
これは珍しいデザインではなく、Appleの「iPad」がリリースされる前にWindows搭載タブレットの多くが採用していたものだ。ただし、このデザインを採用するには、デバイスの構造がしっかりしていなければならない。これは、このデザインを多くのメーカーが避けている理由でもある。付け外しを可能にするには、パーツ同士がしっかりと組み合わさっていなければならない。だが、VAIOはその点をクリアしている。VAIO Zフリップモデルが時間と手間をかけて設計および製作されたものであるのは間違いない。
部品についても同じことがいえる。テクスチャが施されたアルミニウム製の画面カバーの手触りは良いが、汚れは目立ちやすい。また、黒のカーボン製の縁と底面は、かなり頑丈だ。
ディスプレイヒンジの中央には取り外し用のスイッチがあり、ディスプレイを磁石で固定するタブレットモードに切り替えられる。また、両手を使う必要はあるものの、切り替えはスムーズだ。ノートPCモードにもスムーズに戻すことができる。
タブレットモードでは、画面横の縁の一部がはみ出るようになっているので、しっかりと手で持てる。良く考えられたデザインだ。さらに、ノートPCモードでもディスプレイを裏返せる点がうれしい。
VAIO ZフリップモデルにはN-trigのスタイラスペンが同梱されているが、ペンを取り付ける場所はない。また、ペンをつなぐヒモも同梱されていない。これは設計上唯一の欠陥でストレスを感じるポイントだ。
Microsoftの「Surface Pro」など、極限まで薄型化と軽量化を追求して設計された製品でも、キーボード部分の通し穴(Surface Pro 3)やマグネット式の取り付け部(Surface Pro 4)など、ペンを格納する場所は用意されている。VAIO Zフリップモデルは、あまり小さくない。寸法は215.3×324.2×15.0~16.8ミリ(高さ×幅×厚さ、※)で、重量は1.35キロだ。さらに、ディスプレイの上側面には磁石が埋め込まれている。そのため、ペンの置き場所をなくすのは全く不必要な対応であるように思える。
※左右で厚さが違う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
8
AIの導入効果はどう測る? DMM.comのエンジニア組織に学ぶ効果検証のノウハウ
-
9
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
10
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー