性能も価格もプレミアム
徹底レビュー:最強クラスのWindowsタブレット「VAIO Z Canvas」は使う人をかなり選ぶ(1/3 ページ)
「VAIO」ブランドのPCが新会社VAIOの下で復活を遂げ、ハイエンドで高価なコンバーチブルタブレットが登場。お金を掛けても強力なWindowsベースシステムが欲しいというクリエイターを明確なターゲットとした製品だ。
2014年2月にソニーはPC事業からの撤退を発表したが、同社が展開していたPCブランド「VAIO」は消滅しなかった。ただし、VAIOは変身を遂げており、それを象徴するのが「Windows 10 Pro」搭載のハイエンドタブレット「VAIO Z Canvas」の登場だ。以前のVAIO PCをよく知っている人なら、VAIOのこの新しいフラッグシップ製品(※)の優れたパフォーマンスと柔軟性に驚くだろう。
※VAIO Z Canvasは米国では2015年10月に発売された。日本での発売は2015年5月。
仕上がりとデザイン
VAIO Z Canvasは、シンプルながら洗練された、印象的な外観の端末だ。見た目の美しさと実用性を兼ね備えている。アルミニウム合金の切削ボディはしっかりした剛性感があり、強くつかんでもびくともしない。アルミニウム合金ボディと、耐衝撃性を備えた6面強化ガラスとで内部機構をサンドイッチする構造なので、打撃を受けても問題なさそうだ。とはいえ、VAIO Z Canvasは高価なので、やはり扱いには気を付けることをお勧めする。
LCDディスプレイはグレア(光沢)仕様で、防汚・指紋防止コーティングが施されている。本体の厚さは13.6ミリとかなりの厚みがある。重さも本体とキーボードの合計で1550グラムもある。VAIOはこの点について、「金属板のようなソリッドな剛性と質感を実現し、重さも手ごろ」としている。だが、VAIO Z Canvasがこのようにややかさばる代物であることは、この端末の豊富な機能や高度なパフォーマンスを体験すれば、問題ではなくなるだろう。
ディスプレイとスピーカー
12.3インチ型ディスプレイは素晴らしいデザインで、解像度WQXGA+(2560×1704)、アスペクト比3:2の表現力豊かで鮮やかなLCDタッチスクリーンは、VAIOによると、Adobe RGBカバー率95%の広色域を確保しているという。また、ユーザーは色温度を「D65(6500K)」または「D50(5000K)」に設定することもできる。画面は非常に明るいが、明るい光源にさらされると、光が映り込んでしまう。これは、屋外では屋内よりも使い勝手が悪いかもしれないということだ。画面の視野角はまずまず広いが、画面を傾けると鮮明さがわずかに落ちる。やはり正対して見たときの表示が最も美しい。
タッチディスプレイは4辺とも光沢のあるベゼルに囲まれている。このため、たまたまアプリケーションを何も起動していない場合も扱いやすい。これはVAIO Z Canvasをタブレットとして使うときに役立つ重要な配慮だ。上部ベゼルの中央には約100万画素の前面カメラのレンズ、下部ベゼルの中央にはWindowsタッチボタンが配置されている。
ボディの左側面には多くのポート(詳細は後述)とヘッドフォン端子、電源端子が並ぶ。右側面には電源ボタン、音量調節ボタン、スタイラスペン用のやや武骨なマウントスロットが配されている。
ディスプレイの上面は排気口がほぼ全体を占めており、左右の両端にボタンが1つずつ配置されている。各ボタンは別の機能を果たす。右端のRボタンは、タッチパネルの無効化/有効化を切り替える。左端のLボタンは、主要なショートカットキー(「Ctrl-C」「Ctrl-X」「スクロール」「Enter」など)を画面に表示する。この機能により、ユーザーはキーボードを実際に使わなくても、キーボードコマンドを実行できる。
ディスプレイの下面に配置されている2つのステレオスピーカーからは十分な音が出る。VAIO Z Canvasはビジュアル性能が重要な端末だけに、平均的なノートPCと比べて、スピーカーの性能が並より少し下(特に音量に関して)なのは意外ではない。音量を除けば、スピーカーの性能は、意図された目的に十分かなうものであり、音の薄さやひずみが気になることはない。配置のせいで音がこもることもない。これは、下面に配置されたスピーカーで起こりがちな問題だ。
本体の背面には折り畳み式のキックスタンドがある。スタンドを下側に引き出すと、ディスプレイを平らな面に立てて使える。だが、スタンドは頑丈なので、平らでないさまざまな表面の上に置いた固いものの上にディスプレイを立てておくこともできる。スタンドはさまざまな角度に調節でき、角度を決めたら、ディスプレイに筆圧をかけても、ヒンジが支えることで角度が保たれる。背面にはメインカメラも配置されている。メインカメラは静止画を約800万画素で、1080pの動画を毎秒24フレームで撮影できる。
ポートと接続
VAIOによると、VAIO Z Canvasの設計では、さまざまなワークシナリオやモバイルシナリオでの利用を想定し、多様な入出力ポートを搭載するよう腐心したという。ディスプレイの左側面にその成果が現れている。
ここには、前述のヘッドフォン端子と電源端子に加えてUSB 3.0ポート2基(1基はUSB充電に対応)、SDメモリーカードスロット、イーサネットLAN(RJ45)ポート、Mini DisplayPort出力ポート(4K対応)、HDMI出力ポート(4K対応)が配置されている。残念ながら、USB Type-Cポートはない。このポートがあれば、より現代的な仕上がりになっていただろう。だが、イーサネットポートと2基の4K対応ポートは、それを補うのに大いに役立つ。
キーボードとタッチパッド
コンバーチブルタブレットでは着脱式キーボードにより、従来のノートPCとしての使い方と、フラットで便利なタブレットとしての使い方を簡単に切り替えられる。だがVAIO Z Canvasは、本体とキーボードを接続するヒンジ部がないという点で、他のコンバーチブルタブレットと一線を画している。
代わりに、VAIO Z Canvasではキーボードは本体と完全に切り離されており、両者は無線で接続される。使わないときはキーボードを本体に重ね合わせると、マグネットで吸着される。これは見た目には(また、画面が保護されているという点でも)、従来のノートPCを閉じた状態と同様だ。この構成の唯一の難点は、従来のノートPCのように膝上で使うことがほとんど不可能なことだ。
フルサイズキーボードは薄く(4.4ミリ)、軽い(約340グラム)。だが、作りはしっかりしており、打鍵感は標準的なノートPCのキーボードと同様だ。キーストローク(画面に文字を表示させるためにキーを押し下げる必要がある物理的な距離)は1.35ミリで、標準的な1.5ミリよりもわずかに浅い。だが、キーの押し方をかなり調整しなければならないほど浅いわけではない。キーボードと本体の無線接続はRF方式を採用している。これは、この接続にBluetoothを利用する他の競合デバイスとは大きく異なる点だ。キーボードはバッテリーを内蔵しており、キーボードを本体に重ね合わせたときに、ほとんど目立たない端子同士が接触して充電が行われる。
キーボードはフルサイズのタッチパッドを搭載している。タッチパッドは十分広く、その機能は信頼できる。残念ながら、キーボードは数値キーパッドを搭載しておらず、バックライト付きでもない。キーボードは、電源スイッチをスライドさせる位置によってオン/オフを切り替えることができ、タッチパッドをオフにするためのスライド位置も用意されている。
多くのタブレットメーカーはキーボードを別売しているが、VAIOはVAIO Z Canvasにキーボードを同梱している。
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