動き始めた「ラーニングアナリティクス」【第1回】
AIブームが後押し? 「ラーニングアナリティクス」が教育界の“熱い話題”になった理由(3/3 ページ)
実践進むラーニングアナリティクス 関連製品/サービスも充実へ
実際にラーニングアナリティクスに取り組む教育機関も現れ始めています。2016年2月、日本の大学としては初(九州大学調べ)のラーニングアナリティクス専用センター組織「九州大学 基幹教育院 ラーニングアナリティクスセンター」が開設されました。九州大学の学内データを1つにまとめ、データから学習プロセスなどを分析して教育・学習活動に役立てる試みです。ラーニングアナリティクスの研究にとどまらず、実際に教育ビッグデータを自ら収集・管理し、データ分析をして実際の教育活動にフィードバックすることを目指しています。この取り組みは、大学におけるラーニングアナリティクスの先駆的な実践例だといえます。
教育システム業界でもラーニングアナリティクスへの取り組みが進んでいます。国内外の教育システム会社の中には、既にラーニングアナリティクス関連のアプリケーションやサービスを提供しているところもあります。これら先行する教育システム会社に加え、さらに多くの企業が今後ラーニングアナリティクスの関連製品/サービスの開発に乗り出すと考えられます。
今後のラーニングアナリティクスの普及をにらみ、教育ビッグデータを複数の教育システム間でやりとりできる標準規格の制定も相次いでいます。2013年4月には米国防総省の内部組織Advanced Distributed Learning(ADL)が「Experience API」(xAPI、旧「TinCan API」)を、2015年10月には業界団体IMS Global Learning Consortiumが「Caliper Analytics」をリリースしました。2016年6月には、IMS Global Learning Consortiumとの連携を図る国内団体の日本IMS協会が設立され、国内企業の関心の高さがうかがえます。
今後ますます脚光を浴びるラーニングアナリティクスの世界。次回以降、そんなラーニングアナリティクスについて、さらに深掘りして解説します。
執筆者紹介
吉田 自由児(よしだ・じゆうじ) デジタル・ナレッジ代表取締役COO、デジタル・ナレッジ教育テクノロジ研究所所長
1973年生まれ。早稲田大学理工学部卒。大学でCAI(コンピュータ支援教育)を研究しデジタル・ナレッジ創業時から参加。エンジニアとしてeラーニングシステムのパッケージ開発や数多くの個別SI(システムインテグレーション)に従事。近年はラーニングアナリティクスへの関心が高く、同社ラーニングアナリティクス総合サービス「Analytics+」の初期バージョンを1人で開発した。
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動き始めた「ラーニングアナリティクス」
教育や学習活動から生まれる教育ビッグデータを生かす「ラーニングアナリティクス」。その実態を明らかにする。
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