動き始めた「ラーニングアナリティクス」【第1回】
AIブームが後押し? 「ラーニングアナリティクス」が教育界の“熱い話題”になった理由(1/3 ページ)
教育関係者の関心が高まりつつある「ラーニングアナリティクス」。そもそもラーニングアナリティクスとは何か。注目の背景には何があるのか。詳しく解説する。
学習者の学習履歴や行動履歴といった大量のデータである「教育ビッグデータ」を分析し、学習や指導に役立つ情報を得る。そんな「ラーニングアナリティクス」に関する話題がここ最近、教育関係者の間で挙がるようになりました。最近では「eラーニングアワードフォーラム」「教育ITソリューションEXPO」といった主要な教育IT系イベントでの出展内容や講演内容のあちこちに、「教育ビッグデータ」「ラーニングアナリティクス」といった用語が踊っています。2015年5月5日付の朝日新聞朝刊が教育ビッグデータの特集記事を組むなど、教育関係者だけでなく世間一般にも関心が広がりつつあるようです。
国が主導するIT政策を見ると、総務省が2014年度から3年計画で進めている教育分野のIT政策「先導的教育システム実証事業」において、ビッグデータ分析、つまりラーニングアナリティクスが重要な位置を占めています。例えば教育システムに記録された膨大な学習データを分析し、学習者一人一人に合った最適な学習教材を提供することで、きめ細かな指導の実現を目指しています。さらには学習履歴を分析・解析する領域からの新規ビジネス創出も見込んでおり、国としてもラーニングアナリティクスにかける並々ならぬ期待や、ラーニングアナリティクスへの取り組みを推進する姿勢が見て取れます。
教育ビッグデータを分析し、学ぶ人と教える人双方にとっての利便性を高め、学習効果を最大限発揮できる学びのメソッドを模索するラーニングアナリティクス。既に概念や研究テーマという枠を飛び越え、実際の教育現場での採用も進みつつあります。この連載では、そんなラーニングアナリティクスの概要や仕組み、今後の展開について解説します。
併せて読みたいお勧め記事
「ラーニングアナリティクス」とは何か
教育ビッグデータの活用例「アダプティブラーニング」とは
「プログラミング教育」にも脚光
ラーニングアナリティクスとは何か
ラーニングアナリティクスは、学習者の膨大な学習履歴や行動履歴である「教育ビッグデータ」を収集、分析、可視化して教育評価をしたり、成績と学習行動との相関関係を明らかにして教育上の特性や問題点を導き出し、改善を促したりする手法です。さらに分析結果を基に学習者の理解度に合った問題を出題するなど、学習者や教員、教育機関にとって有益な機能も実現可能にします。
教育ビッグデータは、学習者がeラーニングシステムや学習アプリ、Webサービスを利用して学習した、いわゆる「学習履歴」に加え、
- 人事データベースをはじめとする基幹系システムのデータ
- スマートフォンのGPSや各種センサーデバイスで取得した学習者の活動ログ
- 脈拍や筋活動電位などの生体情報
なども収集対象とします。ラーニングアナリティクスシステムでは、こうした教育ビッグデータを「ラーニングレコードストア」(LRS)というデータベースに収集・蓄積します(図2)。LRSに蓄積された教育ビッグデータを分析・可視化することで、学習者や教職員それぞれの観点から、学習活動に有意な価値がもたらされることが期待できます。
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動き始めた「ラーニングアナリティクス」
教育や学習活動から生まれる教育ビッグデータを生かす「ラーニングアナリティクス」。その実態を明らかにする。
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