教育ITキーワード解説
“究極の個別指導”を実現する「アダプティブラーニング」とは?(1/2 ページ)
学習者ごとに学習の内容やタイミング、方法などを最適化する学習方法である「アダプティブラーニング」。その現状や実現のためのIT要素を整理する。
個人に最適化した学習を実現する「アダプティブラーニング」が脚光を浴びつつある。2015年7月8日にはソフトバンクグループとベネッセホールディングスの合弁会社であるClassi(クラッシー)が、続く9日には増進会出版社が、アダプティブラーニングの代表的ベンダーである米Knewtonとの提携を相次ぎ発表。すららネットの「すらら」やリクルートマーケティングパートナーズの「勉強サプリ」など、アダプティブラーニングの要素を取り入れた国産のデジタル教材も登場し始めた。
そもそもアダプティブラーニングとは何か。なぜアダプティブラーニングへの関心が高まっているのか。実現に役立つ技術要素とは。国内でアダプティブラーニングの実践にいち早く取り組んできた、電通国際情報サービス 2020テクノロジー&ビジネス開発室 オープンイノベーションラボ シニアコンサルタントの関島章江氏の話を基に解説する。
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アダプティブラーニングとは:学習内容や方法を生徒一人一人にカスタマイズ
学習者一人一人に最適化した学習や、それを実現する仕組みのことをアダプティブラーニングと呼ぶ。関島氏によると、最適化のアプローチは大きく2つある。学習者の習熟度に合わせて問題の内容や難易度を変える「レベルアダプティブ」と、学習者の好みや学習効果に合わせて学習方法やタイミングを変える「スタイルアダプティブ」の2つだ。特に現時点で実用化が進んでいるのはレベルアダプティブであり、各学習者が今までに解いた問題やその解答といった学習履歴(学習ログ)を基に、苦手な単元を可視化したり、適切な問題を提示したりする。
レベルアダプティブの1つの要素として、ある単元が苦手だと判断した場合、その単元の理解に必要な学習内容を提示し、復習を促すことが挙げられる。特に算数・数学といった教科は、過去に学んだ内容の理解を前提として学習が進む。例えば中学生の場合、中学校1年生や2年生で学んだ内容の理解が不十分だったために、中学校3年生で学ぶ単元が分からなくなる生徒も少なくない。こうした生徒に対して、自分の学年とは異なる学年であっても、学習中の単元に関連する内容を復習してもらうことで、弱点の克服につなげることができる。
「アダプティブラーニングの考え方自体は目新しいものではない」と関島氏は語る。各学習者に合わせた学習の実現といった点では、個別指導塾が既に存在するし、習熟度別授業といった形で実現している教育機関も珍しくないからだ。こうした中、アダプティブラーニングへの関心が高まっている背景には、ITの進化や普及が大きく関係していると同氏は説明する。インターネットやタブレットなどのモバイル端末が教育現場に普及し始めたことで、配布する教材の種類を動的に変更したり、学習ログを取得したりするのが容易になったことがその背景にある。
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