千葉県発、公立工業高校のIT活用【前編】
千葉工業高校がWindowsタブレットではなく「9.7インチiPad Pro」を選んだ理由(2/3 ページ)
「9.7インチiPad Pro」に決めた理由
こうした中、千葉工業高校は理数工学科の生徒用デバイスとして9.7インチiPad Proの32GBモデルの採用を決定した。実は理数工学科の設立準備中だった2015年に選定を済ませていたが、当初選定したのはiPad Air 2の64GBモデルだった。だが理数工学科が本格始動する直前の2016年3月に、Appleが事実上の後継機種となる9.7インチiPad Proを発表。同月に急きょ9.7インチiPad Proの32GBモデルへと採用機種を変更したという。
iPad Air 2の64GBモデルから9.7インチiPad Proの32GBモデルへの変更について片岡教諭は、「9.7インチiPad Proの性能の良さに加えて、32GBモデルの価格設定がiPad Air 2の64Gモデルと大差ないと判断した」と語る。iPad Proシリーズの機能である、マルチタスクが可能な「Split View」も授業で有効活用できると考えた。
「選定時にはiPadシリーズだけでなく、WindowsタブレットやAndroidタブレットも試した」と片岡教諭は話す。教育機関での大規模採用が相次ぐWindowsタブレットに関しては、公式アプリケーションストアを経由しなくてもアプリのインストールが可能で、アプリの使用制限が難しいことから選択肢から外した。
Androidについては、root化(正規の使用法や管理から逃れる目的で管理者権限を取得すること)が容易であることがセキュリティの不安材料になり、採用しなかった。「Chromebook」を含めたノートPCも検討対象に入れたものの、タブレットと比べて重量が重いことから採用を見送ったという。こうして選定対象をiPadシリーズに絞り込んだ。
画面サイズについては、他の教員や生徒にヒアリングをした結果「学校で使うなら大きな画面の方が良い」という回答が多く得られたため、7.9型(iPad miniシリーズ)ではなく9.7型を採用した。同校では実習の授業が多く、グループ活動で生徒同士が互いに画面を見せ合う機会が頻繁にあることから、比較的大きな画面が適していると判断した。
画面の大きさでいえば、12.9型ディスプレイを搭載する「12.9インチiPad Pro」も選択肢となり得たはずだ。だが破損時の修理コストが高額になると判断し、選択肢から外したという。
「Wi-Fiモデル」「セルラーモデル」の選択は自由に
無線LAN接続のみ可能な「Wi-Fiモデル」と、無線LANと3G/LTE回線による通信が可能な「Wi-Fi+Cellularモデル」(以下、セルラーモデル)のどちらにするかについては、各家庭に自由に選択してもらうことにした。40台という小規模導入であり、異なるモデルが混在しても運用に大きな問題がないと判断したことが、その背景にある。
各家庭での携帯電話回線の契約状況によって、端末価格が異なる事情も考慮した。例えば本体価格だけで比べると、同じストレージ容量ならばSIMロックフリーのセルラーモデルよりもWi-Fiモデルの方が安価になる。だが携帯電話事業者が販売する場合、家庭内での携帯電話の契約状況や契約プランによっては、安価にセルラーモデルが入手できる場合もある。
デバイスの運用については、初年度となる2016年度は導入規模が小さいこともあり、モバイルデバイス管理(MDM)製品の導入は見送った。一方で今後はAppleのデバイス設定ツール「Apple Configurator 2」を使った管理も視野に入れる。
セキュリティ面もルーターに備わるフィルタリング機能を使って対処した。生徒の私物端末を使うことも考慮し、片岡教諭は「まずはクラスでルールを作るなど正しい使い方を促し、生徒の意識を高めることからスタートしたい」と話す。
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