違いはExcelのあり、なしだけではない
「Office 365」 vs. 「Google Apps for Work」、双方の愛好者が訴える利点と弱点は?(2/2 ページ)
Google Appsは万能ではない
他のオフィススイートを併用するかどうかにかかわらず、Google Apps for Workの利用にはデメリットもあると、Gartnerのクリース氏はソーシャルメディアアプリケーションの「Google+」を例に語る。Google+は申し分なく機能するが、Googleの企業向けSLAを適用できない。このため、問題が発生しても、Googleにサポートを依頼できないとクリース氏は説明する。「そのため、ユーザーフォーラムで情報を探すことになる。1000万人の消費者がそうしているように」(クリーク氏)
「医療保険の携行性と責任に関する法律」(通称:HIPAA)のコンプライアンスという問題もある。HIPAAの適用を受ける医療機関や企業がGoogle Apps for Workを使う場合、Googleは「事業提携者」(BA:Business Associate)という扱いになり、こうした医療機関や企業とGoogleは、「事業提携者契約」(BAA:Business Associate Agreement)を結ぶことになる。この契約は、HIPAAが定めるプライバシー基準でGoogleを拘束する。厄介なことに医療機関や企業は、HIPAAのプライバシー基準によってGoogle Apps for Workの一部を使えなくなると、クリース氏は指摘する。
「HIPAAを順守するために必要となるこの契約は、顧客のGoogle Apps for Works利用を制限してしまう。HIPAAに従わなければならない場合、料金を払ってもフルに利用することは望めない」(クリース氏)
パロアルト市のCIOを務めるジョナサン・ライケンタル氏は、2年前にGoogle Apps for Workを調査した。そのときにチェックした項目の1つが、「このアプリケーションが、FBI(連邦捜査局)の犯罪司法情報サービス(CJIS)の要件にどれだけ適合しているか」だ。CJISは連邦、州、地方の行政機関に、刑事司法および法執行に関連する情報やリソースへのアクセスを提供している。
「CJISに対するMicrosoftとGoogleのコンプライアンス状況を比べたところ、MicrosoftがCJISの要件に完全に適合していたのに対し、Googleはもう一息だった」とライケンタル氏は語っている。一方、Googleの広報担当者はApps for Workも現在では、CJISの要件に適合していると説明している。ただ、政府機関の顧客向けGoogle Webサイトにおいてそれを伝える記述は確認できない。
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組織利用とコンプライアンスの問題
利用拡大は頭打ち?
Google Apps for Workの今後について、クリース氏は、新規のユーザーが殺到することはないだろうと見ている。そのため、Google Apps for Workはしばらくの間、Microsoftに遠く及ばず2位にとどまる見通しだという。PricewaterhouseCoopersやMotorola Solutionsのように、Googleに乗り換える大企業がこれからも出てくるだろうが、乗り換えない企業がはるかに多そうだ。それは、多くの企業でMicrosoftのオフィススイートへの支持が高いと考えられるからだ。また、Microsoftは新しい強力なセキュリティ機能をリリースしており、それも大企業が選択する大きな理由となる可能性もある。
例えば、Microsoftは2015年に「Customer Lockbox」の提供を開始した。これは政府からの要請により、MicrosoftがOffice 365を使っている企業のデータにアクセスする必要が生じた場合、その企業に事前に警告する機能だ。これまでのところ、Googleはこれに相当する機能を提供していない。
「Googleが開発に本腰を入れて、新しいプロダクトや機能を打ち出せば、Google Apps for Workは成長する可能性があるが、今のところ踊り場の状態にある。伸びていないが、縮小しているわけでもない」(クリース氏)
HudbayのCIOを務めるジョー・アビダウド氏は、Googleをはじめ業界全体が、企業のコンピュータシステムへの侵入を図るフィッシング攻撃の抑止に継続的に取り組むことを切望している。だが、同氏はGoogle Appsプラットフォームについては、Hudbayが使ってきたこの4年間に徐々にではあるが、改良されてきたと話している。例えば、Googleドライブでは、ユーザーは現在、外部者が共有ドキュメントに対して行う操作を制限できる。これは2012年にはできなかったことだ。
「Googleは一貫してプロダクトの改良に力を入れている企業だ。しかも、顧客のパートナーとして改良に取り組んでおり、顧客の声に耳を傾けている。これは企業にとって大きな利点だが、見過ごされがちだ」(アビダウド氏)
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