素早い社内展開が可能に
こっそり知りたい「SaaS」の基本、「Office 365」が使いやすいのはなぜ?(1/2 ページ)
SaaSの導入が広がっており、企業もアプリケーションの提供方法をSaaSにシフトしている。IT部門は、SaaSを使うことでどのようなメリット/デメリットがあるのだろうか。
インターネットの普及につれてSaaS(Software as a Service)が広がりを見せている。アプリケーションとサポートをパッケージにして販売していたアプリケーションベンダーも、オンラインサービスや従量制サブスクリプションの提供へとシフトしている。今では、Adobe Systems、Microsoft、Oracleのといった老舗大手アプリケーション企業もSaaSサブスクリプションの収益がかなりの部分を占めるようになっている。
だが、IT部門はSaaSを導入する前にその長所と短所を調べ、現状に及ぼす影響を見極めなければならない。その影響は、さまざまなハードウェアに及ぶことになる。そのハードウェアを自社で所有しているかデータセンターでホストしているかは関係ない。
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SaaSと実態とIT部門への影響
SaaSは、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)と並ぶクラウドの主要カテゴリの1つだ。SaaSは購入するアプリケーションではなく、借用するアプリケーションだ。アパートの大家と店子の関係を思い浮かべてみるとよい。大家にあたるSaaSプロバイダーが、アップグレードやインフラの運用など、必要な補修を引き受ける。また、セキュリティパッチやパフォーマンスの調整といった定期メンテナンスもする。店子にあたるSaaSユーザーが担当するのは「内装」と業務だ。これにはアプリケーションのカスタマイズやユーザーの追加、セキュリティ権限の管理などがある。店子であるSaaSユーザーが、インフラやアプリケーションプラットフォームなどの根本的な設計や構造に口を出すことはほとんどない。
IT部門は、基本的にはSaaSによって手軽さを手に入れ、管理を手放すことになる。管理アカウントと課金情報を簡単に設定するだけで、すぐに使えるアプリケーションが手に入る。これは、従来のアプリケーションの提供プロセスと異なる。これまでは、サーバやストレージ、さらにはデータセンターの設備の購入、実装から運用まで、IT部門が企業アプリケーションを導入から運用管理までしていた。アプリケーション自体の購入、実装、構成に対応していたのもIT部門だ。
SaaSの長所と短所
SaaS独自の性質と、従来のパッケージアプリケーションとの違いはほとんどないが、IT部門への影響は隅々にまで及ぶ。例えば、運用、予算、従業員の技術要件、ユーザーと業務との関係性などだ。
SaaSにより、IT部門の主な役割は業務の運用から促進へと変わる。その結果、予算の縮小や人員削減につながる可能性もある。だがIT部門はバリューチェーンの改善や、ビジネス固有のアプリケーションの作成、アプリケーションのカスタマイズ、機能拡張などに専念できる。また、新しい開発プロジェクトにリソースを振り分けることも可能だ。しかしSaaSの長所と短所を分析する際、IT部門は何を実現できるかをしっかりと検討しておく必要がある。
SaaS運用モデルによってIT部門にもたらされる主な長所には次がある。
- 日常の定型業務を外部委託し、IT部門の負担を軽減できる。コモディティサービスの提供のような定型業務は組織の価値向上にはつながらない。
- 資本経費や運用経費を削減できる。インフラの拡張性や冗長性、修復などの役割をIT部門が負担する必要がなくなる。SaaSの使用量は必要に応じて変更できる。処理サイクル数やストレージ容量、ネットワーク帯域幅など、いずれも変更可能だ。つまり、機器の購入や撤去、長期的な導入スケジュールなどに頭を悩ませることがなくなる。
- 購入を決めてから、アプリケーションを使って実際にビジネス価値を生み出すまでの時間が短くなる。SaaSでは、その時間が月単位から日単位に変わる。同様に、長期にわたるアップグレードのプロジェクトを用意しなくても新機能を導入できる。SaaSは即座にサービスを利用でき、導入コストも低く抑えられる。そのため、プロトタイプや新規アプリケーションのテストに手軽な手段といえる。
- インターネットに接続できればどこからでもSaaSにアクセスできる。ネットワークのセキュリティを新たに設計することも、専用仮想プライベートネットワークを用意する必要もない。
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