人材不足は年々深刻化
仁義なき引き抜き合戦は不要、セキュリティ人材はここにいる
適切なサイバーセキュリティスキルを持った人材を見つけるのは、どの企業にとっても難しい問題だ。このスキルを持った人材が不足している原因はどこにあるのだろうか。
サイバーセキュリティ担当者の不足という問題が解消しない理由として、サイバーセキュリティのスキルを持った優秀な人材を見つけるのが難しいことが挙げられる。サイバーセキュリティを専門とする人材を見つけるにはどうすればいいのだろうか。競合企業のスタッフを引き抜くという手段を検討すべきだろうか。
セキュリティ調査を手掛けるCyberEdge Groupは2016年2月、10カ国にわたる1000人のセキュリティ専門家を調査した結果をまとめた「2016 Cyberthreat Defense Report」を公表した。この報告書によると、スキルを持った人材の不足状況を1~5の5段階(5が最も深刻)で表すと、2014年、2015年、2016年は、それぞれ2.92、3.05、3.42と増加傾向にある。サイバーセキュリティのスキルを持った優秀な人材を見つけるのが難しいのは、以下に示すような多くの理由がある。
- コンサルティング会社が、高い報酬と魅力的な特典によってIT業界、競合企業、政府機関などから優秀な人材を引き抜いている。
- 大都市地域は小さな地方都市地域よりも優秀な人材が集まりやすい。
- 情報セキュリティ最高責任者(CISO)やスキルを持った人材は平均在職期間が短い。1つの企業に5年以上勤務していれば長い方だ。
- 雇用企業がスキルを持った人材を探す場所を間違っている可能性がある。
- 雇用企業の業種、給与、技術的複雑さ、能力開発機会、経営陣のサポート、社内組織などの問題のせいで、スキルを持った人材が敬遠している可能性がある。
- 高等教育は十分な数のサイバーセキュリティ専門家を生み出していない。
- 50人以上のサイバーセキュリティ専門家を抱える大企業では、優秀な人材の価値がいずれ低下するだろう。これらのプロフェッショナルたちは極めて専門的な仕事に従事するため、より高度な専門職や管理職に進めないからだ。
- スキルを高めるためにスタッフを増やしても、業界の水準に見合った報酬を与えていない。
サイバーセキュリティのスキルを持った人材を確保する手段は2つある。社外の人材を雇い入れるか、社内で人材を育成するかのどちらかだ。有能な人材はより良い待遇を用意している企業に転職する可能性があるので、他社に人材を引き抜かれた企業が同じスキルを確保するには、以前よりも高い給与を支払うことになる可能性が高い。スキルを持ったスタッフを競合企業から引き抜くために、給与で優遇するという手段を用いている企業は少なくない。こうした従業員はスキルを持っているだけでなく、訓練を受けており、ビジネスを理解しているからだ。スキルを持った人材の転職をあっせんするサイバーセキュリティ専門の人材紹介企業を活用するのも有効な手段だ。実用的なサイバーセキュリティカリキュラムがある大学も、有望な人材ソースとして検討する価値がある。ISSA(Information Systems Security Association)、OWASP(Open Web Application Security Project )、ISACA(Information Systems Audit and Control Association)などのセキュリティ研究組織も魅力的な人材ソースだ。こうした研究組織では通常、求人情報を組織のメンバーに転送してくれる。重要なポイントは、自社でどのようなサイバーセキュリティスキルと何人のスタッフを必要としているかを把握することだ。とはいえ、従業員の定着、生産性の向上、新規能力の開発を目指した社内の人材育成の取り組みを怠ってはならない。
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