「その功績を等しくたたえたい」
モバイルコンピューティングを変えた10台の「殿堂入り」ノートPC(2/4 ページ)
殿堂入りマシンその2:ASUS「Eee PC 701」
地元の家電量販店で販売しているLenovoの「ideapad Miix 310」やGoogleの「Chromebook」など、最新のクライアントノートPCが数百ドルで買えることは珍しくない。しかし、10年前はそうではなかった。2007年にASUSがリリースした小型の「Eee PC」は全世界で大きな話題になった。このノートPCは、7型ディスプレイとIntelの「Celeron M 353」(動作クロック900MHz)を搭載し、OSにカスタマイズしたLinuxを導入したことで、電源投入から10秒以内に起動できた。しかし、それ以上に本体価格199ドルに発展途上国を含めた全世界の関係者が注目した。
Webページや写真の閲覧、ドキュメントの編集といった、PCで可能な基本的な作業にも対応していた。Eee PCシリーズは、短命に終わったネットブック時代と同じニッチ市場をある程度満たしている今のChromebookの先駆け的な存在だった。Eee PC 701は安価なモバイルコンピューティング時代の幕を開けたが、このトレンドは今も根強く残っている。
殿堂入りマシンその3:HP「Pavilion HDX 9000」
大型クライアントノートPCの1つとして登場したHPの「Pavilion HDX 9000」は、“ドラゴン”というニックネームでも有名だ。だが、これをクライアントノートPCと呼ぶのは気が引ける。というのも、Pavilion HDX 9000は20.1型ディスプレイを搭載し、ボディーの厚さは約6センチ、重さに至っては約7キロもあったからだ。2軸式のディスプレイヒンジを中央に取り付けており、最適な角度でディスプレイの角度だけでなく高さも最適な位置に調整できる。サイズ的にはオールインワンPCに近いが、Pavilion HDX 9000はクラムシェルスタイルのフォームファクタなのでディスプレイをたたんで持ち運ぶことが可能だ。本体にはバッテリーも内蔵している。その点ではオールインワンPCより優れているといえるだろう。
Pavilion HDX 9000は、あらゆる面で巨大だった。キーボードはデスクトップPC用と同じサイズで、当時流行していたAltec Lansingのクアッドスピーカーやサブウーファーも内蔵していた。本体搭載インタフェースの種類と数も充実しており、当時のクライアントノートPCのみならず、今のモデルと比べても負けないだろう。
Pavilion HDX 9000は、ASUSの18.4型ディスプレイ搭載クライアントノートPC「ASUS W90VP」やDellの「Alienware 18」といった大画面ディスプレイ搭載モデルの先駆者の1モデルして評価できるだろう。
選外佳作:Dell「XPS M2010」
Dell(現Dell Technologies)は大型の20.1型ディスプレイを搭載した「XPS M2010」というPavilion HDX 9000と比肩するモデルを製造した。本体の重さとボディーの厚さはPavilion HDX 9000を上回り、重量は約8.3キロ、厚さは約7.3センチだった。大画面ディスプレイにスピーカー、フルサイズのキーボードなど、その特徴はPavilion HDX 9000と似通っている。
選外佳作:Sager「Sager NP5960」
SagerはNVIDIAのGPU「GeGorce 7950GX」を2枚搭載した20型ディスプレイ搭載のゲーム専用クライアントノートPC「Sager NP5960」を短期間発売していた。だが、AMDのCPU「Turion 64 X2」シリーズのプラットフォーム展開で身動きが取れなくなったことに加え、技術サイクルでもIntelのCPUに後れを取ったため、Sager NP5960の売り上げが大きく伸びることはなかった。
殿堂入りマシンその4:Dell「Adamo XPS」
Dellの「Adamo XPS」は、徹底的な薄型を目指した独特なデザインのクライアントノートPCだ。全ての基板をボディーの基部ではなくディスプレイユニット側に格納し、Adamo XPSのキーボードはディスプレイから押し下げる形になっていた。これはディスプレイをキーボードから押し上げるほとんどのクライアントノートPCとは真逆のデザインだ。さらに、最薄部分はたった9.7ミリで、重量は1.44キロだった。13.4型ディスプレイ搭載のクライアントノートPCとしては、2016年の基準でも優秀だ。
Adamo XPSのデザインは、Microsoftの「Surface Pro 4」のような取り外し可能なキーボードを採用する現在の2-in-1モデルの予兆だった。キーボードは取り外せないが、タブレットとキーボードを組み合わせた2-in-1モデルと同じ問題を抱えていた。また、底面は完全に平らではなかったため、従来のクライアントノートPCのように使うことはできなかった。
この点を除けば、Adamo XPSは本体搭載インタフェースの種類も数も充実していて、大半の作業に適切な処理能力も備えた実用的なモデルだった。Adamo XPSとバイオノート505エクストリームとの間にある5年という時間差によって、ボディーの厚さでは約1センチの違いが生まれている。
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