「その功績を等しくたたえたい」
モバイルコンピューティングを変えた10台の「殿堂入り」ノートPC(1/4 ページ)
画期的な製品の登場によって、巨大産業は変化する。2006年以降に登場したクライアントノートPCで、その後のモデルに大きく影響した「記念碑」的な特徴を備えた10台を紹介する。
「現代のモバイルコンピューティングに影響を及ぼした10台」としてこの記事で紹介するクライアントノートPCは、いずれも登場したときには画期的な製品だったことを、まずはあらためて思い返してほしい。理由は何であれ、IT関連ニュース媒体でトップを飾るのにふさわしいほどに革新的だった。その主な理由は、見た目に分かりやすい「デザイン」だけでなく、重要な技術や機能、優れた処理能力を多くの関係者やユーザーが評価していた。
あらゆる革新的な製品が今に至るクライアントノートPCをどのように形成したのかを振り返るのは非常に楽しい作業だった。本稿では、モバイルコンピューティングの歴史に名を残した2004年以降に登場したモデルを振り返った。その中には風変わりなソニーのモデルもあれば、Hewlett Packard(HP)のモンスターマシンもあった。今はないベンダーの超小型マシンも忘れてはならない。
どのノートPCも独自の方向性でモバイルコンピューティングに進化に大きく貢献している。それ故に、この種の記事でよくあるような「順位付け」のような愚かなことはせず、全てのモデルでその功績を等しくたたえることにした。
殿堂入りマシンその1:ソニー「バイオノート505エクストリーム」
ソニーの「バイオノート505エクストリーム」が世に出たのは今から10年あまり前だが、年数を把握している人はいないだろう。ソニーは2004年に永遠の象徴となるバイオノート505EXTREMEを発売した(発表は2003年11月)。北米の実売価格が3000ドルだったこのモデルは、当時市販しているクライアントノートPCの中で最薄かつ最軽量だった。10.4型ディスプレイを備え、重量はわずか780グラム、ボディーの厚さは9.7~21ミリだった。発売から10年以上たった2016年でも薄型の部類に入る。軽さと本体の耐久性は、ニッケル強化カーボンファイバーで組み上げた点が大きく寄与していた。
当時において従来モデルからこれほど大幅な薄型化と軽量化を実現するには、妥協せざるを得ない部分もあった。2004年当時、一般的な15型ディスプレイ搭載クライアントノートPCの重量は3キロ以上で、ボディーの厚さは4センチを超えていた。バイオノート505エクストリームでは、当時の技術でボディーを極限まで薄くするために、基板の配線に新しい技術を採用しただけなく、無線LANモジュールやアンテナ、当時のクライアントノートPCでは必須だったモデルなどのインタフェースを省き、有線LANと映像出力インタフェースでは専用の小型コネクターを実装している。バッテリーパックをシリンダー型にしてディスプレイヒンジ部分に組み込んだこともデザインにおける独特な要素となった。
当時TechTargetのレビュー記事では「バイオノート505エクストリームは購入する価値がない」と評価した。その理由は、軽量化および薄型化と引き換えに非現実的な妥協がなされていたからだ。無線機能を本体に内蔵していない(外付けのアダプターカードを提供していた)こともその妥協の1つと当時は考えていた。本体搭載インタフェースが足りない不満は、今でも最新の超薄型軽量クライアントノートPCで感じる不満の1つだ。
一方で、バイオノート505エクストリームによって、はるかな未来を垣間見ることができた。その外観は今でも十分通用するだろう。TechTargetのレビューでも「デザインとテクノロジーに目がなく、3000ドルの資金が手元にあるならば、このクライアントノートPCがただ欲しくなることもあるだろう」と言及している。
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