第4の選択肢になるのか?
AWS、Azure、Googleに挑戦状 Oracleの“第2世代IaaS”でクラウド戦争はどうなる?(2/2 ページ)
AWSに戦いを挑む
AWSに追い付くためには、データセンターの占有面積を増やしてサービスを拡大するのに何百億ドルも費やさなくてはならない。だが、Oracleの第2世代IaaSの展開に時間がかかっているのは同社が消極的だからではないと、同社で製品開発担当バイスプレジデントを務めるディーパック・パティル氏は話す。
「当社は、新設データセンターのプロビジョニングを完全に自動化する機能を構築している。構築できれば、新しい地域への拡大に多くの人材は必要なくなる。その機能を完全に使いこなせるようになってから積極的に世界展開するため、慎重を期しているのだ」(パティル氏)
AWSは、データベースをホストしたり、「Amazon Aurora」や「Amazon DynamoDB」などの同社のサービスにデータベースを移行したりすることで、Oracleユーザーの取り込みに力を入れている。Oracleの最高技術責任者(CTO)であるラリー・エリソン氏は「Oracle OpenWorld」で基調講演を2回したが、その内容の大半はAWSに追随する方法が占めていた。だがForrester Researchでバイスプレジデント兼主席アナリストのジョン・ライマー氏は、Oracleがインフラに重点を置くのは誤っていると指摘する。
「全体的にOracleのビジネスモデルは高いマージンをベースにしている。だがIaaSは比較的マージンの低いビジネスだ。Oracleが成功を収めるためにはクラウドのアプリケーションとハイエンドのデータベース製品に特化すべきだろう」(ライマー氏)
Oracleは急速に成長しているクラウド企業だと繰り返し自負しており、CEOのマーク・ハード氏はPaaS(Platform as a Service)とSaaS(Software as a Service)が前年比82%の伸びを記録していることを引き合いに出している。だがOracleのIaaSとなると話は別だ。最新の四半期レポートによると前年比で10%しか成長が見られず、総クラウド収益の9690億ドルのうち1億7100万ドルにしか満たない。
一方のAWSは、最近の四半期レポートによると約29億ドルを売り上げていて、これは前年比58%の伸び率になる。AWSはIaaS、PaaS、SaaSの内訳を公開していないが、インフラは依然として最大の売り上げを占めている。
Oracleも、第一世代のIaaSを使用している企業の数について詳しいことは公表していないが、パティル氏によると「多数の」ユーザーがいるとのことだ。
新しいクラウドは数百人のクラウドアーキテクトから成るチームが構築している。その多くがAWS、Azure、Google Cloud Platformの構築に携わったメンバーだ。451 Researchでリサーチ担当バイスプレジデントを務めるアンドリュー・リッチマン氏は、次のように語る。「Oracleには多数の挽回策が必要であることは間違いない。だが企業のクラウドへの移行は今までのところ『氷山の一角』であろう。これまでの経験から学んだことを生かして新しいクラウドプラットフォームを構築すれば、挽回策に役立つはずだ」(リッチマン氏)
また、「市場で第一人者になるのは素晴らしいことである。だが自らのアーキテクチャにとらわれ、もっと他の方法があったと思うようになるまで、そう時間はかからない」とリッチマン氏は述べる。
Oracleの第2世代IaaSは「リージョン」を配備する。リージョンは、少なくとも3つの離れた場所にある独立したデータセンターに構成される。1つのリージョンの遅延は、ミリ秒単位でコア数は最大100万個。現在対応しているのはフェニックスのリージョンのみだが、2017年1月までにはバージニアに拡大する予定だ。また、2017年中ごろまでにはドイツと英国、2017年末までにはアジアへの拡大を予定している。
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