第4の選択肢になるのか?
AWS、Azure、Googleに挑戦状 Oracleの“第2世代IaaS”でクラウド戦争はどうなる?(1/2 ページ)
Oracleは、企業のスケールアウトに適したクラウドプラットフォームを構築しようとしている。このプラットフォームは、果たしてAWS、Azure、Googleと張り合えるくらいの魅力を備えているのだろうか。
Oracleは、Amazon Web Services(AWS)との直接対決に本腰を入れるために、クラウドインフラを再構築している。だが高いレベルのサービスを提供するAWSやMicrosoft、Googleのようなクラウドプラットフォームベンダーから、法人顧客を奪うのは容易ではない。
Oracleは、「第2世代IaaS」(Infrastructure as a Service)によってパブリッククラウドプラットフォームの分野に再び足を踏み入れている。この目的は、まず可用性が高く、より従来型のエンタープライズワークロードをクラウドに取り込むことだ。そしてもう1つは、AWSや、Microsoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」が提供するコアインフラコンポーネントを企業から引き離すことだ。
2016年9月19~22日までOracleが開催していた「Oracle OpenWorld 2016」で発表されたこの第2世代IaaSは、ハイパーバイザーではなくネットワークレベルで仮想化が実行される。そのため理論上、ユーザーはインフラでどのような種類のワークロードも実行できる。完全にプライベートな環境で実行しているワークロードも全てだ。
プラットフォームの機能は、2016年10月以降に仮想マシンや「エンジニアドシステム」(ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた製品群)、コンテナで使用できるようになる予定だが、現在はベアメタルに限られている。ベアメタルは、ゲーム会社など、特にコンピューティングリソースを多用するワークロードを保有している企業で一般的に使われるテクノロジーだ。ベアメタルを提供する企業はOracleが初めてではなく、既にIBMの「IBM SoftLayer」が市場で最も名の知れたプラットフォームとなっている。
OracleのIaaS製品は、パフォーマンスとセキュリティの面で優れているだけでなく、総所有コストが格段に少ないと同社の幹部は話す。
OracleのIaaSが持つ特色:コンテナとベアメタル
運用データ用の人工知能を提供する新興企業Falkonryは、既存の製品に満足できなかったため、同社のコンテナ化されたワークロードを実行する場所を探していた。「成熟度の高いクラウドの多くは、コンテナがサポートするテクノロジーをそこまで考慮して設計されていなかった」と同社の創設者兼CEOのニクンジ・メータ氏は述べている。
同社は、Oracleの第2世代IaaSのβサービスを使用する前、AWSとGoogle Cloud Platformを使用していた。Oracleの第2世代IaaSは、パブリッククラウド市場の中で他よりも優れており、Falkonryのワークロードを移植することが可能だったと同氏は語る。「多数のコンピューティングを実行する必要がある場合はベアメタルが求められる。またマルチテナントのせいでパフォーマンスにむらが出るのは非常に好ましくない」(メータ氏)
コンピューティングリソースを仮想化環境で十分に満たせると考えている企業がほとんどだ。だが業界関係者によると、ベアメタルを使えばデータベースアプリケーションといった従来型のスケールアウトワークロードへの橋渡しが簡単になるという。
パブリッククラウドへの移行を簡略化するための追加機能の1つは、2016年にOracleが買収したRavello Systemsのテクノロジーをベースとする「Oracle Ravello Cloud Service」という新しいサービスだ。このサービスは、VMwareのワークロードをOracleのIaaSなどのパブリッククラウドプラットフォームに取り込むために、二重の仮想化を提供している。Constellation Researchでバイスプレジデントと主席アナリストを兼務するホルガー・ミューラー氏は、次のように語る。
「これらの追加機能に加え、Oracleのパブリッククラウドの複製を顧客のファイアウォールの内側で実行する『Oracle Cloud at Customer』サービスを提供することや、Oracleが2016年にクラウドセキュリティベンダーPalerraを買収したことを踏まえると、Oracleの目的が『クラウドを顧客が導入しやすくすること』であるのは明らかだ。競争に参加してAmazonに追い付きたいのなら、この先何年もAmazonより素早く動かなければならない。そのためには、その他のオンプレミスワークロードのクラウド移行を容易にして、それらを移行する企業をサポートするしか方法はない」(ミューラー氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー