連載「最新のOpen Compute Projectで何が変わった」第1回
Facebookが定めたサーバ規格「Open Compute Project」はなぜ登場したのか(2/2 ページ)
Facebookの標準化はネットワークにも拡大する
直接的なメリットとしては、スケールメリットの改善がある。Facebookは巨大な企業で、膨大な数のサーバを購入するから、単体でもある程度のスケールメリットはある。だが同じシステムを他の企業も採用すれば、スケールメリットはより大きくなる。仕様を公開すれば、複数のサーバベンダーがこれに準拠したシステムを提供することが期待できる(事実そうなった)から、選択肢が増えるというメリットもある。これは単にサーバのみではなく、データセンター関連設備全般にもいえる。もっと広範な話をすれば、OCP規格が広がれば多くのデータセンターが電力消費量を減らし、業界全体として二酸化炭素の削減や発電能力の緩和などに貢献できる可能性もある。そうでなくても今後ますますデータ量やデータ処理量が増えることを考えると、こうした取り組みは業界全体で行うことが望ましいのは言うまでもない。
Facebookは2011年に、OCPを推進する団体「Open Compute Project Foundation」を設立した。この団体に多くの企業が参加している。このあたりの動向は「Facebook主導の『Open Compute Project』、データセンター大手が続々支持」と「Microsoftの本心が見え隠れする、Facebook主導プロジェクトへの参加」が参考になる。なお、OCPは、サーバのみならずネットワーク機器の標準化にも積極的に取り組んでいる。その内容は「Facebookと仲間たちが公開する次世代コンピューティングの“設計図”」と「Facebookがネットワークインフラも支配? 前進するスイッチの共同開発」「ベールを脱いだ『Facebookスイッチ』は業界の何を変えるのか」で紹介している。
以上のようなOCPの立ち位置やいきさつなどを理解すると、OCPが定めているそれぞれの規格の意味が分かりやすくなる。OCPは現在「Storage(ストレージ)」「Networking(ネットワーク)」「Server Design(サーバ設計)」「Open Rack(ラック)」「Certification(認定)」「Hardware Management(ハードウェア管理)」「Data Center(データセンター)」という7つのプロジェクトが存在しており、それぞれの分野での標準規格の策定に取り組んでいる。この中で比較的早期から標準規格をリリースしているのがServerDesignとOpen Rackだ。最初のServer Design規格である「Server Chassis and Triplet Hardware v1.0」は2011年4月に公開している。
このシャシーを利用するマザーボードの規格は2012年にVersion 2.0が、2014~2016年にはVersion 3.0が登場している。他にもSoC(システムオンチップ)サーバ用の規格とかクラウドサーバの規格、あるいは拡張カードとか1U/2Uサーバの規格なども標準化している。サーバラックはそこまで種類はないものの、電源仕様などを含んでいる関係で、やはり多数の規格を既にリリースしている。次回はその具体的な内容について紹介したい。
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