データ保護の最適解「バックアップアプライアンス」の選定と比較【第3回】
1製品でカバーできる、「統合型バックアップアプライアンス」の製品選定ポイント(1/2 ページ)
バックアップサーバとバックアップ保存先ストレージを併せ持ち、1つのバックアップ製品で環境全体をバックアップできる「統合型バックアップアプライアンス」の製品選定ポイントを解説する。
前回の「既存環境を変えない、『ターゲット型バックアップアプライアンス』の製品選定ポイント」に続き、今回はバックアップサーバとバックアップ保存先ストレージを組み合わせた「統合型バックアップアプライアンス」の製品選定ポイントを解説する。今回の内容は下記の通りだ。
- 統合型バックアップアプライアンスが適する要件
- 統合型バックアップアプライアンスの製品選定ポイント
統合型バックアップアプライアンスが適した要件
1つのバックアップ製品で環境全体をバックアップ統合したいという要件には、統合型バックアップアプライアンスは最適である。
統合型バックアップアプライアンスは大規模環境に対応したものも多い。バックアップシステムを構成するハードウェア、ソフトウェアの種類を減らせることに加え、1つのバックアップ製品で多くのシステムをバックアップできる。それによって、導入、運用がシンプルになり、有事の際の迅速な復旧につながる。また統合型バックアップアプライアンスは、重複排除機能、レプリケーション機能を持つことが多い。そのためバックアップソフトと、前回紹介したバックアップ保存先ストレージのみの「ターゲット型バックアップアプライアンス」を併用するメリットが無くなりつつある。
統合型バックアップアプライアンスの製品選定ポイント
各社が統合型バックアップアプライアンスをリリースしている。皆さんは、統合型バックアップアプライアンスの開発経緯に複数の種類が存在することを意識したことがあるだろうか。
| (1) | バックアップソフトベンダーが提供 |
|---|---|
| (2) | 始めからアプライアンス製品として開発 |
| (3) | ハードウェアベンダーが自社サーバにバックアップソフトを搭載 |
| (4) | システムインテグレーター(SIer)がサーバにバックアップソフトを搭載 |
(1)または(2)の製品を推奨したい。なぜなら(1)はアプライアンスへの移行で、ソフトウェアの既存ライセンス資産が生かせる。またソフトウェア時代の実績も確認できるので安心だ。(2)はもともとアプライアンスとして開発されているので、コンセプトやインタフェースが一般的にシンプルだ。ただし新興ベンダーの製品については、国内での実績やサポート体制は要確認だ。(3)、(4)はアプライアンスを提供しているベンダーとは別のベンダーがバックアップソフトを開発しているので、アプライアンスとしてのロードマップが不明確な場合がある。
その他、具体的な製品選定ポイントを見ていこう。
- 提供形態、ライセンス体系
- 拡張性
- ハードウェアの可用性、メンテナンス性
- サポートされるバックアップ対象
- 重複排除、レプリケーション
- ビジネス継続
- 運用
- その他
提供形態、ライセンス体系
どのような提供形態があるかを確認しておこう。提供形態が多いと、利用要件に柔軟に対応できる。主要な提供形態は以下の通り。
- 物理アプライアンス
- 仮想アプライアンス
- ソフトウェア
物理アプライアンスに加え、仮想アプライアンスが提供されていると、小規模拠点に低コストでアプライアンスを導入可能だ。ROBO(リモートオフィス/ブランチオフィス)環境に仮想アプライアンスを導入し、データセンターにバックアップデータをレプリケーションすることで、各拠点に物理アプライアンスを導入するのに比べて、低コストで災害対策を実現できる。さらにソフトウェアでの提供があると、そのソフトウェアを既に使用している場合、アプライアンスへの段階的な移行が可能だ。
またライセンス体系については下記が考えられる。複数のライセンス体系から選択できる製品もある。
- バックアップ対象の容量課金
- 使用する機能ごとの課金
- バックアップ対象のCPUソケット数での課金
- バックアップ保存先ストレージの容量課金(ターゲット容量課金とも言う)
拡張性
バックアップ保存領域の拡張またはバックアップサーバを増設しスケールアウトできるかどうかを確認しよう。主要なチェック項目を以下に挙げる。
- 拡張シェルフの追加可否
- モデルごとの最大容量、ラックユニット当たりの容量
- スケールアウトの可否(複数のバックアップサーバの一元管理)
- クラウドストレージへの対応(特に、重複排除したままの複製は可能かどうか)
- テープ装置の接続可否
- 他ベンダーのストレージをバックアップ保存先に接続可能かどうか
ハードウェアの可用性、メンテナンス性
ハードウェアの可用性が高く、オンラインでの交換/拡張が可能であれば、故障時や容量不足、性能不足のときに対応可能である。以下の点を確認しておきたい。
- ハードウェアの可用性(RAID構成、電源の冗長化、クラスタ構成など)
- オンライン交換
- オンライン拡張
サポートされるバックアップ対象
マルチOS環境、仮想/物理の混在環境に対応しているかどうかをチェックしておこう。主なチェック項目は以下だ。
- Windows、Linux、UNIXへの対応
- 仮想環境への対応
- 物理環境への対応(特に、物理サーバのシステムバックアップは可能かどうか)
- エージェントの提供有無
- 対応アプリケーション
エージェントが提供されている製品の方がバックアップ対象の範囲が広い。例えばVMware環境において、物理ディスクをそのまま仮想マシンで利用可能にするRDM(Raw Device Mapping)領域や、RDMやVMDKを共有するために「SCSIバスの共有」を設定しているクラスタ構成の仮想マシンは、VADP(VMware vSphere Storage APIs - Data Protection)によるバックアップができない。そのためエージェントによるネットワーク経由のバックアップが必須となる。また、アプリケーションの整合性が確保されたバックアップが可能かどうかについても重要なポイントとなる。
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