IT担当者の働き方すら変える
2020年のITを決定的に変える“もう無視できない10大トレンド”(2/2 ページ)
6. 遊んでいるリソースの問題に対処
IT部門には依然として、コストのかさむリソースを無駄にするという残念な習慣がある。こうした無駄には大きく4つの原因がある。カプッチョ氏によると、企業のITシステムのうち28%が“ゴーストサーバ”であることを示すデータがあるという。ゴーストサーバとは、問題なく動作しているにもかかわらず、数値化できるような有意義な働きを何もしていないシステムのことだ。さらにラックの40%は十分にプロビジョニングされておらず、未使用のラックスペースが整理統合を妨げ、物理スペース――電力と冷却は言うまでもなく――の無駄遣いを招いている。こうした無駄が放置されている背景には、「このラックは開発チームが所有し、あのラックは人事部門が所有している」といった所有意識があるという。一元的な管理体制が整っていないことも問題の1つだ。
「どのような用途で何が動作しているのかを把握できるよう、もっと統制を強化する必要がある」とカプッチョ氏は語る。
同氏は、無駄に遊んでいるリソースを減らし、コストの最適化を実現するための方法を幾つか紹介した。
- ワークロードが必要とする適切なサイズのリソースのみをプロビジョニングする
- ワークロードのライフサイクルを追跡、監視するための包括的なタグ付けシステムを導入する
- 重要データが複数のロケーションに不要に重複されるのを防ぐためにデータ送信を制限する
- 使われずに放置されているリソースを再生または再目的化する
- あまり活用されていないリソースを調整し、不活発なワークロードにはネットワーク帯域幅などのリソースがあまり多く割り当てられないようにする
- 特定の事業にとって最も有用な価格モデルを選ぶ
- 監視と管理用の無料またはオープンソースのツールを検討する
7. IoT市場が拡大
モノのインターネット(IoT)が普及すれば、数え切れないほどのタスクでセンサーとデータ収集が必要となる。2020年までに200億台ものIoTデバイスがインターネットに接続するとなれば、そのサポートに必要なインフラについては慎重に検討する必要がある。
「IT部門はIoTをサポートするためのインフラについて検討を始めるべきだ」とカプッチョ氏は語り、今計画に着手しなければ、数年後にさらに大きな問題を抱えることになりかねないと指摘する。ネットワークの複雑さ、ベンダー固有のプラットフォームや競合する仕様、異なるプロトコル標準、競合するエコシステムなど、IoT導入の複雑さを増大させかねない要因は枚挙にいとまがない。
IoTによるリソース需要の増大はさらに驚くべきものとなりそうだ。例えば、1日3交代制の警察が動画と音声を記録するための警察官用ボディカメラを100台導入するとする。その場合、どのくらいのストレージが必要で、データはどのくらいの期間保存する必要があり、セキュリティはどう確保するか。これらは、企業や組織がIoTを試す前に検討しなければならない問題のごく一部にすぎない。
8. IoTデバイスの管理
IoTの概念とそのメリットは非常に魅力的だ。だが新しいデバイスの普及は企業に対し、新たに管理の重要な難題を提示する。IoTデバイスはインストールして終わりではなく、その後、登録や調整、テストが必要だ。さらに保守も必要だ。保守には、バッテリー交換、ファームウェアの更新、再起動、監査、ステータスチェックなどを含む。そして最終的には、責任ある方法でいずれはサービスを停止させ、デバイスを処分しなければならない。
IoTの管理には、ネットワーク帯域幅のアップグレードやエッジコンピューティングなど、インフラ整備を必要とするものもある。だが最大の難題はスケーリングだろう。何しろ、わずか数年後には、インターネットに接続したIoTデバイスが何十億台と存在しているかもしれないのだ。「この問題はこの先、大きな頭痛の種になり得る。だから、私たちは先手を打つ必要がある」とカプッチョ氏は語る。
9. エッジコンピューティングが重要に
コンピューティングの新たな需要に対応すべく、中央集中型データセンターという従来のパラダイムが変化しつつある。例えば、レイテンシを減らし、ワークロードのパフォーマンスを高めるために、ワークロードをユーザーベースに近づけるといった変化だ。中央集中型のシステムでは、個々のユーザーに十分に対応できない可能性があるからだ。IoTデバイスの普及に伴い、大量のデータが発生するようになった場合、データをいちいち中央に戻していたのでは、処理や反応を待つエンドユーザーの期待に応えられない。
カプッチョ氏によれば、こうした場合には、コンピューティングリソースをユーザーやデータの近くに移すことが望ましいという。そのためには、多くの場合、エッジサイトあるいはマイクロコンピューティングサイトを導入することになる。ITアーキテクトやITプランナーには、ワークロードの配布や同期、パフォーマンス管理とユーザー管理をより深く理解することが求められる。
10. IT部門の新たな役割
最後にもう1つ。IT業界で起きているさまざまなトレンドは、IT部門が向こう数年で検討すべき新たな役割を生み出している。カプッチョ氏は、数年以内に現れるかもしれない新しい役割として以下の6つを挙げた。
- IoTデバイスのネットワーキングやコンピューティング、管理に必要な専門知識を有するIoTアーキテクト。
- クラウドの無秩序な拡大を管理する役割。クラウド料金の請求モデルによっては、忘れられている未使用のクラウドリソースに対し、予想外のコストが発生することになりかねない。
- 戦略アーキテクト。特定の事業目標を達成するために最適な方法でコンピューティングを活用できるよう支援する。
- リソース容量の最適化。クラウドの無秩序な拡大を管理する役割と密接に連係する。プロビジョニングしたリソースをニーズとマッチさせ、無駄なリソースや過剰なプロビジョニングを削減する。
- サービスブローカー。企業が多様なサービスを利用するようになる中、ビジネス部門が、利用できる全てのサービスについてそのパフォーマンスやコストを把握できるようにするためには、サービスブローカーの役割が重要となる。
- パフォーマンスとエンドツーエンドの管理。企業においては、ワークロード性能とユーザー満足度の管理が重要性を増している。アプリケーションがあらゆる側面でうまく稼働しているかどうかを把握することで、潜在的な問題を早期に発見し、改善のための洞察を得ることができる。
データセンターとIT部門が今後の5年間で目指すのは、アジリティとパフォーマンスをさらに高め、ビジネス部門により上質なサービスを提供していくことだ。ただしその成功のためには、複雑なハイブリッドインフラにより一層の注意を払い、オンプレミスのサービスと増加の一途をたどるオフプレミスサービスの両方を適切に管理する必要がある。
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