Facebook「Workplace」の実力【後編】
Facebookのビジネス向けSNSが“Slack超え”できるこれだけの根拠(1/2 ページ)
Facebookの企業向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Workplace」。使い勝手の良いツールにユーザーがなびくのは避けられない。新しい潮流を受け入れるに当たりIT部門はどうすればいいか。
Facebookの企業向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Workplace」の使い勝手は、従業員にとってはなじみのあるものとなるだろう。ただし、Workplaceは個人で使用する「Facebook」と全く同じわけではない。Workplaceの目的は、従業員同士がグループでコラボレーションを図りながら仕事の目標を達成できるようサポートすることであり、当然、そうした目的にかなった仕様となっている(前編記事:Facebookの企業向けSNS、“本物”だけが提供できる価値とは?)。
例えば、Workplaceは登録やプロフィールの作成を従業員が自分で行う必要はない。IT管理者はユーザーのWorkplaceアカウントを自社の社内ディレクトリと同期できる。
他のクラウド製品と同様、WorkplaceもIT部門の負担を減らす。保守や更新、セキュリティについては全て、Workplaceを導入した企業ではなく、Facebookが対処する。
ただし企業のCIOにもやるべきことはある。Workplaceをよく知るアナリストや企業幹部はそう警告する。まずCIOはシングルサインオンを実装し、ID管理を徹底する必要がある。プライバシーとデータ保護に関するルールをWorkplaceでも確実に順守するよう、対策を講じる必要も出てくるはずだ。さらにCIOはWorkplaceに関する長期的な戦略計画も策定する必要がある。IT部門の方針がどうであれ、従業員が勝手にWorkplaceを使うようになる可能性もあるからだ。
併せて読みたいお薦め記事
Facebook「Workplace」について
- Facebookの企業向けSNS、“本物”だけが提供できる価値とは?
- 「Slack」には到底及ばない、Facebookの企業向けSNS「Workplace」に足りない点とは?
- うわさされる「Facebook at Work」(仮)の中身、仕事でも「今どんな気持ち?」
企業向けコラボレーションツールのライバルは「Slack」
モバイルでの使い勝手が秀逸
調査会社Gartner Researchでコラボレーションとソーシャルソフトウェアのリサーチ担当副社長を務めるマイク・ゴッタ氏は「Workplaceを完全に無視するわけにはいかない理由は多数ある」とゴッタ氏は語る。
グローバルに展開するマーケティング支援企業Weber Shandwickで最高技術責任者(CTO)を務めるリー・ヌーナン氏も、ゴッタ氏と同じ意見だ。
ヌーナン氏によれば、Workplaceのβテストへの参加を最初に提案したのは同社のデジタル部門だったという。デジタル部門は、新しいテクノロジーを活用したデジタルビジネスを追求し、顧客と直接やりとりする。幹部は精査の上でこの提案に賛同した。従業員のエンゲージメントを高め、コラボレーションを強化するための方法になると判断したのだ。注目度が高いツールなので、顧客にアドバイスを提供できるよう、使い方をマスターしておきたいとの考えもあったという。
Weber Shandwickは2015年12月にWorkplace (当時の名称は『Facebook at Work』)の試験運用を開始し、その効果を確認した後、2016年初頭に3600人の従業員に対して導入した。
ヌーナン氏によれば、Workplaceの設定は簡単だという。そのため、同氏率いるIT部門の注意の大半はセキュリティとプライバシー保護に向けられた。Workplaceでグループを作成する際にはプライバシーを3段階で設定できる。その違いを従業員に説明するために、ヌーナン氏らは自社のデータセキュリティ要件とデータプライバシー要件を再確認したという。
3段階のプライバシー設定のうち、どれが自分たちのニーズに合うかは従業員が自分で判断する。1つは、全従業員に対して完全にオープンなグループを作成できる設定だ。残り2つの設定では参加には招待が必要となり、そのうち1つは高いプライバシー保護と選択性を提供する。
これまでのところ、ヌーナン氏と同僚たちはWorkplaceに感心しており、特にモバイルデバイスでの使い勝手と視覚要素のサポートに感銘を受けたという。Weber Shandwickは今後もこの製品を使い続ける方針だ。ただし、今後どのような機能が追加されるかや、確実なROIを得られるかどうかについては、まだ疑問が残るという。
「社内のコラボレーションにプラスの影響を及ぼしているのは確かだ。数値化できる価基準ではないが、極めて重要なことだ」とヌーナン氏は語る。
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