後から変えられないから慎重に
徹底入門:ノートPCに搭載するディスプレイのサイズと解像度「黄金比」の求め方(1/3 ページ)
ディスプレイは、ほとんどあらゆるコンピュータにおいて中心的存在だ。本記事では、ノートPCの買い替えを検討する際に知っておくべきディスプレイの基本用語について解説する。
どんなに高性能なCPUを搭載しようともどんなにシャシーを薄く軽くしたとしても、ユーザーが感じる使い勝手の良さに大きく影響するのはキーボードとディスプレイだ。デスクトップPCが主流の時代は、自分の好みや利用目的に合わせたディスプレイを選べた。合わないと思ったら変えることも簡単だった。
しかし、ノートPC全盛となると本体と一体化したことでディスプレイの性能がその後の人生、とまでは言わないけれど、PCを使う時間(現代に生きる人々にとって、その時間は人生の多くの部分を占めるはずだ)を不愉快に過ごすことになるだろう。
それだけに、購入するノートPCの選択においてディスプレイはCPUやストレージの容量、本体サイズと重さ、そして、最近重視するユーザーが増えているボディーデザインと同じ、もしくは、それ以上に検討を要する項目だ。
ディスプレイの仕様を構成する項目は複数あるが、見ただけで分かるものと説明を読まないと気が付かないこと、そして、説明を読んだだけでは不十分で実物を見てようやく判明することがあるなど、その実像の把握は意外と難しい。
そこで、この記事ではノートPCに搭載するディスプレイを評価するガイドラインとして、ディスプレイの仕様に関する基本情報を紹介する。なお、ここで提供する情報は主にユーザー視点で役に立つ内容に絞っているので、技術的な内容に興味を持った場合は、ディスプレイパネルを開発しているベンダーの技術解説を参照してみてほしい。
ディスプレイのサイズ
ノートPCのディスプレイに関してはさまざまな指標があるが、中でも最初に決めなくてはならないのがサイズだ。サイズは対角線の長さ(インチ)で表す(日本の規格ではインチで示した長さを取って“型”と記す)。海外展開しているモデルで「14インチノートPC」と広告に書いている場合、その多くはディスプレイサイズを表しているにすぎない。14インチディスプレイを搭載したノートPCの本体サイズはほぼ共通するが、全く一致しているわけでもない。
ノートPCの標準的なディスプレイサイズは10.6インチから18.4インチの範囲だが、「Acer Predator 21X」のようにクラムシェルボディーでありながら20インチを超えるディスプレイを搭載する製品もある。
持ち運びの容易さとディスプレイの見やすさのバランスがいいのは14.1インチディスプレイだ。ノートPCの全般的な持ち運びやすさは、重量ではなく設置面積によって決まる。ノートPCの本体サイズが小さいほど持ち運びは楽だが、ディスプレイサイズも小さくなるのが難点だ。一方、15.6インチディスプレイは見やすく、長時間使っていても目が疲れないという利点があるが、ノートPCの本体サイズが大きいので持ち運びにやや不便だ。
さまざまなディスプレイサイズを搭載するノートPCの実物を実際に見て確認することで、どれが自分にとって最適なサイズかを決めることをお勧めする。
画面解像度
ノートPCのディスプレイに表示する画像は「ピクセル」と呼ぶ微小な四角形で構成している。ディスプレイの表面を拡大鏡で見ると、細かい格子状の網のように見えるはずだ。離れた位置から見ると個々のピクセルは識別できない。
重要なのはディスプレイにあるピクセルの数だ。このピクセル数を「画面解像度」と呼ぶ。画面解像度は「水平方向のピクセル数×垂直方向のピクセル数」で定義する。「1920×1080ピクセルディスプレイ」は、水平方向に1920ピクセル、垂直方向に1080ピクセル配置していることを示す。
現在、一般に出回っているノートPCの回モデルでは1366×768ピクセルが一般的だ。ハイエンドモデルになると3840×2160ピクセル対応ディスプレイを搭載する。一般に、解像度が高いディスプレイを搭載したモデルは価格も高いが、品質が高いとは限らない。
画面に表示する各オブジェクトは、何個かのピクセルで構成している。画面解像度が高ければ高いほど同じオブジェクトを構成するピクセル数が多くなるので高い精細度で画面に表示できる。高解像度のディスプレイが表示する画面がクリアに見えるのは、細部まで高精細で表示できるからだ。
1つ注意したいのは、ディスプレイサイズと画面解像度の関係には実用的な限界が存在することだ。あるオブジェクトが100×100ピクセルであれば、解像度が1920×1080ピクセルのディスプレイで問題なく表示できる。このオブジェクトを同じディスプレイサイズながら解像度が3840×2160ピクセルのディスプレイに表示すると、1920×1080ディスプレイと比べるとずっと小さく見える。このように、オブジェクトが小さ過ぎて見えにくくなる「実用的な限界」に注意する必要がある。
サイズが15.6インチで解像度が1920×1080ピクセルのディスプレイは、文字やメニューが小さ過ぎて見えにくくなる限界に近い。ただし、文字を拡大表示することで改善できる。この機能は「Mac OS X」や「Windows 10」といったOSが備えている。拡大率を125%に設定すると、文字サイズを通常よりも25%大きく表示する。
ディスプレイサイズと画面解像度の選択で悩むときは、自分の目に合っているかを考えるとよい。これを科学的な手法で調べるには、実際の1インチにどれだけのピクセルが並ぶのかを示すPPI(ピクセル/インチ)が参考になる。今ではディスプレイサイズと画面解像度を入力するとPPIの値をもとめてくれる計算機もあるのでこれを利用すると簡単だ(PPI計算機の一例としては、このようなものがある)。
PPIの値から現在使っているノートPCのディスプレイサイズと画面解像度を基準として、どの程度のPPIなら自分の目に合っているかを判断すればよい。例えば17.3インチディスプレイで1920×1080ピクセルの解像度は、127PPIに相当する。これよりも一回り小さい15.6インチのディスプレイで同じ解像度なら141PPIに相当する。17.3インチディスプレイと比べて文字が約12パーセント小さく表示することになる。
文字のサイズが小さくなった状態を事前に体験するなら画面を縮小表示すればよい。今使っているモニター上で80%に縮小した文字を読めるのであれば、現在よりも高い解像度のディスプレイでも大丈夫だ。
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