長所と短所をまとめた
ノートPCの“キーボード”主要技術を比較、今選ぶべきは?(2/3 ページ)
アイソレーションキーボード
GIGABYTE Technologyのゲーム向けノートPC「P55W」などが搭載するアイソレーションキーボードの特徴は、キートップが平らで、キーの間隔に余裕があることだ(写真2)。アイソレーションキーボードは、あらゆる形とサイズのノートPCに搭載されている。アイソレーションキーボードは、従来型のキーボードと似たようなものだと考えて問題ない。唯一異なるのは、キーの側面に傾斜がないことだ。
従来型のキーボードを使用している場合は、アイソレーションキーボードの外観に若干戸惑いを覚えるかもしれない。だが実際に指を置く位置は、従来型のキーボードと全く変わらない。従来型のキーボードでキーを見ないで入力できるなら、アイソレーションキーボードでも問題なく入力できるはずだ。
設計の観点では、アイソレーションキーボードは従来型のキーボードよりも近代的な外観だといえるだろう。アイソレーションキーボードは上下の動きを比較的小さ目に実装できるので、超薄型設計のノートPCでも比較的簡単に採用できる。
キーキャップの設計によっては、キーキャップの下にちりやほこりがたまる可能性は依然としてある。だが、その点を除けば、アイソレーションキーボードの方が従来型のキーボードよりも楽に掃除できる。
アイソレーションキーボードでは、キーを押したときの感触が機種によって大きく異なる。ブランドが同じでも違うことがある。超薄型ノートPCが搭載するアイソレーションキーボードの使い心地は最低の部類になる。キーストロークの幅が最低限しか確保されない傾向があるからだ。Apple「MacBook」の2016年モデルを使ってみると、キーストロークの浅さが、デバイスの使いやすさを損ねていることが分かる(写真3)。使いやすさに関しては、MacBookの2015年モデルよりも低下していた。
キーストロークの深さについて正反対の評価を獲得したのは、Acerのゲーム向けノートPC「Predator 17X」だ。多数のノートPCのキーボードをレビューしてきた経験を踏まえて言えば、Predator 17Xのキーボードは、その中でも最高の打ち心地を備えた1つだといえる。
上述の2つの例から、アイソレーションキーボードを採用するかどうかだけで、キーを押したときの感触の良しあしが決まるわけではないことが分かる。これはどのスタイルのキーボードにもいえることだ。
アイソレーションキーボードの長所と課題
長所
- 超薄型ノートPCで適切に機能する設計
- 従来型のキーボードに比べて容易に清潔な状態を保てる
短所
- キーストロークが浅いモデルではキーを押したときの感触があまり良くない
メカニカルキーボード
メカニカルキーボードは一般的に、デスクトップPC環境でのみ採用されてきた。だがMicro-Star International(MSI)が「GT80 2QE Titan SLI」という巨大なノートPCを発表したことで状況が一変した。
技術的な詳細は割愛するが、メカニカルキーボードは文字通りメカニルスイッチをキーキャップの下に用いており、キーを押したときに「カチッ」という音がはっきり聞こえる。一方で一般的なノートPCが採用するメンブレンキーボードには機械的な動作がない。
本稿執筆時点で、GT80 2QE Titan SLI以外にメカニカルキーボードを搭載したノートPCとして考えられるのは、Lenovoの「Ideapad Y900」だ。GT80 2QE Titan SLIは、実質的にデスクトップPCのキーボードをノートPCに組み込んでいるにすぎない。だがIdeapad Y900のキーボードは、ノートPC向けのアイソレーションスタイルのキー配置だ。キーストロークは標準的なアイソレーションキーボードよりも深い。その理由は、キーキャップの下にメカニカルスイッチを組み込むのにキーの高さが必要になるためだろう。
メカニカルキーボードが魅力的な理由は、一般的にキーを押したときの感触が素晴らしいことにある。機械的に動作するキーは耐用年数も長く、数百万回押せるように調整されている。優秀なメカニカルキーボードなら一生使える可能性もある。
GT80 2QE Titan SLIに搭載されているようなフルサイズのメカニカルキーボードは、キーを押したときの音がかなり大きくなりがちだ。静けさが求められる場所で使用するのは得策ではないだろう。
Ideapad Y900のアイソレーションスタイルのメカニカルキーボードの音は、通常のアイソレーションキーボードとほとんど変わらない。ただしキーを押したときの感触の心地よさは、フルサイズのメカニカルキーボードに劣る。
メカニカルキーボードにはもう1つ大きな短所がある。それは、少なくともノートPCではめったに採用されることがなく、高価なことだ。本稿執筆時点では、メカニカルキーボードを搭載した主要なノートPCは、本稿で取り上げた2機種ぐらいしかない。近い将来、このメカニカルキーボードが超薄型設計に組み込まれる可能性は低いだろう。
メカニカルキーボードの長所と短所
長所
- 一般的にキーを押したときの感触が非常に素晴らしい
- 機械的な動作は耐久性が高く、長期にわたって利用できる
短所
- メカニカルキーボード搭載のノートPCを見つけることは難しく、超薄型設計ではまず採用されない
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