長所と短所をまとめた
ノートPCの“キーボード”主要技術を比較、今選ぶべきは?(3/3 ページ)
タッチ式キーボード
タッチ式キーボードに物理的な動作はない。タッチしたり押したりすることで、各「キー」がアクティブになるだけだ。キーの表面に触れたり押したりしても、物理的な動きによる反応はない。触角フィードバック機能が備わっている場合は、わずかに振動したり音を鳴らしたりすることで、キーがアクティブになったことを伝える仕組みになっている。
一般的には、タッチ式キーボードはノートPCの最優先入力方式にはならない。例えばLenovoの「Lenovo YOGA 710」の11型モデルのような2-in-1デバイス(タブレットとしてもノートPCとしても使えるクライアント端末)を所持しているとしよう(写真7)。タブレットモードで文字を入力するには、画面にキーボードを表示するソフトウェアキーボードを使用することになる。誤操作を防ぐために、画面を折りたたむと、物理キーボードは自動で無効になる。
ノートPCでタッチ式キーボードの実用化が進まない理由は、キーに打鍵感がないことだ。Dellが2013年にリリースした「XPS 11」は、発売からわずか6カ月で製造を終了した。XPS 11のキーボードの外形は従来のものと同じだったが、物理的なキーではなく、タッチ操作でアクティブになる仕組みだった。
Lenovoの「YOGA BOOK」もタッチ式キーボードを搭載する。2016年の時点で利用可能なテクノロジーを幅広く採用しているものの、打鍵感に関してはまだ期待する水準に達していない。なおYOGA BOOKのレビュー記事「徹底レビュー:新2-in-1『YOGA BOOK』、“未来感”漂うパネルキーボードの使い勝手は?」では、キーボードについて次のように評している。
物理キーボードの代替としては物足りない。まず、入力速度は遅くて、ぎこちない。物理キーがないため、キーがあるはずの位置をやみくもにタップすることになる。ある程度慣れて作業に集中すれば十分正確に文字を入力できるが、他のキーよりも小さい句読点のキーや「Shift」キーと同時入力はやりづらい。タッチ入力は不可能で、人差し指でせっせと入力した方がスクリーンキーボードを使用するより若干ましという評価になる。
タッチ式キーボードの長所と短所
長所
- タブレットデバイスや同等のデバイスを使用する場合に便利である
短所
- 物理的な打鍵感がほとんどないことが、使いやすさを大きく損ねている
2-in-1デバイスに関する検討事項
2-in-1デバイスを探しているなら、特にキーボードのスタイルに注目することをお勧めする。回転式キーボードを採用するほとんどの2-in-1デバイスは、タブレットとして活用する場合、キーボードが無防備になる。キーボードの機能は無効になるが、キーが押されなくなるわけではない。
キーが無防備にさらけ出されていると、その状態に不自然さを感じるだろう。だがそれだけではなく、損傷を受けやすいことが問題になる。例えば、キーボードを不意に何かの角や硬い物にぶつけてキーが引っ掛かったなら、キーが外れてしまうこともあり得る。めったに起きることではないが、可能性は否定できない。
こうした状況を回避する単純な方法は、キーが無防備にならない従来のノートPCを購入することだ。だがLenovo YOGA 710など、多数の2-in-1デバイスを購入候補から外さざるを得なくなる。
2-in-1デバイスとしては高価だが、VAIOの「VAIO Z フリップモデル」は、タブレットモード時にキーがむき出しの状態にならない。ディスプレイは回転してキーボードの上に折り畳む仕組みになっている。
Lenovoの「ThinkPad X1 Yoga」も、この点に関して工夫を凝らしている。タブレットモード時には、アイソレーションキーボードを囲んでいるキーボードトレイが持ち上がり、キーキャップと同じ高さの平らな面を作り出す。そのため、キーが何かに引っ掛かる可能性を軽減できる。
まとめ
現在市場に流通しているノートPCの大半は、アイソレーションキーボードを搭載することだろう。ここ数年で、従来型のキーボードはアイソレーションキーボードにほぼ完全に取って代わられている状況だ。またMSIとLenovoのゲーム向けノートPCはメカニカルキーボードを搭載する。だが、この2機種を除けば、ノートPCでメカニカルキーボードはほとんど普及していないのが実情だ。
タッチ式のキーボードや触感フィードバックを備えたキーボードが、タブレットで採用されることはある。だがノートPCでは最優先入力デバイスとしては使用されていないことがほとんどだ。
ノートPC業界にとって、アイソレーションキーボードは概して良くも悪くもない。キーボードの打ち心地の良しあしは、1つの要素で決まるものではない。スタイルが同じ2台のキーボードの感触が全く異なることもあり得る。
可能であれば、購入前に新しいノートPCと、そのキーボードを徹底して試すことをお勧めする。あるキーボードの使用感が、別のキーボードと似た感じになると想定するのは軽率な考えだろう。それが同じブランドの製品だとしてもだ。最終的な決断を下す前に、適切なキーボードを選ぶ指針となるTechTargetのガイド記事「ノートPCはキーボードで選ぶべき――失敗しないための3つのポイント」もぜひ読んでほしい。
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